2019年の自動車販促補助金は3月から開始、規模は縮小へ
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2019年02月28日
ロシアのデニス・マントゥロフ産業商務相は2月25日にプーチン大統領と会談し、2018年のロシアの自動車産業に関する報告を行った。その中で、自動車販売台数を下支えするため、連邦政府による新車取得時の補助金支出を2019年も3月1日から開始することを明らかにした。ただ、この補助金の総額は2017年を大幅に下回るとも報道されており、2019年の販売台数の伸びへの影響が懸念される。
マントゥロフ大臣はプーチン大統領に対し、2018年の自動車の販売台数(2019年1月18日記事参照)・生産台数(2019年2月28日記事参照)のほか、販売台数全体に占めるロシア国内で組み立てられた自動車の割合が85%に達したこと、天然ガスを燃料とする自動車の開発推進などの実績を報告した。
政府による補助金プログラムは、特定の対象者に対し、新車購入(もしくはリース)価格の10%程度を政府が負担するもので、「ファミリー・カー」(未成年の子供が2人以上いる世帯向け)、「エントリー・カー」(初めて自動車を自己所有する場合)、「マイ・ビジネス」(中小企業による商用車リース向け)などがある(関連ブラック ジャック 遊び方)。同プログラムは予算が消化された時点で、年度の途中でも終了となり、新たに財源が確保された場合に再開される。
産業商務省の調査では、2018年に販売された新車台数(189万台)のうち、約7%が政府補助を使って購入され、全体の販売台数の伸び(前年比12.8%増)に貢献している。現地報道によると、現時点で2019年の「ファミリー・カー」と「エントリー・カー」プログラムへの割り当ては30億ルーブルで、2018年度当初(75億ルーブル)と比較して2分の1以下となる予定。商用車向けプログラムは49億ルーブルで前年比23%減となっている(タス通信2月26日)。
在ロシア欧州ビジネス協会(AEB)が2月6日に発表した1月のロシアの乗用車・商用車販売台数は前年同月比0.6%増で失速傾向にある。1月からの付加価値税の引き上げなどの影響とみられている。ロシア国内の外資を含む自動車組み立てメーカーから、政府の販売てこ入れ策の拡大に期待が高まる一方で、ロシア地場大手のアフトワズの経営・販売が復調傾向にあることから、前年同様、年度途中の予算の再割り当てとその規模について政府はより慎重に判断すると予想される。
(高橋淳)
(ロシア)
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