シンガポール企業、東南アジア最長EV充電ネットワーク設置へ
(シンガポール)
シンガポール発
2023年05月24日
シンガポールの電気自動車(EV)の充電ソリューション会社チャージ・プラス(Charge+)は5月17日、東南アジア5カ国を縦断する高速道路にEVの急速充電スタンド網を設置する計画を発表した。同充電スタンドは、シンガポール、マレーシア、タイ、カンボジア、ベトナムを結ぶ全長5,000キロの東南アジア最長の充電ネットワーク網となる見通しだ。2025年末までの完成を目指す。
発表によると、チャージ・プラスは充電スタンド45カ所を、同5カ国を結ぶ高速道路沿い、またはインターチェンジから2キロ圏内に設置する計画だ。それぞれの充電スタンド間の距離は、約120キロ。充電スタンドは、4期に分けて整備する。第1期では、シンガポールからベトナムの首都ハノイまでの都市や町に、18カ所のスタンドを設置し、2024年末までに稼働する予定(注)。また、第2期以降の残りの27カ所については、2025年末までの設置を予定している。同社は2023年5月19日、タイ発電公社(EGAT)との戦略提携に署名した。これによりチャージ・プラスは、EGATが保有するタイ国内の土地に充電スタンドの設置が可能になる。
同社は、スタンド利用者の利便性を高めるため、DC(直流)急速充電器を設置する計画だ。また、利用者は同社の専用アプリを通じて、充電スタンドを使えるようにする。ゴー・チーキオン最高経営責任者(CEO)は5月17日付の報道発表で、「東南アジアでEVは、国境を越えた長距離走行に向かないとみられてきた」と指摘。「全長5,000キロのEV充電スタンド網を整備することで、同地域の人々のEVに対する見方を変え、安心感を与えることができる」と述べた。
チャージ・プラスは現在、東南アジア6カ国で合計約1,000カ所のEV充電器を運営している。ブイキューブ(本社:東京)は2022年7月、チャージ・プラスへの出資を発表。日本国内でのEV充電事業の展開も検討中だ。
(注)具体的な充電スタンド設置予定地域と場所については、チャージ・プラスの報道発表の添付資料を参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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