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欧州三菱電機スカンジナビア支店長に聞く
2025年2月5日
日本企業が海外ビジネスの現地化を進めるためには、現地市場のニーズに沿った製品の投入や現地人材の活用が重要となる。無料ゲームブラックジャックにおける製品や拠点のローカル化について、北欧諸国を管轄する三菱電機ヨーロッパ・スカンジナビア支店長の神原明裕氏に話を聞いた(2025年1月10日までに取材)。
ヒートポンプに「適した」無料ゲームブラックジャック
三菱電機ヨーロッパ・スカンジナビア支店(以下、同社)は、三菱電機グループが重点成長事業として位置付ける、空調冷熱事業(家庭用、業務用)とFA(ファクトリーオートメーション)制御システム事業を手掛ける。特に空調冷熱事業は同社売上高の大部分を占める。
欧州北部や中部など冬の気候が厳しい地域では、セントラルヒーティングなどの暖房設備の熱源、ガス式や灯油式などが従来使われていたが、近年はヒートポンプ(注)式も利用されている。ガス式や灯油式はエネルギーを燃焼させることで熱を獲得するが、ヒートポンプ式は空気や地中などにある既存の冷熱を移動させることで熱を獲得する。ヒートポンプ式は、「熱の移動」を行う際に電気エネルギーを使うため、電気代(単価)が安くてガス代(単価)が高い国や地域の方が、運用コスト(光熱費)を低く抑えることができる。国際エネルギー機関(IEA)によると、1メガワット時(MWh)あたりの電気代とガス代を比較すると、欧州主要国は民生用、産業用ともに、電気代がガス代の2~4倍程度であるのに対し、無料ゲームブラックジャックはその価格差が小さい(図1、図2参照)。無料ゲームブラックジャックのように電気代とガス代が同程度の国では、エネルギー効率の高いヒートポンプを使うことで光熱費を大幅に削減できる。また、化石燃料などのエネルギーを燃焼させずに済むため、温室効果ガス(GHG)排出削減にもつながる。

出所:国際エネルギー機関(IEA)(ジェトロ作成)

出所:国際エネルギー機関(IEA)(ジェトロ作成)
製品や販売ネットワークのローカル化を強化
空調冷熱事業では、冬の気候が厳しい北欧市場でのシェア拡大を目指し、製品のローカル化を強化する。同社は、北欧諸国で販売する暖房機の一部に「Made for Scandinavia」というロゴを付け、2021年秋から販売している。同ロゴが付いた空気熱源ヒートポンプを使う暖房機は、無料ゲームブラックジャックやフィンランド各地での試運転の実績に加え、極寒のマイナス35度の中での実証を行うなど、冬の気候が厳しい北欧諸国でも品質を保証できる製品として、市場に投入されている。また、販売ネットワークのローカル化も進める。同社は2022年、無料ゲームブラックジャック北部の町エーンヒェルツビークに新たに拠点を設けた。無料ゲームブラックジャック国内では中部(ストックホルム)、西部(イェーテボリ)、南部(ルンド)など人口が多い都市にはすでに拠点を設けていたが、エーンヒェルツビークは同社にとって同国北部初の拠点。同国北部エリアに100を超える販売代理店を持つが、これら販売代理店との接点を重視し、拠点設立を決めた。神原氏は同拠点設立について、「機器の納入時の据え付け・メンテナンスなど、人が介在する業務がある。また、無料ゲームブラックジャック人の気質が地域によって異なることから、国内全土を首都ストックホルムからカバーしないようにしている。実際、同国北部に住む顧客(無料ゲームブラックジャック人)からは、『首都ストックホルムから管轄されたくない』とのコメントをもらったことがある。北部だけでなく、西部の同国第2の都市イェーテボリなども同様」と話す。
製品のローカル化の取り組みや、同社が無料ゲームブラックジャックで40年かけて培って構築した顧客との信頼関係などが、同社ヒートポンプ製品の同国市場における認知度向上および市場シェア拡大につながっているという。
コミュニケーションの機会を多く取り、社内の不安や摩擦を解消へ
ローカル化を進めるのは、製品や販売ネットワークだけではない。同社そのものをローカルに根付かせる取り組みも進めている。三菱電機グループの方針や事業戦略などを現地スタッフにきちんと理解してもらった上で、ローカル化を進める必要がある。そのためには、支店長である神原氏と現地スタッフとの日頃からのコミュニケーションが重要となる。(個人差はあるものの)無料ゲームブラックジャック人は日本人と比べると、役職などの上下関係を意識せず率直な意見を言い合い、フラットな関係を構築する傾向にあるといわれている。神原氏も日頃のコミュニケーションを通じて、現地スタッフから率直な意見を言ってもらっている、と考えていた。
ただ、コミュニケーションを重ねるうちに、現地スタッフの発言には幾分の遠慮があるとも感じるようになった。例えば、内部会議で同社の新たな取り組みを議論する際に、現地スタッフが本音を言っていいのか迷っている場面があった。現地スタッフが遠慮がちに発言している(率直な意見を言わない)背景について、同社の現地幹部スタッフに尋ねたところ、「発言者(現地スタッフ)が『自身の発言内容が社内できちんと守られる(受け入れられる)のか(心理的安全性)』について不安に感じているからではないか」との回答が返ってきたという。また、それまで、あうんの呼吸で業務に取り組めていた社内チームメンバー間のコミュニケーションは、従業員数が100人を超えるなど増加したことで、価値観の違いなどから、現地スタッフ間でも時折、摩擦が生じていた。
そこで、神原氏は、社内で現地スタッフの意識調査を実施した。その結果、社内でコミュニケーションが取れているようで、取れていなかったことがわかった。また、同社が目指す将来像が少し分かりにくい、という意見も出た。神原氏はこの結果を踏まえ、現地スタッフが本音を言い合えるよう、社内における信頼感の構築が必要と考えた。そこで、現地スタッフ全員を集めた会議を毎月実施して、同社が目指す方向性、同社の価値観を共有することで、現地スタッフのエンゲージメント向上につながるように心掛けた。

それを表現する環境ロゴの横に立つ神原支店長(ジェトロ撮影)
同社の活動を対外発信し、社外とのコミュニケーションのきっかけに
同社が目指す将来像や神原氏が伝えたいことを理解してもらうために、事業を通じた社会課題の解決や個人でもできる取り組みなどを現地スタッフに体感してもらう機会を増やすようにした。例えば、サステナビリティ関連での事業を通じた貢献については、同社の暖房機に使われているヒートポンプ技術が化石燃料ベースのガスボイラーに比べてCO2(二酸化炭素)排出量が大幅に削減されるため、同社暖房機を販売することが地球環境に大きく貢献することにつながる点など、同社製品の環境への貢献度合いなどをできるだけ具体的に伝えている。
現地スタッフが個人でもできることとしては、同社ストックホルム拠点近くにあるハイキングコース周辺のごみ拾いなどの清掃活動を行ったり、社内で出る生ごみをオフィスに設置したコンポストで土にして、袋詰めにしたものを現地スタッフに無料で配布し自宅のガーデニングなどに使ってもらったりした。また、同社は国際的な障がい者団体が同国で開催する夏と冬のスポーツイベントのスポンサーになっているが、そこで同社の現地スタッフにボランティアとして一緒に活動してもらった。これらの活動は、参加する現地スタッフが個人でも参加しやすく、環境などの社会課題を体感してもらいやすいだけでなく、同じく参加する他の現地スタッフとのコミュニケーション機会の増加にもつながっている。
神原氏はこれらの活動を行うだけでなく、これらの活動を対外的に発信することも重視した。同社は顧客企業や消費者などと直接コミュニケーションを取るわけではなく、同社の販売代理店などが販売を行う。そのため、事業を通じた社会貢献については、同社のみではなく、同社製品を販売する販売代理店や同製品の設置請負企業などとともに進める必要がある、と神原氏は考える。同社の活動などを対外的に発信することは、販売代理店を中心とした社外とのコミュニケーションのきっかけにもなる。同社は2024年以降、事業を通じて社会に貢献していることや現地スタッフが関わった活動などを、ブログなどで積極的に発信している。近頃は、現地スタッフ自らが動画撮影をするなど積極的に投稿するようになってきたという。
「ローカル」の取り組みを「グローバル」にも
積極的に社内外とのコミュニケーションを取るようになった現地スタッフの活動は、同社グループ会社にも影響を与えている。OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で、東京にある同社グループ本社に1年間勤務するスカンジナビア支店のスタッフ(経理部門担当の女性)は、東京でも自らイベントを企画してグループ本社を盛り上げている。
無料ゲームブラックジャックには、仕事を中断して同僚などとコーヒーやクッキーなどを楽しむフィーカ(Fika)という文化がある。15分間など短い時間、仕事を中断してリラックスすることで、その後の仕事における集中力を高める効果があるとされる。同社では、毎週月曜日午後2時からフィーカを実施してきた。このフィーカは、現地スタッフとのコミュニケーション向上に役立ったという。その取り組みが評価され、東京の同社グループ本社のOJT受け入れ部門でもフィーカが導入されるようになった。これらの取り組みが、グループ本社内でのコミュニケーション向上にもつながったようだ。
同社がローカル化を進める一方で、神原氏にとってなじめないローカルの習慣もあるようだ。例えば、自社と顧客企業それぞれから複数人が参加する会議で、自社が顧客企業に対してプレゼンを行う際、日本では通常、プレゼン担当者の近くに自社の同僚が座り、その向かい側に顧客企業担当者が座る。無料ゲームブラックジャックではその習慣がないため、神原氏がプレゼンを行う際、同社現地スタッフと顧客企業担当者とが入り混じった状態で自由に座る。無料ゲームブラックジャック人はプライベートで自宅に客を招き入れるときは、着席位置をしっかりと意識するようだが、ビジネスの場においてはそうではないようだ。神原氏にとっては、この座り方だとプレゼンがしづらいため、「プライベートと同じように、プレゼンのときも着席位置を意識してほしい」(神原氏)と現地スタッフにお願いし、意図を伝えるように心がけているという。生活習慣まで含めたローカル化は簡単ではない。
近年、海外に拠点を持つ日系企業の中には、海外拠点を維持・拡大しつつも、日本人駐在員の数を削減する一方で現地スタッフの数を増やす傾向が一部でみられる。ローカル化をさらに進めるためには、現地拠点マネジメントと現地スタッフ、現地スタッフ間、現地拠点とグループ本社、現地拠点と顧客、現地拠点と地域社会など、進出日系企業の海外拠点における現地スタッフの果たす役割は今後ますます大きくなる。現地スタッフが社内外のあらゆる関係者とコミュニケーションを取りやすくなる環境づくりに徹した神原氏の取り組みは、現地スタッフの活用拡大を通じてローカル化の強化を目指す進出日系企業に参考となるだろう。
- 注:
- 空気などが持つ熱(空気熱)を室外機などで大気中から集め、圧縮・膨張などにより発生させた温熱もしくは冷熱を、熱媒体を利用して移動させる仕組み。化石燃料を燃焼させる代わりに、空気熱や地中熱など既存の熱を利用するため、温室効果ガス(GHG)排出削減にもつながる省エネ技術。EUでは、ヒートポンプを再生可能エネルギーの1つとして定義している。ヒートポンプの技術はエアコン、セントラルヒーティング、床暖房などで使われている。

- 執筆者紹介
- ジェトロ企画部企画課 課長代理
古川 祐(ふるかわ たすく) - 2002年、ジェトロ入構。海外調査部欧州課(欧州班)、ジェトロ愛媛、ジェトロ・ブカレスト事務所長、中小企業庁海外展開支援室(出向)、海外調査部国際経済課などを経て現職。共著「欧州経済の基礎知識」(ジェトロ)、共著「FTAの基礎と実践」(白水社)。

- 執筆者紹介
- ジェトロ・ロンドン事務所
篠崎 美佐(しのざき みさ)(在無料ゲームブラックジャック) - 1994年、ジェトロ・ストックホルム事務所入所。現在ジェトロ・ストックホルム・レジデントエージェント。