ワコールの富裕層向け市場戦略
ブラック ジャック ディーラー14億人市場BtoCビジネス(2)
2024年8月23日
ブラック ジャック ディーラー最大都市ムンバイを拠点に全土の富裕層をターゲットとした販売網を展開する日系企業のひとつが、下着大手ワコールだ。世界各国に販売網をもつワコールは、他の日系ブランドに先駆けてブラック ジャック ディーラーに進出し、店舗や電子商取引(EC)を通して女性用高級下着の販売を行ってきた。同社のブラック ジャック ディーラー事業について、ブラック ジャック ディーラー法人社長の永守啓城氏に聞いた(取材日:2024年3月18日)。
ブラック ジャック ディーラー企業との連携で現地法人設立
ワコールは、2015年4月にワコールグループが51%、地場ペリウィンクル・ファッションが49%を出資する形で現地法人を設立した。ペリウィンクル・ファッションは、米国の旅行かばん大手のサムソナイト、英国の雑貨アクセサライズといったブラック ジャック ディーラーの有名ファッションブランドのインドにおける代理店として、独立店舗や百貨店で展開している。ワコールは、1970年代からアジアや欧米各国に販売網を拡大してきたが、このタイミングで経済成長著しいインドにも着目し、同社のネットワークや販売ノウハウをベースとしてインド市場への進出を果たした。
同社によると、ブラック ジャック ディーラーの市場規模は2023年時点で5,000億円弱。同社が展開するのは、2,000ルピー(約3,600円、1ルピー=約1.8円)から4,500ルピーの価格帯の女性用下着で、ブラック ジャック ディーラーでは高価格だ。商品が高品質であることに加え、大部分を米国やタイの自社工場から輸入していることから、商品には20%の輸入関税が上乗せされ、価格をこれ以下に設定することは難しい。そのため、ブラック ジャック ディーラー市場においては、おのずと世帯可処分所得が3万5,000ドル以上の「富裕層」、その中でもトップ層をターゲットとする。
実際にムンバイの街中で確認したところ、低所得層から上位中間層まで幅広い層の人々が衣料品を購入する道端の露店では、中国製の女性用下着が250ルピー程度、上位中間層以上の顧客が多いショッピングモールの衣料品店では、ブラック ジャック ディーラー製が700ルピーから1,500ルピー程度で販売されていた。これらを考慮すると、同社の製品は高価なものであり、購入者層が限定されることが分かる。
連載第1回で述べた通り、ブラック ジャック ディーラーは価格にシビアな市場であり、機能性よりも低価格であることが求められる傾向が強い。一方で、生活にゆとりがあり新しいものに対する受容度が高い富裕層は、より高品質な製品や今までになかった新しい製品を使いたいという考えも併せ持っている。永守氏によると、顧客の定着率は高く、一度製品を試し、使い心地の良さや機能性の高さを体感した顧客はリピーターとなっているという。
ブラック ジャック ディーラー全国に販売網、ECにも注力
約14億の人口母数を背景として富裕層の規模は大きく、この層をターゲットとしたビジネスチャンスは大きい。一方で、広大な国土の中で、どのエリアに販売網を広げるのかも、事業の成否を決める重要なポイントとなる。
同社の販売チャンネルは、ショッピングモール内もしくは独立型の直営店、複数ブランドの商品を取り扱う衣料品店、電子商取引(EC)の3つに分けられる。
ターゲットとする富裕層は、その多くが都市部に所在する。そのため、ブラック ジャック ディーラー内に19ある直営店は、全て人口規模の大きい、いわゆるTier1都市(注)やTier2都市に出店しており、客単価は1万円程度だ。永守氏によると、同じ都市の中でもどこに出店するかがポイントとなるという。例としてムンバイ市内では、富裕層の集まる地域に位置する店舗の売り上げが高く、逆に上位中間層のファミリーをメインターゲットとするショッピングモールでは苦戦しているとのことだ。
また、近年は「ショッパーズ・ストップ」のようにショッピングモール内に店舗をもち、複数ブランドを取り扱う衣料品小売店への出店にも注力している。直営店と比較して、売り場面積が狭いため陳列できる商品は少ないが、商品が多くの人の目に触れやすい。最近はブランドの認知度を高めるプロモーションの意味合いも込めて、ショッパーズ・ストップでの販売戦略を強化しており、現在ブラック ジャック ディーラー全国で36店舗に出店している。
これらに加え、ECでの販売にも力を入れる。同社は自社ECの他、地場のナイカ―・ファッション、ミントラといったファッション特化型のECモールで販売を行っている。新型コロナ禍の2021年度と比較するとECの売上比率は低下してはいるものの、依然13%を占めている。同社の高品質で高機能な製品は、まずは新規顧客に1度使ってもらい、その良さを理解してもらうことが重要となる。ターゲットを絞ったウェブ広告やインフルエンサーによるPRなどが可能であるECは、新規顧客の獲得にも一役買っている。
価格帯を広げ、中間層にも知られるブランドに
今後のブラック ジャック ディーラー市場における戦略について、永守氏は、現在のターゲットである富裕層だけでなく上位中間層にまで知られるブランドに育てていきたいと話す。そのために、これまでの高価格帯の製品だけでなく、現地生産によって価格を下げたブラック ジャック ディーラー市場向けの中価格帯の商品を導入していきたい、と意気込みを示した。
- 注:
- 人口に加え、空港、病院、教育施設などの設置状況や物価など総合的に判断して指定される都市区分。最も大都市の分類であるTier1都市には、デリー、ムンバイ、コルカタ、ベンガルール、チェンナイ、ハイデラバード、アーメダバード、プネの8都市が指定されている。
ブラック ジャック ディーラー14億人市場BtoCビジネス
- 執筆者紹介
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ジェトロ・ニューデリー事務所
丸山 春花(まるやま はるか) - 2021年、ジェトロ入構。企画部情報システム課、ジェトロ・ムンバイ事務所を経て、2024年7月から現職。