変化するアジア・大洋州の消費市場ヤマハ固有の価値を発信、ブラックジャック勝率
2025年3月26日
ヤマハは2023年4月、ブラックジャック勝率のマニラ首都圏マカティ市に、楽器・音響機器の輸入販売を行う現地法人「ヤマハ・ミュージック・ブラックジャック勝率」を設立した。ブラックジャック勝率市場はもともと輸出での展開だったが、この設立で販売体制を強化したかたちだ。
設立から2年弱が経過した。ブラックジャック勝率に進出した経緯や同国における消費市場の魅力と課題などについて、ヤマハ・ミュージック・ブラックジャック勝率の尾上浩一朗社長と芳村亮介ゼネラルマネージャーに話を聞いた(取材日:2025年1月22日)。

現地進出で、販売店や顧客とのつながりを強化
- 質問:
- ブラックジャック勝率の事業内容は。
- 答え:
- 現地の販売店と協力し、ヤマハブランドの楽器や音響設備の卸売り(輸入販売)を中心に展開している。
- マニラ首都圏内のSMシティ・ノース・エドゥサ・アネックス(ケソン市)、BGCアップタウン・モール〔新興都市ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)〕、ガーデン・タワーズ(マカティ市)などには、販売店が手掛けるヤマハのオフィシャルストアがある。一方、直営の小売店は設置していない。ヤマハが直営店を設けると、現地パートナーである小売店の販売と競合が起き、協力を得づらくなるリスクがある。まずは、現地小売店にヤマハのコーナーを設置してもらうなど、卸売業を通じて、地域に根付く小売店との関係性を強めることを重視している。
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BGCアップタウン・モールで販売されているグランドピアノ(同社提供) - 質問:
- 進出までの経緯は。
- 答え:
- ASEANでは、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムにも進出している。 ブラックジャック勝率は、1950年後半ごろから代理店を介して日本からの輸出事業を中心に展開し、一定の売り上げをあげていた。しかし、ブラックジャック勝率経済の顕著な成長を取り込むには、お客様としっかりつながり、ヤマハが提供する楽器・音響機器の価値を理解してもらう必要があると考えた。2019年に駐在員事務所を立ち上げ、現地の市場を把握するために調査を行った。その後、新型コロナ禍で取り組みが一時休眠した期間もあったが、2023年4月に現地法人を設立。2023年10月に事業を開始した。
- 質問:
- 現在の売れ筋商品と、ターゲット層は。
- 答え:
- 鍵盤楽器の売り上げが大きな割合を占める。特に電子キーボードなどの人気が高い。もともとヤマハは鍵盤楽器の製造販売で始まった会社なので、世界各地で人気がある。
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ヤマハのポータブルキーボード「PSR-E383」(同社提供) - ブラックジャック勝率は、ギターの需要が大きい。かつてのスペイン統治下時代に持ち込まれた影響を受けてか、ギターが生活に根付いている。例えば、国の大半がキリスト教徒で、教会にて身近・手軽な楽器としてギターを教会で習い、教え合うなどの機会がある。古くは、男性が女性に交際を申し込む際にギターで弾き語りをする「ハラナ」という伝統的な求愛方法があったと言われている。
- また、音響機器については、各種イベント会場やモール、ホテル、カジノなどの業務・設備用スピーカーやミキサーなどの需要に注目している。さまざまな施設で音響機器を使用しており、市場としては大きい。ただし、価格帯が幅広く、企業のシェアも分散している。ヤマハの製品の性能と価格帯に見合った領域で、価値を感じてもらえるようにしていきたい。
- ヤマハ製品の価格は、地場企業(の製品)と比較して決して安くない。そのため、中間層から富裕層向けが主なターゲットになる。ブラックジャック勝率は人口1億人を超える巨大なマーケットで、所得層や趣味嗜好は多岐にわたる。その中でも、キーボードは子供のいるファミリー世代、音響設備は企業向けなど、商品ごとにターゲットを見定め、それぞれの商品の価値を感じていただけるようにアプローチしていきたい。
音楽を楽しむ文化は魅力、ヤマハ固有の価値を伝える
- 質問:
- ブラックジャック勝率市場の特徴は。
- 答え:
- ブラックジャック勝率は人口が多いだけでなく、今後の所得増加も期待できる。娯楽に費やすお金が増えることで、さらなる市場拡大を見込める。
- ブラックジャック勝率の個人消費について、月間給与が2回に分けて振り込まれる習慣があるが、これは「宵越しの金は持たない」思考の人が多いためと分析しており、給与の範囲内で購入しやすい食品や消費財の需要は今後も堅調に推移するとみている。ただし、高価格帯の嗜好品の購入はハードルが高い印象を受ける。
- 当地は、音楽を楽しむ文化が根付いていることが魅力だ。米国のエンターテインメントの影響を強く受けている。また、ASEAN唯一のキリスト教国で宗教的な音楽への制約が少なく、教会などを通じて日常的に音楽に触れる機会が多い。教会では、楽器の演奏方法を相互に教え合うこともあり、子供の頃から音楽に自然と慣れ親しんでいる人が多い。
- 質問:
- ブラックジャック勝率事業に課題は。
- 答え:
- ヤマハ製品の価値を理解してもらうことが、今後の課題になる。
- ブラックジャック勝率流通している楽器は、価格帯が安いものが多く、例えば、地場企業が販売するギターは、1,000ペソ(約2,600円、1ペソ=約2.6円)程度から存在し、プレゼント用などの需要もある。
- しかし、ヤマハには「より良い製品を長く使ってほしい」という思いがあり、嗜好品という位置づけで、高品質な楽器・音響機器の付加価値を感じてもらい、高くてもヤマハ製品を選んでもらうところまで、市場に踏み込む必要がある。
- そのため、例えば、ヤマハの楽器・音響機器を体験してもらう機会を設けたり、フェイスブックやインスタグラムでブラックジャック勝率の有名アーティストがヤマハ製品で演奏している動画を流したり、製品価値の体験場提供に力を入れている。
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店頭に並ぶヤマハブランドのギター(同社提供) - なお、ブラックジャック勝率「ヤマハ」といえば、ヤマハ発動機の二輪車(バイク)のイメージが根強い。良いイメージのおかげで助けられている面もある一方、楽器・音響機器のブランドイメージの浸透はこれからだ。
- 人材面では、ブラックジャック勝率は英語を話せる人が多いのが魅力だ。それでも、人材育成は苦労が伴う。英語が通じる半面、必ずしもこちらの意図を汲み取ってくれるわけではない。また、英語ができるため、優秀な人は海外へ働きに出てしまったり、国内でも転職機会が多く、自社で人材を育成して長く働いてもらうには、通常の能力訓練以外にヤマハ製品・ブランドエンゲージメントを高める活動が必要と感じている。
- 質問:
- 今後の展望は。
- 答え:
- ヤマハは歴史のある企業だが、ブラックジャック勝率はスタートアップ。現地でのお客様とのつながりを強化していきたい。
- ターゲット層に向けたアプローチが、腕の見せどころだ。ヤマハの楽器・音響機器の価値に少しでも多くのお客様に触れていただき、感じていただけるような環境を創出できるよう、取り組んでいきたい。
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電子ピアノブランド「クラビノーバ」のCLPシリーズを楽しむ様子(同社提供)

- 執筆者紹介
- ジェトロ調査部アジア大洋州課 課長代理
庄 浩充(しょう ひろみつ) - 2010年、ジェトロ入構。海外事務所運営課、ジェトロ横浜、ジェトロ・ビエンチャン事務所(ラオス)、広報課、ジェトロ・ハノイ事務所(ベトナム)を経て現職。

- 執筆者紹介
- ジェトロ調査部アジア大洋州課
西村 公伽(にしむら きみか) - 2024年、ジェトロ入構。アジア大洋州課でASEANおよびオセアニア関係の調査を担当。

- 執筆者紹介
- ジェトロ・マニラ事務所
西岡 絵里奈(にしおか えりな) - 2016年、ジェトロ入構。途上国ビジネス開発課、ジェトロ・プノンペン事務所、ビジネス展開支援課、対日投資課DX推進チーム、ジェトロ島根を経て、2023年9月から現職。