米政府、航空機補助金に関する対EU報復関税の追加対象品目を官報公示、1月12日から適用
(米国、EU、英国)
ニューヨーク発
2021年01月06日
米国通商代表部(USTR)は1月6日、EUによる航空大手エアバスへの補助金に対する報復措置として一部品目に賦課している追加関税について、1月12日から追加する品目を官報で公示した。新たな対象品目はいずれもフランスとドイツの製品で、航空機部品の一部に15%、ワインなど酒類の一部に25%の関税率が最恵国待遇(MFN)税率に上乗せされる。USTRは12月30日にブラック ジャック 遊び方拡大することを発表していた。
USTRは報復関税の拡大に踏み切った背景として、EUによる対米報復措置を挙げている。EU理事会はWTOでの仲裁結果に基づき、2020年11月10日から米政府による米航空大手ボーイングへの補助金に関する報復措置として、40億ドル相当の米国製品の輸入に追加関税を発動している()。USTRは12月30日のプレスリリースで、EU側の措置に関して、新型コロナウイルスにより貿易量が激減している期間のデータを利用することで、不当に多くの品目を報復関税の対象にしたとして、米国側もそれに応ずるべく、ブラック ジャック 遊び方変更せざるを得なかったとしている。また、EUが利用した貿易データには米国の対英国輸出が含まれていなかったにもかかわらず、EUが報復関税を発動してから英国がEUを離脱するまでの52日間、米国の対英輸出が報復関税の対象になっていた点にも不満を表している。
新たに追加関税の対象となるのは、(1)8桁のHTSコードで示された11品目と、(2)USTRが記載した製品詳細に適合する2品目で、いずれもフランスかドイツが原産の航空機部品とワインなど酒類となる。これら品目の2019年の対フランス、ドイツの輸入額合計(HTSコード8桁と10桁で機械的に試算)は41億2,138万ドルに相当する。今回の措置に対して、米蒸留酒協会は12月31日付の声明で「関税はEUの酒類生産者のみならず、米国のホスピタリティー産業のサプライチェーンにもマイナスの影響をもたらす」と米政府の措置を批判し、追加関税の撤廃につながる米国・EU間の交渉を促した。
EUは「米国の一方的な行動は、長期間続く航空機紛争の解決策を見いだそうとするEU間の交渉を混乱させる」と批判した上で、「EUは米国の新政権と可能な限り早期に交渉を継続し、永続的な解決策を見つけたい」と、ジョー・バイデン米次期政権との交渉に期待をかける声明を出している(「ブルームバーグ」電子版2020年12月31日)。
(磯部真一)
(米国、EU、英国)
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