競争委員会、M&Aに関する通知義務基準を変更
(フィリピン)
マニラ発
2023年03月07日
フィリピン競争委員会(PCC)は2月24日、企業間のM&Aに当たってのPCCへの事前通知義務基準を変更すると発表した。3月1日から、吸収合併当事者の少なくとも一方の最終親会社の資産価値、もしくは収益(SOP)が70億ペソ超(約175億円、1ペソ=約2.5円。これまでの基準金額は61億ペソ)、かつ被買収企業の資産価値、もしくは収益が29億ペソ超(これまでの基準金額は25億ペソ)のM&A案件については、通知を義務付け、PCCがM&A実施に関する審査を行う。
PCCは市場で企業間の競争を阻害するM&Aでないかどうかを検証し、阻害すると認める場合は取引を禁止する権限を有している。今回、PCCはフィリピンでのインフレ率上昇や新型コロナウイルス禍からの経済回復を考慮し、PCCへの通知を義務付ける基準金額の引き上げを行った。
2015年に成立した「フィリピン競争法」によってPCCが設立されて以降、2023年2月25日までPCCが認可したM&A案件の総額は4兆9,400億ペソに達する(政府通信社2月25日付)。M&Aの多い分野は製造業(案件数は51件)、金融・保険業(同42件)、不動産(同33件)、電気・ガス(同27件)、輸送・保管(同19件)。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)
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