在欧日系企業、ブラックジャックブラッククイーンの適応対象縮小に期待高まる
(EU、オランダ)
アムステルダム発
2025年03月10日
欧州委員会がEUの炭素国境調整メカニズム(ブラックジャックブラッククイーン)規則の報告対象事業者を縮小する簡素化案を発表したことを受けて(オンラインブラックジャック、CBAMの報告対象者を9割削減、適用除外基準を重量ベースに(EU))、在欧日系企業からは同案の成立に期待の声が高まっている。ジェトロは3月6日、ブラックジャックブラッククイーン対象製品を輸入する在オランダ日系企業3社にヒアリングした。概要は次のとおり。
〇鉄鋼製のボルトやスクリューなどを保守部品として輸入するA社は、法案の審議の行方を見守るとして、慎重な姿勢を維持しつつ、期待を示した。同社では報告対象のほとんどが小規模で、簡素化案に基づけば、報告対象から免れる見込みだ。例えば、2024年第4四半期(10~12月)には、対象製品の報告対象となった輸入実績は全て1,000ユーロに満たない少額輸入だった。仮にブラックジャックブラッククイーンに基づく炭素価格負担が発生したとしても、その負担自体は小さいと想定されるものの、ジェトロ海外進出日系企業実態調査結果が示したとおり(グリーン・デジタル法規制や高コストに課題、ジェトロブラック)、ブラックジャックブラッククイーンの対応にかかる手間やコストが負担となっていた。特に調達先企業から報告に必要な排出量算定にかかわる情報を入手するのに苦労していたという。
〇包装用のアルミ資材を日本から輸入するB社は、ブラックジャックブラッククイーン移行期間開始後、報告を行ってきたが、ブラックジャックブラッククイーン報告の負担も踏まえ、EU域内からの調達への切り替えを検討してきたとのことだ。B社も簡素化案の成立に期待するが、2024年12月に森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務化に関する規則の適用開始が延期された例を挙げ(EU、森林破壊防止デューディリブラック)、何が起こるか分からないため、あらゆる事態を想定して引き続き報告の準備は続けるとした。調達の見直しについても、ブラックジャックブラッククイーンは1つの契機ではあるものの、過去数年の物流の混乱などの経験から、域内調達を引き続き模索するとした。
〇C社は、ドイツの工場などでブラックジャックブラッククイーン対象の鉄鋼製品などを輸入しており、ブラックジャックブラッククイーン報告への対応にはコンサルタントと契約するなど、経費がかかってきた。ブラックジャックブラッククイーンの本格適用後には第三者機関による報告内容の検証も必要になることから、さらなる費用も想定される上、検証可能な第三者機関が確保できるかという点も、懸念材料に挙げていた。
現状では、法案の成立まで、従来どおりの基準での報告義務は維持されていることになるが、欧州委員会は、移行期間中の報告は企業にとっても本格適用時のための準備期間と位置づけてきたため、引き続き報告を準備することの必要性に疑問を呈する声も聞かれた。
(安田啓、奥井浩平)
(EU、オランダ)
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