特集：外国人材と働く世界最大の労働力輸出国フィリピンの現状と課題（後編）
ブラック ジャック トランプ 無料はフィリピン人に就労先として選ばれるか

前編では、国民の10人の1人に当たる約1,000万人がブラック ジャック トランプ 無料に居住し、年間約3兆円をフィリピン国内に送金するフィリピンの状況を、統計などを用いて解説した。

連載の後半となる本編では、フィリピン人のブラック ジャック トランプ 無料就労を所管するフィリピンブラック ジャック トランプ 無料雇用庁（POEA）、日本へのフィリピン人材の送り出し機関、そして日本でまもなく高度人材として働く予定のフィリピン人に対するインタビューを通して、フィリピン人の日本での就労に際して直面する課題、日本での就労に対して持つイメージ、そして日本で2019年4月に改正された入管法によって新たに創設された在留資格「特定技能」を巡る現状、さらにフィリピン人の日本での就労の今後の展望について報告する。

ブラック ジャック トランプ 無料語の習得が課題

フィリピンブラック ジャック トランプ 無料雇用庁（POEA）は、ブラック ジャック トランプ 無料で就労するフィリピン人の管理や、フィリピン人をブラック ジャック トランプ 無料に送り出すエージェント（以下、送り出し機関）に対する許認可権限を有する労働雇用省（DOLE）所管の政府機関である。今回は、POEAの米州・欧州・アジア課チーフのアーリーン・キャレター氏にフィリピン人の日本での就労を巡る現状と課題、将来性を聞いた（インタビュー実施日：2019年10月22日）。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料で働くことを選択するフィリピン人のモチベーションは。

答え:

高水準の給与が、何よりも大きなモチベーションとなっている。また、他の国・地域と異なり、フィリピン人に対する虐待などの発生率が低いこともブラック ジャック トランプ 無料を選択する理由の1つ。高齢化が進み人材が不足するブラック ジャック トランプ 無料では、フィリピン人に対する需要が今後も増加すると考える。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料で働くフィリピン人が直面する問題とは。

答え:

言語の壁が、最も大きな障害となっている。ブラック ジャック トランプ 無料語を専攻するフィリピン人は少なく、必ずといっていいほど、フィリピン人はブラック ジャック トランプ 無料語の習得に苦労する。ブラック ジャック トランプ 無料に送り出すフィリピン人には、事前にブラック ジャック トランプ 無料語学校を紹介している。フィリピン労働雇用技術教育技能教育庁（TESDA）も、ブラック ジャック トランプ 無料で就労するフィリピン人向けにブラック ジャック トランプ 無料語コースを提供している。

質問:

どのような方法でブラック ジャック トランプ 無料で働くフィリピン人やブラック ジャック トランプ 無料の雇用者を管理、監督、支援しているか。

答え:

日本で就労するフィリピン人や、日本の雇用者の管理、監督業務はPOEAの福祉雇用事務所 (Welfare and Employment Office)が所管している。また、POEAのブラック ジャック トランプ 無料出先機関であるフィリピンブラック ジャック トランプ 無料労働事務所（POLO：Philippine Overseas Labor Office）や送り出し機関と協力し、日本で働くフィリピン人の管理、監督をしている。在外フィリピン人に何か問題や虐待といった事案が発生した場合は、送り出し機関はPOEAとPOLOに報告する義務がある。

質問:

2019年4月に改正されたブラック ジャック トランプ 無料の入管法に基づいて在留資格「特定技能」が新たに認められたが、これを受けて何か動き、影響はあるか。

答え:

ブラック ジャック トランプ 無料の入管法の改正は既に行われているが、在留資格「特定技能」制度に基づくフィリピン人のブラック ジャック トランプ 無料への送り出しは、現時点でまだ開始されておらず、POEAはブラック ジャック トランプ 無料のPOLOからの送り出し開始の承認を待っているところだ。具体的には、ブラック ジャック トランプ 無料のPOLOが、在留資格「特定技能」に基づくフィリピン人のブラック ジャック トランプ 無料への送り出し時に用いる契約書の内容について調整中である。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料におけるフィリピン人の就労に関する将来性はどのように考えるか。

答え:

他国と比較して、ブラック ジャック トランプ 無料ではフィリピン人労働者への虐待や事件が少なく、給与面でも悪くないので今後もますますブラック ジャック トランプ 無料を就労先として選択するフィリピン人は増加すると考える。

ブラック ジャック トランプ 無料へのフィリピン人材送り出し数は増加傾向

マニラ首都圏ラス・ピニャス市に拠点を置くプルデンシャル・エンプロイメント・エージェンシー社は1982年に創業し、ブラック ジャック トランプ 無料への送り出し事業ではフィリピン最大手である。POEAによると、10月1日時点で170の送り出し機関が計7,486件のブラック ジャック トランプ 無料での就労募集を行っているが、同社は最も多い871件のブラック ジャック トランプ 無料での就労募集案内を出している。プレジデントのマリア・ジーナ・フジモト氏に聞いた（インタビュー実施日：2019年10月23日）。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料へのフィリピン人の送り出し実績は。

答え:

2017年は1,438人（男性891人、女性547人）、2018年は1,777人（男性1,007人、女性770人）、2019年は9月末時点で1,397人（男性787人、女性610人）のフィリピン人を、技能実習生としてブラック ジャック トランプ 無料に送り出した（表参照）。男性は主に建設関係に従事することが多く、女性は工場でのパッケージング作業、食品加工、パン販売店などで働くことが多い。

出所：プルデンシャル・エンプロイメント・エージェンシー社

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料での給料を含め、各種待遇、そして労働環境についてどういった印象を持っているか。

答え:

スキルや職種にもよるが、全てを平均すれば給料は月10万円である。ただし、台湾やサウジアラビア、カタールといった国・地域と異なり、ブラック ジャック トランプ 無料は多額の中間マージンを取ることがないのがフィリピン人が、ブラック ジャック トランプ 無料を選ぶ理由の1つになっている。また、ブラック ジャック トランプ 無料の就労環境は他国と比較しても良く、公平、平等であり、フィリピン人労働者はブラック ジャック トランプ 無料の法律によって守られている。また、ブラック ジャック トランプ 無料の食事、気候、景色、そしてブラック ジャック トランプ 無料人の性格が良いこともフィリピン人がブラック ジャック トランプ 無料を就労先に選ぶ要因となっている。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料で働くフィリピン人が直面する問題とは。

答え:

多くのフィリピン人が、家族と離れてブラック ジャック トランプ 無料と暮らす経験がないため、日本の環境、文化に適応することができず、時折ホームシックになるフィリピン人が存在する。また、日本語の習得に苦労するフィリピン人が多いことも事実である。多くはないが、日本での勤め先の上司から体罰を受けたフィリピン人も存在する。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料語の習得のために語学学校と連携しているか。

答え:

自社でサクラ・ジャパニーズ・ランゲージスクールという語学学校を運営しており、10人のブラック ジャック トランプ 無料人講師と80人のフィリピン人講師が教壇に立っている。フィリピン人講師の多くは、かつてブラック ジャック トランプ 無料で就労経験がある者だ。

質問:

2019年4月に改正されたブラック ジャック トランプ 無料の入管法に基づいて在留資格「特定技能」が新たに認められたが、これを受けて何か動き、影響はあるか。

答え:

在留資格「特定技能」制度に基づくフィリピン人のブラック ジャック トランプ 無料への送り出しは、現時点でまだ開始されていないが、同制度によって、過去にブラック ジャック トランプ 無料で就労した経験を持つフィリピン人がもう一度ブラック ジャック トランプ 無料で就労する機会を得ることができると考える。これによって、フィリピンはブラック ジャック トランプ 無料の最新技術を習得し、フィリピンに持ち帰ることが可能となる。

規律、治安、待遇の良さがモチベーションに

マニラ首都圏パラニャーケ市に拠点を置くマルチ・オリエント・マンパワー・マネジメント・サービス社は2002年の創業以来、日本とオーストラリアを主要な送り先としてフィリピン人材のブラック ジャック トランプ 無料送り出しビジネスを行っている。ディン・コロカド氏に聞いた（インタビュー実施日：2019年10月15日）。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料には何人ほど送り出しているか。

答え:

当社は現時点で、840人のフィリピン人を技能実習生としてブラック ジャック トランプ 無料に送り出している。全員、4カ月から半年のトレーニングをフィリピン国内で受けた後に、ブラック ジャック トランプ 無料に出発する。

質問:

貴社を通じてブラック ジャック トランプ 無料で働くフィリピン人の性別、年齢の割合は。

答え:

当社は建設現場要員を主に送り出しているため、4分の3以上が男性である。女性は農業、食品加工、工場、家事手伝いといった職種に就いている。28歳以下を希望するブラック ジャック トランプ 無料企業が大多数であるため、送り出すフィリピン人の年齢も28歳以下が多い。32歳以上のフィリピン人は応募を断っている。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料のどの地域に何年ほど送り出すことが多いか。

答え:

当社は四国と九州が多いが、北海道以外のブラック ジャック トランプ 無料全国に送り出している。期間は通常3年間だが、試用期間かつ最短契約期間である最初の1年で、雇用者に継続雇用されるか判断される。

質問:

給料含め各種待遇はどれほどか。

答え:

働く都道府県や職種による。例えば東京で働く建設現場の工員は、他の地域に比べて給料が高い。

質問:

中東、シンガポール、北米など英語を仕事で使えて、かつブラック ジャック トランプ 無料よりも比較的給料が良いとされる国ではなく、ブラック ジャック トランプ 無料で働くことを選ぶフィリピン人のモチベーションは。

答え:

日本人は規律を守り、中東と違って外国人労働者の虐待などの問題も少ない。また、日本は治安が良く清潔で技術の進歩も早い。給料も必ずしも低くはなく、特段のスキルを必要としない職種の給料は中東、シンガポール、北米と比べても低くはない。また、台湾や中東と違って、日本はブラック ジャック トランプ 無料への送り出しの際に多額の中間マージンを取られるようなことがないことも、日本を就労先に選ぶ理由となっている。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料で働くフィリピン人が直面する問題とは。

答え:

ブラック ジャック トランプ 無料語が難しい点、文化や倫理がフィリピンと大きく異なる点が挙げられる。特にブラック ジャック トランプ 無料語については、方言や俗語はブラック ジャック トランプ 無料語の学習をある程度したフィリピン人にとっても難しい。当社はマニラの語学学校と提携し、ブラック ジャック トランプ 無料語やブラック ジャック トランプ 無料文化のトレーニングを行っているが、学校では習わないブラック ジャック トランプ 無料語が実際の日常会話では使用されることが多く、これもフィリピン人にとっては大きな壁となっている。

質問:

2019年4月に改正されたブラック ジャック トランプ 無料の入管法に基づいて、在留資格「特定技能」が新たに認められたが、これを受けて何か動き、影響はあるか。

答え:

現時点ではまだ大きな動きにはなっていないが、外国人技能実習制度では認められていない多くの職種が特定技能で認められたことから、今後、在留資格「特定技能」を利用してブラック ジャック トランプ 無料で就労するケースが増えるのは間違いないと考える。高齢化が進むブラック ジャック トランプ 無料と若者が多いフィリピンは、今後ますます人材面で助け合う関係を構築できると考えている。

ブラック ジャック トランプ 無料のクオリティ・オブ・ライフに期待

まもなくブラック ジャック トランプ 無料の大都市の企業で働くことが決定している（在留資格は「国際業務」）、ダニエラ・ガルシアさん（仮名）にブラック ジャック トランプ 無料で働くことを決めた理由や懸念点などについてインタビューした（インタビュー実施日：2019年10月24日）。

質問:

どのような方法でブラック ジャック トランプ 無料での就職先を見つけたか。

答え:

卒業した大学のフェイスブックページで偶然、募集案内を見つけ、ウェブのテレビ電話で何度か面接を受けた。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料で働くことを決めた理由は。

答え:

ブラック ジャック トランプ 無料で働くことを念頭に置いていたわけでも、転職を考えていたわけでもなく、あくまで偶然フェイスブックで募集案内を見つけたことが契機となった。募集内容が私の長期的なキャリア目標に合致していたのと、早く経済的に独立したかったことも、ブラック ジャック トランプ 無料で働くきっかけとなった。待遇面は、フィリピンではかなり長い年月働き続けないと届かない条件でオファーがあったことも後押しになった。また、在留資格「特定技能」や技能実習制度ではある程度のブラック ジャック トランプ 無料語能力やブラック ジャック トランプ 無料語試験に合格することが求められるが、募集があったブラック ジャック トランプ 無料の企業からは英語のみで仕事ができるとされた点も後押しとなった。

質問:

キャリアや待遇面以外でブラック ジャック トランプ 無料で働くことのモチベーションとなる点はあるか。

答え:

日本はクオリティ・オブ・ライフ（生活の質）が高い国として知られており、治安や交通インフラでも心配がないことも日本で働くモチベーションとなった。一方で、マニラはアジアで最も渋滞が酷い都市の1つとされており（注）、公共交通機関の整備が進んでいないにもかかわらず、オフィスがマニラに集中しているため、交通渋滞が常態化しており、通勤に多くの時間を割かれてしまう。また、大気汚染によって健康を害するフィリピン人も多く、待遇面も含めて多くのフィリピン人がブラック ジャック トランプ 無料で働くことを志向する傾向があると考える。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料以外に同じ職種、条件で募集があった場合、ブラック ジャック トランプ 無料以外の国での就労を選んだか。

答え:

欧州で同じ募集があれば、そちらを選んでいた。理由は、私の職種で得られるスキルは汎用（はんよう）性が高く、欧州のある国で働いた場合、その経験をもとに他の欧州諸国での就労も可能となると考えるからである。また、英語を母国語としないとしてもブラック ジャック トランプ 無料と違って英語が通用する国が多いことも、私にとってアドバンテージとなる。また、給与面でブラック ジャック トランプ 無料より優れた国も多い。

質問:

ブラック ジャック トランプ 無料に渡航するに当たって、何か心配な点はあるか。

答え:

就職先からは、勤務中にブラック ジャック トランプ 無料語を使用する必要はないと言われているが、ブラック ジャック トランプ 無料では日常生活で英語を使うことが難しいため、ブラック ジャック トランプ 無料人の多くとコミュニケーションが取れないのではないかと心配している。交通標識や食事に困らない程度のブラック ジャック トランプ 無料語は、渡航前に勉強して身に付ける必要があると考えている。

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注：

アジア開発銀行（ADB）が9月に発表した資料（13MB）によると、アジア諸国278都市の中でマニラ首都圏が最も交通渋滞が深刻な都市として選定された（2019年10月3日付ビジネス短信参照）。