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(サウジアラビア)
リヤド発
2022年02月08日
サウジアラビア政府が推進する国家戦略「ビジョン2030」の下、サウジアラビア人女性の労働参加率は順調に増加を続けている。ビジョン2030が発表された2016年第2四半期(4~6月)当時に17.7%だった同参加率は、2021年第3四半期(7~9月)には34.1%まで上昇した。
政府は幅広い産業で女性の参画を促しており、製造業分野での女性進出にも力を入れている。国内工業団地を所管するサウジアラビア工業用地公団(MODON)でマーケティング・広報部長を務めるコサイ・アラブドゥルカリム氏に最新動向を聞いた(1月31日)。
(問)製造業における女性進出の状況は。
(答)ここ数年、工業団地(Industrial City)で働く女性は増加を続けている。現在、2万人を超える女性が国内36カ所の工業団地で働いている。この中には女性起業家も含まれる。女性起業家の比率は現在は1%程度だが、MODONでは2030年までに20%まで高めることを目標としている。
(問)製造業における女性比率を高める工夫は。
(答)製造業の女性参加を促すため、国内主要5都市(注)にOASISという施設を整備している。普通、工業団地は郊外にあるため、幼児のいる女性にとって不便だった。OASISはいずれも居住区近くに位置し、通勤に便利な立地となっている。対象業種は医薬品や食品、テック系など環境衛生面や安全面を満たす産業のみで、女性とも親和性が高い。また、OASIS内には育児所、学校、クリニック、移動手段などを整備し、女性の利用を促している。あらかじめ製造設備を用意した工場も用意している。
さらに、MODONでは産業・鉱物資源省とともに、啓蒙活動の一環として大規模会議「Women in Industry Conference」を開催している。これまでにダンマン、ジェッダで開催し、2022年はリヤドで開催する予定だ。
(問)執務環境を整備する際の留意点は。
(答)かつてサウジアラビアでは、女性が男性と同じ施設内や部屋内で執務を行うことが難しかったが、状況は大きく変わった。われわれの事務所のように、男性と女性が隣同士で業務に従事する企業が増えている。ただし、企業によっては、各社の判断で女性専用スペースを作るなど配慮している場合もある。
(注)アハサー、カスィーム、ジェッダ、ジャウフ、ヤンブーの5都市
(秋山士郎)
(サウジアラビア)
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