新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチンが世界初の承認、今秋に使用
(英国)
ロンドン発
2022年08月17日
英国の保健安全保障庁(UKHSA)は8月15日、新型コロナワクチンの今秋のブースター接種で使用するワクチンの種別について、予防接種・免疫合同委員会(JCVI)が提言を発表したと伝えた。18歳以上への使用が提言されたワクチンは米国モデルナ製、米ファイザーとドイツ・ビオンテック製、米ノババックス製。このうち米モデルナ製については、従来のワクチンと、従来株に加えてオミクロン変異株にも対応する2価ワクチンの2種。英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は同日、同社製の変異株対応型ワクチンを世界で初めて承認している(注)。ノババックス製ワクチンは2月3日にMHRAから承認されたものの、ほかに承認されているワクチンが使用できない例外的な状況に限って使用できると、JCVIは提言している。5歳~17歳については、ファイザー・ビオンテック製ワクチンの使用を提言している。イングランドでの接種時期など今秋のブースター接種計画の詳細については、国営医療サービス(NHS)イングランドが発表する予定。
なお、同計画についてはJCVIが7月15日に最終提言を発表しており、予定している接種対象は以下のとおり。
- 50歳以上
- 妊娠中の女性を含む、臨床的リスクの高い5歳~49歳
- 免疫が抑制された(免疫機能が低下している)者と同居する5歳~49歳
- 16歳~49歳の介護者
- 高齢者向けの介護施設入居者とスタッフ
- 最前線の医療従事者とソーシャルケアワーカー
最終提言の中では、これらの層に対して、12月初めまでにブースター接種を完了することを目指すとしている。
検査数の減少に伴い、陽性者数も減少
英国政府の発表によると、イングランドの新規陽性者数(検体採取日ベース)は8月5日時点で5,670人と、オミクロン株拡大のピークである1月4日の23万4,875人を大きく下回る。ただし、検査数(報告日ベース)も大きく減少しており、同じくピークである1月5日の234万9,986回から8月5日時点で11万7,795回となっている。
(注)今回の承認はグレートブリテン島が対象。北アイルランドについては緊急使用に限定して承認されている。
(山田恭之)
(英国)
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