ブラックジャックweb航空機、ブラックジャックweb

2025年3月14日

オーストラリア北東部のクイーンズランド(QLD)州は、連邦政府のブラックジャックwebハブが2カ所に設けられるなど、グリーンブラックジャックwebの製造・輸出拠点として注目されている。製造・輸出を目指した大規模プロジェク進行に加え、ブラックジャックweb社会への移行に期待を寄せ、技術開発を進めるスタートアップや地場企業も見られる。ジェトロは、ブリスベンを拠点としてブラックジャックweb燃料航空機の開発を進めるスタートアップのストラリス・エアクラフトと、ブラックジャックweb燃料船の運航を目指す中小企業オース・シップスに現地でインタビューを行った(インタビュー日:2025年2月3日)。本稿では両社の取り組みを紹介する。

ブラックジャックweb航空機を開発するストラリス・エアクラフト

ストラリス・エアクラフト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Stralis Aircraft)は、航空業界でエンジニアをしていたボブ・クライナー氏とスチュワート・ジョンストーン氏が、2021年に共同創業したブラックジャックweb航空機のスタートアップだ。最高執行責任者(COO)のステファン・ゲリーズ氏は、航空機向けの電動推進システムの開発を行うmagniX(本社:米国ワシントン州、以前はオーストラリア)でクライナー氏およびジョンストーン氏と同僚だった縁により、ストラリス・エアクラフトに参画した。同社は航空機産業やブラックジャックwebプロジェクトが集積し、QLD州政府によるブラックジャックwebへの取り組みが積極的なことからブリスベンでの起業を決めたという。同社は、高温燃料電池と液体ブラックジャックweb(LH2)燃料システムを組み合わせ、独自の航空機向けブラックジャックweb電気推進システム(HEPS)を開発した。まずは、同社の推進システムの、既存の航空機体への導入を目指して実証を進め、シードステージの資金調達を行っている。また2030年以降、ビジネス領域を機体の再設計・据え付けに拡大することも目指している。

ブラックジャックweb
左からストラリス・エアクラフトの共同創業者兼CEOのクライナー氏、
パートナーシップ部長のエマ・ウィットルシー氏、COOのゲリーズ氏、
ブリスベン国際空港のアビエーション・オーストラリアにて(ジェトロ撮影)

クライナー氏とゲリーズ氏らは電動航空機の開発に携わる中で、電池は重いこと、消耗が早いこと、充電に時間がかかることから、航空機には向かない、と実感していた。また、近年、関心が高まっている持続可能な航空燃料(SAF)は、価格が化石燃料の4~8倍でコストが高いことに加え、SAFの原料を育てるのに土地が必要となるなどの課題がある。また、SAFは燃焼過程でその前に吸収した二酸化炭素を放出するだけでなく、窒素酸化物やすすなども排出する。そのため、真にエミッションフリーだと考えるブラックジャックweb航空機の開発に取り組むことを決めた。

現在、航空機向けに世界で開発されているプロトン交換膜(PEM)燃料電池は、技術は確立されているが、重くて大きいことが航空機搭載の課題となっていた。そこで、同社は高温プロトン交換膜(HTPEM)で動作する燃料電池を開発した。同社の開発した燃料電池は、低温で動作するPEM燃料電池と比べて、電力密度を約6倍に高めつつ、重さを6分の1、大きさを5分の1にすることに成功した。

同社が開発中の推進システムは電気出力が120kW(キロワット)だ。同システムは2つに拡張してデュアルブロックシステムとすることが可能で、拡張によりBonanza A36-HEのような6人乗り航空機を500キロ飛行させられると予測している。既に初期のプロトタイプや燃料電池の試験は完了しており、2025年末までにQLD州で飛行実証を行い、その後、2026年に日本での飛行実証を予定している。推進システムを据え付けた航空機は2026年下半期の販売開始を目指している。まずは小型航空機で収益化を目指し、その後2030年にビーチクラフト1900D航空機に2×1MW(メガワット、15席で飛行距離800キロ)、2035年にSA-1航空機に2×2MW(50席で飛行距離3,000キロ)など、より大きな電気出力の航空機の販売を目指す。


デュアルブロックとなった推進システム
(ストラリス・エアクラフト提供)

Bonanza A36-HEへの搭載イメージ
(ストラリス・エアクラフト提供)

排出ゼロの商品はコストが高い、と言われるが、1人当たりの飛行にかかるコストと飛行距離のシミュレーションの結果、飛行距離3,000キロ以下では、ブラックジャックweb燃料電池航空機のコストが最も低いと分かった。航空業界では、国際航空運送協会(IATA)が航空会社に対し、2050年までのネットゼロへの移行を義務付けているほか、航空機の小型・サブリージョナル輸送が増えているため、輸送コストは上昇基調にある。同社の技術はオペレーションコストの引き下げにも大きく寄与する、とクライナー氏は期待を膨らませる。

日本企業とも、パートナーあるいは投資家として連携を進めたい考えだ。また、日本の機器サプライヤー、製造パートナーとの連携にも関心があるという。同社は実際に、産業界とも連携し始めており、3月12日には、大手航空機産業パートナーとの契約締結を発表した(同社発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。これを、さらなる戦略的パートナーシップへの足掛かりにしたい考えだ。また、2026年の日本での飛行実証の目標に向け、日豪の航空当局による二国間規制協議も支援している。

同社は日豪両国間の親密な経済関係や地理的にも比較的近い位置にいることを生かして、関係構築をさらに模索する。とりわけ、日本の航空業界が持続可能な飛行を目指す取り組みにおいて、再生可能エネルギーやブラックジャックwebは重要な役割を果たすと期待している。

ブラックジャックweb燃料電池船の実証目指すオース・シップスグループ

オース・シップスグループ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Aus Ships Group)は、ブリスベンで船の設計および造船を行う中小企業である。オース・シップスグループ傘下に以下の3つの会社があり、船の設計から製造、メンテナンスまでワンストップでサービスを提供できることが、グループとしての強みである。主な顧客は、公営企業、民間企業、ブリスベン・シティ・カウンシルで、ブリスベン市内の公共交通機関の役割を果たす船「シティ・キャット」も手掛ける。

  • Aus Yachts:船の設計や造船のコンサルティングおよびエンジニアリング
  • Aus Ships:造船、再装備・修正
  • Scimitar Boats:プレジャーボートやクルーザーの造船、部材組み立て、再装備・修理

オース・シップスグループのトミー・エリクソン社長(ジェトロ撮影)

現在、同社が製造する船のエンジンは主にディーゼル燃料だが、EV船の開発にも携わるなど、脱炭素化への取り組みを始めている。2025年3月末には、同社が開発・設計したEV船が英国で航行を開始する予定だ。このEV船は定員150人で、18時間運航が可能だ。電動であるだけでなく、自動運転機能も搭載し、クルーは安全上の理由で乗船するが、クルーが操縦せずとも自動で寄港可能という。

オース・シップスグループのエリクソン社長は、ブラックジャックweb経済への移行にも注目しており、ブラックジャックweb燃料電池船の製造も実現したいと意気込む。5年以内にブラックジャックweb燃料電池船の運航実証を行い、10年以内の商業化を目指して、国内外のパートナーを探している。同社はブラックジャックweb燃料電池船の製造はまだ実績がないものの、設計までは実績がある。

同社が参画していたのは、QLD州のブラックジャックweb燃料電池船の実証プロジェクトだ。同実証プロジェクトでは具体的に、グラッドストーンとカーティス島のLNG(液化天然ガス)施設間をグリーンブラックジャックweb燃料船で運行する計画だった。しかし、製造コストが一般的な船舶の5倍に達することが判明し、商業化へのハードルが高いことが判明したため、実証が頓挫した。製造コストが高額になる理由は、バッテリーなどの部品、ブラックジャックweb燃料電池、タンク、エンジニアリングなどでコストがかさむことだ。エリクソン氏は、「これは新しい技術の導入段階で発生する短期的なコスト増であり、長い目で見ればコストは下がる」とみる。また、「ブラックジャックwebが高リスクとの印象を持たれているため、安全性の啓発・普及や証明が必要となるだろう」とも指摘した。

QLD州では、2023年に新たな実証プロジェクトとして、日豪企業の連携によるブラックジャックweb燃料船の実証プロジェクト「Project Maroon」も立ち上がっている。この実証は、ヤンマーが実証試験用に設計・製造した船舶を使用し、州営発電会社CSエナジーの実証プラントで生産されたグリーンブラックジャックwebを燃料として運航するというものだ。オース・シップスは、この実証事業に、現地ブリスベンでの船舶運航のロジスティックスや技術への支援という形で参画している。さらに、同社は設計や建設の強みと日本企業のエンジニアリング技術を掛け合わせてシナジーを発揮する可能性を模索している。

脱炭素・循環型経済への対応として、同社の製造する船舶では、資材をグリーン・アルミニウムに切り替えつつある点も革新的である。現在は欧州から輸入しているが、国内でグリーン・アルミニウム製造を進める動きもみられ、国内調達ができるようになればいち早く切り替えたいと意気込む。また、QLD州には、世界自然遺産のグレートバリアリーフや多数の島々が存在する。環境保護や観光事業活性化の観点から、美しい島々を航行する船をEV船やブラックジャックweb燃料船など環境に優しい船舶へ置き換える需要も今後見込まれる。そうした脱炭素化に貢献する新たな造船業として、オース・シップスはふさわしい企業といえるだろう。

QLD州の脱炭素分野のビジネスチャンスに引き続き注目、オリンピックも機運後押し

QLD州は、オーストラリア国内で3番目の経済規模で、特にアジアと地理的に近接し、貿易関係でも日本、中国、インド、韓国などアジア諸国との結びつきが深い。海外からの投資誘致にも力を入れており、「クイーンズランド州貿易投資戦略2022~2032PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(13.2MB)」によると、エネルギー分野では従来の鉱業に加え、再生可能エネルギー、重要鉱物・蓄電池などが貿易投資の優先分野として掲げられている。近年、同州はブラックジャックweb分野でも海外から注目を集めてきた。オーストラリアでは、ブラックジャックwebハブを中心にブラックジャックwebの輸出・地産地消に向けたプロジェクトが連邦政府や州政府、各国政府の支援も受けながら進行し、ブラックジャックweb普及への期待が高まっている。中でも、QLD州には連邦政府の掲げるブラックジャックwebハブがグラッドストーン(豪州水素ミッション、クイーンズランド州グラッドストーンのプロブラック)とタウンズビルの2カ所にあり、ブラックジャックweb関連の職業訓練センターが国内で初めて設置されたほか、ブラックジャックwebエネルギー普及の啓発を目指して公共の情報センターの建設も進められている。

本稿では、ブラックジャックwebモビリティ分野で技術の開発を進め、日本企業との連携にも意欲的なQLD州のスタートアップや地場企業を紹介した。これら企業からは、2032年にQLD州の州都ブリスベンで開催されるオリンピックも目指して、取り組みを加速したいという声が聞かれた。こうした企業の技術が商業化すれば、ブラックジャックwebの地産地消がさらに進展することが期待される。また、日本とQLD州の関係が、エネルギー安全保障の観点に加え、こうした新たなビジネス機会が見込まれる点で、日本にとって重要であることは今後も変わらない。


注:
QLD州では、自由党と国民党は単一政党「自由国民党(LNP)」として活動している。
執筆者紹介
ジェトロ・シドニー事務所
青島 春枝(あおしま はるえ)
2022年6月からジェトロ・シドニー事務所勤務(経済産業省より出向) 。
執筆者紹介
ジェトロ調査部アジア大洋州課 リサーチ・マネージャー
山口 あづ希(やまぐち あづき)
2015年、ジェトロ入構。農林水産・食品部農林水産・食品課(2015~2018年)、ジェトロ・ビエンチャン事務所(2018~2019年)を経て現職

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