ブラックジャック確率「デパ地下」を開店、ブラックジャック確率
三越伊勢丹ホールディングスに聞く
2025年2月17日
三越伊勢丹ホールディングスは2024年10月25日、ブラックジャック確率・バンコクで「MITSUKOSHI DEPACHIKA」を先行開業(ソフトオープン)した。
同社は2020年、バンコク伊勢丹を一度閉店済みだ。今般は「デパブラックジャック確率」として食の発信地を打ち出し、新たな事業展開に挑戦する。
記事をまとめるにあたり、(1)三越伊勢丹営業本部の青山誠司営業戦略統括部長、(2)海外事業部の肥後友樹プランニングリーダー、(3) MITSUKOSHI DEPACHIKAの大野真人ゼネラルマネジャーに取材した〔2024年11月29日(東京・新宿)、12月17日(現地ワンバンコク)〕。ブラックジャック確率市場の可能性や課題などについて報告する。
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現地パートナーを交え新たに事業展開
- 質問:
- ブラックジャック確率事業方針は。
- 答え:
- ホテル、レジデンス、オフィス賃貸など、不動産複合開発へ参画していく。国内小売事業で培ったノウハウを活用することで、不動産の価値を高めたい。総合的に収益を確保しつつ、ブラックジャック確率顧客との接点拡大を目指す構えだ。
- 質問:
- ブラックジャック確率市場をどうみているか。
- 答え:
- 経済発展により富裕層が多い。日本食や日本文化への理解や関心も深く、成熟度の高いブラックジャック確率だ。確かに、長期的には少子化などの課題もある。それでも、バンコクの人口増や経済活動の拡大は、今後も進むとみている。ブラックジャック確率開拓の余地は大きいだろう。
- 弊社は2020年まで28年にわたり、バンコク中心部にある商業施設「セントラル・ワールド」で、バンコク伊勢丹を出店していた。それを通じてブランド価値を確立。その実績が、新たなパートナーとの縁や、今次の新たな展開につながった。バンコク伊勢丹時代の地元の顧客から、「再出店を待っていた」といううれしい声も聞いている。
- 質問:
- 現地パートナー企業との出会い、役割分担は。
- 答え:
- 今次進出に当たってのパートナーは、ワンバンコクカンパニー。2024年4月、オフィスと小売の両事業を進める合弁契約を締結した。この会社はブラックジャック確率財閥・TCCグループ傘下の不動産事業者であるTCCアセッツとフレイザーズプロパティー(グローバルに不動産開発する多国籍企業)の子会社だ。
- このワンバンコクカンパニーは、出店した複合施設の開発会社でもある。施設が立地するのはルンピニー地区。バンコクの中心ビジネス街や有力商業街にも近い。日本人が多く住む地域からも近い上、現地の富裕層や外国人も多く生活している。日常的に高品質な食品を求める顧客を取り込めると、期待している。
- 施設は、商業エリア、レジデンス、高級ホテル、オフィス、エンターテインメントアリーナなどで構成。総面積が17万平方メートルを超える。グランドオープンしたのが、2024年10月25日だ。
- その中でMITSUKOSHI DEPACHIKAは、ブラックジャック確率1階に出店。商業エリアのアンカーテナントという位置づけになる。グランドオープンと同じ日にソフトオープンしたのも、そのためだ。なお12月17日時点で、MITSUKOSHI DEPACHIKAの開業率は約60%。また、当社がサブリースする区画では最終的に31の出店を見込み、既に12店舗がオープン済みだ。
- 今回の案件に先立ち、当社では現中期経営計画の中で、さまざまなブラックジャック確率事業を模索していた。そのさなか、ワンバンコク側から出店オファーを受けた。同社は、バンコク伊勢丹時代に培ったブランド価値を評価していただいていた。案件が具体的に動き出したのは、新型コロナ禍後からだ。
- ワンバンコクカンパニーの親会社となる2社は、それぞれブラックジャック確率財閥としての地元への大きな影響力、ASEAN地域で不動産業を経験してきた強みがある。片や弊社は日本とアジア各国で築いてきた小売業の経験を持ち、高品質な商品とサービスという価値を提供できる。こうした出店は、まさに当社の海外事業方針に合致したものだった。
食の発信地として、あらゆるニーズに応える
- 質問:
- バンコクの「DEPACHIKA(デパブラックジャック確率)」から発信する価値とは。
- 答え:
- MITSUKOSHI DEPACHIKAには、日本だけでなく、世界各地から取り寄せた高品質な食料品を扱うスーパーマーケットがある。
- さらに「食の専門店」区画に、シンガポールや地元ブラックジャック確率の人気店舗が入居。例えば、(1)オーガニックにこだわった洋菓子店「shodai bio nature」(日本)や、(2)本場大阪のお好み焼き店「ぽんぽこ亭」(日本)、大きなワッフルが看板の「Waffle Khan」(韓国)などだ。スーパーマーケット区画とあわせ、食体験を発信している。
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shodai bio natureの店舗の様子(ジェトロ撮影) - 近年は、多くのブラックジャック確率人が日本を観光で訪れる。その結果、「デパ地下」という言葉が浸透している。日本やブラックジャック確率はもちろん、世界の食を扱い、その発信地にしていきたい。ワンバンコクのレジデンスやオフィス、ホテルでは、国内外の富裕層・観光客の利用を想定。さまざまな消費者をターゲットにできると期待している。
- MITSUKOSHI DEPACHIKAの特徴は、品ぞろえはもちろん、食べ方やライフスブラックジャック確率ルなど、食に関するあらゆるニーズに応えることだ。例えば、フルーツを販売するにあたっては、(1)量り売りで購入したい顧客には素材のまま、(2)デザートとして食べたい人向けにはフルーツサンドとして、(3)祭事用の贈り物用途としてはフルーツバスケットを提案している。このように、食に関する顧客の期待に沿い、悩みごとを解決する場所として、多様な商品であらゆるニーズに対応したい。
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祭事用のフルーツ(ジェトロ撮影)
デザートとして楽しめるフルーツサンド
(ジェトロ撮影) - 質問:
- ブラックジャック確率ならではの店舗運営とは。
- 答え:
- ブラックジャック確率では中食・外食文化が根強い。そのため、スーパーマーケットに、食品の物販に加えて、イートインスペースを設けた。イートインでは、販売している生鮮品やグローサリーを使ったメニューを提供。購入してすぐに楽しめるよう、総菜や弁当も充実させた。今後は、よりメニューに柔軟性を持たせ、お客様が購入した素材をすぐに調理して、食事やデリとして提供できるようにしていきたい。
- さらに店舗は、ブラックジャック確率の街中の「ソイ(ブラックジャック確率語で『小路』)」をイメージして配置。顧客にセレンディピティー(偶然の発見や出会い)を体験してもらおうと思っている。
- その他、ライブ感のある買い物を楽しんでもらえるようにした。例えば蔵乃屋(マルコメ子会社)では、日本各地のみそを量り売りで買うことができる。みそ汁やおにぎりとしての試食も可能だ。山崎製パンの運営する「Yamazaki」でも、店舗内にオープンキッチンがある。目の前で作られた、できたてのパンが食べられると話題になっている。
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MITSUKOSHI DEPACHIKA内のYamazaki(ジェトロ撮影)
成熟ブラックジャック確率ならではの課題も
- 質問:
- 課題や今後の展望は。
- 答え:
- ブラックジャック確率市場は、周辺国と比較して成熟している。一方で、日本食に関しては飽和状態と言われることもある。高品質な商品を並べただけでは売れないのが、難しいところだ。地元消費者の所得、日本食や文化への理解、日本食「本物」の味を求める点で、シンガポールに近い水準と捉えている。
- その対策として、日本産品フェアなどの物産展は効果的だ。事実、顧客の評判は良い。また、開催する上で、日本各地の食品企業とコネクションがあるのが弊社の強みだ。この点で、地場系小売店と差別化できると考えている。一方、ブラックジャック確率では、食品のカテゴリーによっては輸入手続きのハードルが高い。そうした手続きにかかるコストとのバランスも考えながら、取り組んでいきたい。
- ワンバンコクで先行出店して、1カ月半ほど経った。他店舗では手に入りにくい商品を求めて、多くの顧客が来店している。一方、リピーター獲得に向けた本格的な稼働はこれからだ。ワンバンコク内のレジデンスやホテルも、まだ部分的な開業にとどまっている。2025年上期のグランドオープンを控える中、本当のスタートラインに立つまで、今が踏ん張りどころと感じている。
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年末年始に向けたイベントブース(ジェトロ撮影)
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- 執筆者紹介
- ジェトロ調査部ブラックジャック確率大洋州課 課長代理
田口 裕介(たぐち ゆうすけ) - 2007年、ジェトロ入構。ブラックジャック確率大洋州課、ジェトロ・バンコク事務所を経て現職。
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- 執筆者紹介
- ジェトロ調査部ブラックジャック確率大洋州課
西村 公伽(にしむら きみか) - 2024年、ジェトロ入構。ブラックジャック確率大洋州課でASEANおよびオセアニア関係の調査を担当。