オランダ政府、原子力発電所2基の建設候補地を発表
(オランダ)
アムステルダム発
2022年12月13日
オランダ政府は12月9日、原子力発電所2基の建設候補地として南西部のゼーランド州ボルセラを選定したと発表した。第3世代原子炉を導入するとし、出力は合計1,000~1,650メガワット(MW)。政府は今後、複数の調査を実施し、最終的な建設地の決定を2024年末に行う予定。新たな原子力発電所2基は2035年の完工を目指す。
政府は2040年までに、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなエネルギーへの完全な移行を目指しており、これまでも力を入れている風力と太陽光に加え、気候条件に依存しない原子力にも焦点を当てている。
ボルセラにある既存の原子力発電所は年間約3.8テラワット時(TWh)の電力を生産している。建設が予定される2基の原子力発電所は年間約24TWhの電力を生産し、オランダの電力生産の9~13%を占めることになる。
政府はボルセラを建設候補地として選んだ理由として、放射性廃棄物(核廃棄物)の保管場所を含む土地が十分にあることや、関連知識とインフラが整っていることを挙げた。政府は、建設地の決定では地元の支援を重要な条件と見なしており、住民や団体、企業にも参加を呼びかけ、準備を進めるとしている。
(望月竜之介)
(オランダ)
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