米連邦高裁、TikTok規制法を覆す訴えを棄却し、同法を支持

(米国、中国)

サンフランシスコ発

2024年12月12日

米国連邦高等裁判所は12月6日、中国のバイトダンスが、動画共有アプリ「TikTok」の米国内事業を売却しなければ禁止措置をとると命じた「TikTok規制法」(関連ブラック ジャック 攻略)を覆すように求める、米国TikTokおよびバイトダンスの申し立てを棄却し、同法を支持した。同時に、同法が合衆国憲法修正第1条に違反しているという主張も棄却し、違憲状態にないとした。決定を受けて、米国TikTokは上訴する予定とし、上訴が最高裁で審理されるまで、2025年1月19日に施行されるTikTok禁止令を差し止める緊急の申し立てを行った。

連邦高裁は意見書の中で、「この決定は、TikTokとその利用者に大きな影響を与えるものだと認識しているが、この負担は米国の国家安全保障に対する中国の脅威に起因するもの。合衆国憲法修正第1条は、米国における言論の自由を保護するために存在しており、今回政府は外国の敵対国からその自由を守り、敵対国が米国民に関するデータを収集する能力を制限するためにのみ行動した」と説明。メリック・ガーランド米司法長官は「今日の決定は中国政府によるTikTokの武器化を阻止するうえで、重要な一歩だ」と述べた。

一方、TikTokは自社のX(旧Twitter)で、「米国連邦最高裁判所は、米国の言論の自由を守るという歴史的な実績があり、憲法上の問題についても同様の対応を期待している。TikTokの禁止法は不正確で欠陥のある仮説により立案され、強行されているため、米国民への検閲につながった。阻止しなければ、2025年1月19日には米国内および世界中の1億7,000万人以上の米国民の声が封じられる」とした。

2025年1月20日に就任するドナルド・トランプ次期大統領は、第1期の政権時にTikTokの禁止を試みたが、2024年の大統領選挙期間中はTikTok使用規制法に反対する姿勢がみられた。ただし、トランプ政権の閣僚候補の中にはTikTokの禁止を支持する者もおり、事態の見通しは不透明だ。

(芦崎暢)

(米国、中国)

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