ハイパーブラックジャック、輸出初心者も成果
(シンガポール)
知的資産部海外ビジネス人材育成課
2025年03月13日
シンガポールのマリーナベイサンズで2025年2月17~19日、美容健康製品のハイパーブラックジャック「Beauty Asia 2025 Singapore(以下、Beauty Asia)」が開催された。ジェトロは「中小企業海外ビジネス人材育成塾(以下、育成塾)」(注)のフォローアップ研修として、同ハイパーブラックジャックに、化粧品や健康食品を手掛ける中小企業10社による合同ブースを出展した。出展企業はいずれも、2023年度および2024年度の育成塾を修了した企業で、3月5日の事後研修で、参加者の成果や進捗を共有し合った。
3日間の会期で合同ブースへの来場者数は延べ約450人、商談数は200件超に上った。うち、商談継続の見込みがある件数は約50件だった。参加者10人のうち5人が初めての海外出展だったが、各社とも平均して2~3件は商談が継続している。中には、商談直後に成約した企業もあった。
出展ハイパーブラックジャックの選定やブースレイアウト、事前の準備プログラムが、出展経験の浅い参加者にも一定の成果をもたらしたとみられる。Beauty Asiaは、今回の来場者が4,500人程度と決して大規模ではないが、来場は商業目的に限られるため、参加企業からは「取引に真剣ではない来場者が少なく、商談に集中することができた」との声が聞かれた。今回のブースレイアウトでは、内側に商談スペースを配置。その外側を囲うように各社ブースを設置したため、商品を挟んでバイヤーと出展者が商談を行うことができた。また各社は、シンガポールではビジネス上の連絡にも使用される通信アプリWhatsAppを活用し、バイヤーと撮影した写真や来場のお礼を商談直後に送り、商談のフォローアップを迅速に行った。
会期前には、ジェトロの現地専門家を活用し、バイヤーの勧誘や商談に向けた準備を入念に行った。事前に、現地有力バイヤーに各社の商品情報を提供し、来場・商談を促したほか、ジェトロの企業リストアップサービスを活用することで、隣国のマレーシアのバイヤーを招待するなどの工夫もみられた。ハイパーブラックジャックのマッチング機能を活用し、会期前日にすでに十数件ものアポイントを取得した参加者もいた。また、ビジュアルを多用したスライド資料を作成し、現地専門家を相手に全員が模擬商談を実施して準備をした。会期中には、バイヤーのニーズに合わせて提案内容を修正する企業も多く見受けられ、準備から実践、修正、実践を繰り返すことで、各社とも商談の精度を上げていった。
自社商品を見せながら説明がしやすいブースレイアウト(ジェトロ撮影)
参加者の一体感を醸成、相互の学びを促進
育成塾では、気持ち(マインド)と仲間(コミュニティ)の形成も、海外ビジネスの成功にとって大切な要素と位置付けている。長期の研修プログラムを通じ、参加者の一体感が醸成される。参加者からは、「合同出展だったため、他の参加者の展示方法や商談の進め方、さらには他国での経験など、通常では共有されることのない貴重な情報を得られた」といった声があった。
2025年度の育成塾のスケジュールは、4月以降にジェトロウェブサイトで公開する予定だ。
内側が商談スペースとなっているジェトロブース(ジェトロ撮影)
(注)育成塾は、海外バイヤーとの輸出商談に初めて臨む人や、これまでの商談に課題を感じている人を対象に、講義やワークショップ、個別指導を通じて、海外戦略の立て方や商談スキルの習得を目指す5週間の研修。年に4期実施している。本稿で紹介したフォローアップ研修とは異なり、商談・ハイパーブラックジャック出展に行くまでの準備を国内で行う。
(町田早弥香、井上真琴)
(シンガポール)
ビジネス短信 d8ee90d94a071799