北京市、京津冀協同発展についての3カ年計画を発表
(中国)
北京発
2018年08月13日
「北京日報」などの報道によると、北京市発展改革委員会は「京津冀協同発展2018~2020年行動計画」(以下、3カ年計画)を発表した。非首都機能の移転や産業のレベルアップ、交通インフラの整備などについて、今後3年間の具体的な目標や取り組みが盛り込まれた。
3カ年計画では、首都機能の適性化や質の高い発展を実現するため、2020年までに新たに1,000社の一般製造業を北京市から撤退させ、「散乱汚」企業(注)の一掃を実現するとしている。
交通インフラの整備については、2020年までに北京市、天津市、河北省石家庄市と、ニュータウンや衛星都市との通勤時間を1時間圏内にすることなどを目標に掲げた。また、京張高速鉄道(北京市~張家口市)をはじめとする国家幹線鉄道の建設を完成させ、京唐鉄道(北京市~唐山市)、京浜鉄道(北京市~天津市浜海新区)の都市間鉄道の建設を加速させるほか、新空港のターミナルや飛行区および周辺道路、承平高速道路(承徳~平谷)などの高速道路の建設も進め、総合交通網を完備するとしている。
3カ年計画の重点として、雄安新区の建設も盛り込まれた。河北省との戦略協力協議に基づき、ハイレベルの学校3校と総合病院1軒の建設を支援し、雄安新区中関村科技園、京雄高速鉄道(北京~雄安)の建設を推進する方針を示した。
また、行政副都心については、オフィスエリアの建設から劇場、図書館、博物館などの公共施設の開発にシフトし、副都心としての受容力や魅力の増強に力を入れるとしている。
このほか、2022年に北京で開催される冬季五輪に向け、スピードスケート競技場などを建設し、公共サービスのレベルアップを目指すことも新たな取り組みとして盛り込まれた。
近年、中国の地域発展戦略における「3大戦略」の1つに位置付けられた京津冀協同発展の実現に向け、「京津冀協同発展規画綱要」(2015年4月)、「京津冀産業移転指南」(2016年6月)、「京津冀地域の大気汚染防止強化措置(2016~2017年)」(2016年9月)などが相次いで打ち出され、各方面での取り組みが展開されている(。今回の3カ年計画は、京津冀協同発展の中期目標も定めており、今後の進展が期待される。
(注)「散乱汚」企業とは、産業政策と現地の発展計画に合致しておらず、関連手続きを経ていない、安定的に排出基準を満たしていない環境汚染企業を指す。
(張敏)
(中国)
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