カジノ ゲーム 無料カジノ ゲーム 無料、拠点数は増加傾向

2024年12月4日

日本政府が主導し、国連、アフリカ連合委員会(AUC)などと共同で開催する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が2025年8月に横浜で開催される()。TICADは、アフリカの開発をテーマとして1993年に始まった。政府間の援助のほか、近年は民間企業のアフリカへの投資や進出に関する支援にも注目が集まる。日本企業のアフリカへの進出拠点数は、TICAD8が開催された2022年が過去最多で972拠点であった。過去10年を見ると、大幅に増加傾向である。分野として、以前より資源・エネルギーへの投資案件や商社の展開が多かったが、一部の国では小規模な組み立てや委託生産を含む自動車の組み立て生産も開始されている。

本稿では、日本企業のアフリカへの近年の進出動向について概観する。実際の企業のビジネス事例や各国・地域の企業によるアフリカ展開状況については、本特集にて随時公開予定だ。

日本企業の展開はアフリカ全体では増加傾向

外務省の海外進出日系企業拠点数調査によると、アフリカへの日本企業の進出拠点数は2010年の520拠点から増加傾向だ(図参照)。2023年には948拠点となり、前年の972拠点からは減少したが、経済低迷、財政悪化、為替レートの下落などが影響したと考えられる。なお、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年も減少が見られた。

図:アフリカ進出日系企業拠点数の推移
2010年に520カジノ ゲーム 無料であったが、2023年には948カジノ ゲーム 無料まで増加した。増加傾向にあるが、2013~19年と比べ、2020年代の増加のペースは緩やかになった。

出所:外務省:海外在留邦人数調査、海外進出日系企業拠点数調査からカジノ ゲーム 無料作成

他国との比較においては、2023年時点では、日本企業の海外進出拠点数は英国が1カ国で928拠点、アジアではシンガポールも1カ国で1,113拠点となっており、アフリカ全体での進出拠点数はこれらと並ぶ水準となっている。

アフリカにおいては、現状では経済規模が小さく、財政や治安に懸念のある国も多いが、人口拡大が長く続く見込みだ。国連の人口予測によると、アフリカの人口は2024年時点で15億1,514万人のところ、2034年には18億7,285万人、2054年には26億1,138万人に増加する見込みだ。人口予測において、アジアが21世紀半ばには減少に転じ、中南米、欧州、北米がおおむね横ばいの一方で、アフリカの人口は急増する見込みであるため、2050年には世界の人口の約25%がアフリカの人口となる予測だ(2024年8月19日付地域・分析レポート「」参照)。このような背景から、アフリカでのビジネス機会が増えることを期待する、日本企業の引き続きのアフリカ進出の増加が見込まれる。

国別では南アが最多、ケニアが急増

日本企業のアフリカ域内における進出拠点数を国別に見ると、2023年は、南アフリカ共和国が最多で255拠点、次いで、ケニアが118拠点、モロッコが70拠点、エジプトが65拠点の順だ(表1参照)。2022年と比較すると、経済が低迷する南ア、債務不履行(デフォルト)となったガーナ、そのほかウガンダでも減少が目立つ。この3か国は、新型コロナ禍の前の2019年と比べても減少している。加えて、モザンビークでも拠点数が減少した。

一方、ケニアでは2019年と比べて、31拠点増と大幅に増えた。ケニアでは、日系スタートアップの進出などのニュースもある。エジプトにおいても、自動車部品の矢崎総業、衛生用品・化粧品のサラヤなど製造業の進出事例があり、日本企業の進出拠点が増えている。その他、セネガル、タンザニア、コートジボワールなどでも拠点数が増加した。

表1:2023年のアフリカの国別日系企業拠点数(△はマイナス値)
順位 国名 企業拠点数 前年比増減 2019年比
1 南アフリカ共和国 255 △ 11 △ 17
2 ケニア 118 4 31
3 モロッコ 70 0 0
4 エジプト 65 13 12
5 ナイジェリア 51 0 4
6 ガーナ 47 △ 10 △ 9
7 タンザニア 44 △ 4 7
8 チュニジア 27 1 5
9 モザンビーク 25 2 △ 7
10 セネガル 24 △ 2 8
11 ルワンダ 23 0 △ 4
12 アルジェリア 23 0 2
13 コートジボワール 21 4 6
14 ウガンダ 17 △ 6 △ 8
15 ザンビア 13 △ 1 △ 1
16 エチオピア 13 0 2
17 マダガスカル 12 1 △ 1
18 マラウイ 9 3 2
19 アンゴラ 9 △ 1 △ 1
20 カメルーン 8 △ 3 △ 4

出所:外務省「海外進出日系企業拠点数調査(2023年10月1日時点)」

製造業も進出し現地生産を目指す

アフリカではこれまで資源・エネルギー分野での進出および、コマツなど鉱山で活用される建設機械などの業種が多かった。三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、双日などの大手商社も多くの国に貿易や現地調査の拠点を置く。豊田通商は商社の中でも特にアフリカ展開に力を入れており、フランスのCFAOを買収し、アフリカ50カ国以上に展開する。

製造分野はまだハードルが高い部分も多いが、販売拠点やメンテナンス拠点を設置する製造業もある。製品の製造を行う拠点の設立は、インフラや治安、人材などの課題も多く、一部の国に限られる。自動車産業を見ると、南アのダーバンではトヨタを中心に自動車部品メーカーなどが集積している。また、エジプトやモロッコにおいては自動車メーカーが組み立てを行うほか、自動車部品などのメーカーも製造を行う。近年は小規模ながら、ケニア、ガーナ、ナイジェリアなどでも自動車の組立工場が設置される事例もある(表2参照、2024年7月1日付地域・分析レポート「」参照)。

表2:アフリカにおける国別の自動車組立工場数(CKD、SKD、委託生産を含む)
進出国 日系の自動車(四輪)企業の組立工場進出数
南ア 5カ所(トヨタ、日産、いすゞなど)
エジプト 5カ所(トヨタ、日産、いすゞ、スズキなど)
ケニア 4カ所(トヨタ、いすゞ、ホンダ、三菱自動車)
ガーナ 2カ所(トヨタ、日産)※ホンダが2024年生産開始予定
ナイジェリア 2カ所(ホンダ、日産)
モロッコ 1カ所(三菱ふそう)※自動車部品メーカーは多数進出
アルジェリア 1カ所

出所:日本自動車工業会、各社のウェブサイト参照

スタートアップやグリーン分野のビジネスも増加

近年の進出動向をみると、日系スタートアップや再生可能エネルギーなど脱炭素・グリーン関連分野の進出事例も多い。ケニアでは、中古車購入のファイナンスを提供する「HAKKI」、臨床検査を行う「Connect Afya」などの日系スタートアップがビジネスを展開する。この他、ケップル・アフリカ・ベンチャーズやAAICなどのベンチャーキャピタル(VC)が、ケニア、ナイジェリア、エジプト、南アなどのスタートアップに投資する動きもある。なお、武蔵精密工業は、アフリカ電動二輪・三輪製造のスタートアップに技術・製品を提供している。

政府間援助(ODA)案件のインフラ整備などに参画する建設関連の日本企業も、引き続きアフリカでビジネスを行っている。電力については、過去、アフリカの火力発電の他、ケニアでの地熱発電などに日本企業が参画してきた。

近年の動きとしては、エジプトで豊田通商とユーラスエナジーなどが風力発電に関する合弁会社を設立したほか、住友商事もエジプトで風力発電事業に参画する。また、伊藤忠商事が南ア企業などと連携した水素・グリーンアンモニアなどのプロジェクトを発表している。

欧米・中韓ブランドが存在感、日本ブランド人気も

アフリカにおいて、知名度を獲得している日本ブランドもある。アフリカの人気ブランドランキングの上位100ブランドを見ると、日本ブランドのトップは7位のトヨタで、26位にソニー、67位にホンダ、78位に東芝、84位に日産と、自動車を中心に5社ランクインした()。日本企業の人気が高いことがうかがえる一方で、欧米ブランドの人気も高い。一方で、家電製品、電子機器などはアフリカの多くの国で、韓国や中国のブランドの人気が上昇している。

将来の巨大市場となるアフリカでは、各国企業との競争の激化する見込みだ。このような中、2025年8月に開催されるTICADが、現地政府や現地企業などとの関係強化の機会となり、日本企業のアフリカへの展開拡大の一助となることが期待される。


変更履歴
表2 追記しました。(2024年12月12日)
モロッコ
【修正前】1カ所※自動車部品メーカー進出
【修正後】1カ所(三菱ふそう)※自動車部品メーカーは多数進出
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執筆者紹介
カジノ ゲーム 無料調査部中東アフリカ課 課長代理
井澤 壌士(いざわ じょうじ)
2010年、カジノ ゲーム 無料入構。農林水産・食品部農林水産企画課、カジノ ゲーム 無料北海道、カジノ ゲーム 無料・カイロ事務所を経て、現職。中東・アフリカ地域の調査・情報提供を担当。

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