米国がパリ協定に正式復帰、4月に気候変動サミットを主催

(米国)

ニューヨーク発

2021年02月24日

米国は2月19日、地球温暖化対策の世界的枠組みの「パリ協定」に正式復帰した。バイデン大統領は就任直後の1月20日にパリ協定への復帰を決定し、国連に通知していたが(バイデン氏が米ブラック ジャック)、同協定の規定により、通知から30日経過後の2月19日に正式に復帰が認められた。

協定に復帰した2月19日、バイデン大統領は、G7首脳会議後に参加したミュンヘン安全保障会議でのオンライン演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで気候変動問題に触れて、パリ協定復帰を強調するとともに、地球の日(4月22日)に気候変動サミットを主催することに言及した(2021年2月22日記事参照)。ブリンケン国務長官も声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「気候変動と科学外交はわが国の外交政策の議論において二度と付随扱いにすることはない」「これらは国家安全保障や移民、国際的な公衆衛生の向上、経済外交、貿易交渉において不可欠なものだ」と述べた。

また、ケリー気候変動担当大統領特使は同日の国連のオンラインイベントにおいて、「パリ協定だけでは不十分だ」「各国が今後10年間、また30年間のロードマップを実質的に定義しなければならない」と述べた。さらに、4月に主催する気候サミットを念頭に、「われわれは、地球の温度上昇を1.5度までに抑制するために、今後10年間に必要となる行動を決定し、2050年までのカーボンネットゼロ達成のために何ができるのか、より良いビジョンを作成していく」とした。

オバマ政権時には、2025年までに米国の排出量を2005年比で26~28%削減するという目標が掲げられていたが、一部報道では、バイデン政権は新たな目標を作成しているところで、4月22日の気候変動首脳サミットで同目標を発表する予定と当局関係者が述べたとされる。こうした環境政策を推進していく陣容として、元環境保護長官のジーナ・マッカーシー氏が、主に国内の気候問題に焦点を当てた国家気候担当大統領補佐官に任命された。そのほか、環境保護長官にはノースカロライナ州環境品質局の長官を務めたマイケル・リーガン氏が、エネルギー長官にはミシガン州知事時代に環境政策を推し進めてきたジェニファー・グランホルム氏が、それぞれ閣僚候補として議会の承認手続き待ちとされており、こうした人選も含め、バイデン政権の今後の環境政策運営が注目される。

(宮野慶太)

(米国)

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