欧州委、米モデルナの新型コロナ変異株対応型ワクチンを追加購入へ

(EU)

欧州ロシアCIS課

2022年08月12日

欧州委員会は89日、米国モデルナの新型コロナウイルスワクチンの納入時期について、9月から冬にかけて各加盟国に納入するよう、同社と調整したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。当初の契約で夏から納品される予定だったワクチン納入時期を9月以降にずらし、感染が再び増えることが予測される秋から冬にかけて、各加盟国が計画的にワクチン接種キャンペーンを進めることができるようにする。

また、欧州委は、一部加盟国の要望を受けて今回、モデルナからオミクロン株などの変異株に対応したワクチンを追加で1,500万回分購入することで合意したと発表した。同社の変異株対応型ワクチンについても、EUで今後承認され次第、加盟国は必要に応じて納入を受けることができる。

EMA、変異株対応型ワクチンの逐次審査進める

EUの医薬品規制当局の欧州医薬品庁(EMA)では、既に変異株対応型ワクチンの承認勧告に向けた作業を始めている。EMAは、米ファイザーとドイツのビオンテック製オミクロン株対応型ワクチンについては615日、モデルナのオミクロン株対応型ワクチンについては同17日に、それぞれ逐次審査(ローリング・レビュー)を開始したと発表している。また、EMA89日に、ファイザー・ビオンテック製のオミクロン株の派生株「BA.4」と「BA.5」に対応したワクチンのローリングレビュー開始を発表した。EMAはこれらの変異株対応型ワクチンの承認時期について詳細は明らかにしていないが、5月の記者会見では、9月末に承認される可能性が高いと述べている(2022年5月13日記事参照)

(土屋朋美)

(EU)

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