新車ブラック ジャック 必勝 法は前年比2割減の約40万台、経済減速で低迷(ベトナム)
2024年7月1日
2023年のベトナム国内の新車ブラック ジャック 必勝 法は、前年比約2割減の40万台前後にとどまった。初めて50万台を突破した2022年から反転し、低調な1年に終わった。景況感の悪化や金利の高止まりなど、経済の不透明感が続いたことで、高額な支出を控える動きが強まったとみられる。
本レポートでは、2023年の新車ブラック ジャック 必勝 法実績を振り返り、車種部門別やボディータイプ別などで分析する。併せて、2024年についても展望する。
新車ブラック ジャック 必勝 法台数は前年比2割減
ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2023年の新車ブラック ジャック 必勝 法台数は、30万1,989台(前年比25.4%減)。このVAMA発表値に計上されていない2社(ヒュンダイ・タインコン、ビンファスト)のブラック ジャック 必勝 法台数を加えると、ベトナムの自動車ブラック ジャック 必勝 法台数は約40万台と推計される。50万台を突破した前年(2022年)から2割の減少だ。景況感の悪化や金利上昇など経済の不透明感が続いたことで、ブラック ジャック 必勝 法が伸び悩んだ。
当地の新車ブラック ジャック 必勝 法は、2016年に30万台。2019年に40万台を超え、2022年に50万台を突破した。2016年から2022年までの6年の間に、年間ブラック ジャック 必勝 法台数が7割近く増加したことになる。2022年のブラック ジャック 必勝 法が好調だったのは、新型コロナ禍の需要減からの反発や、国内生産車(国産車)を対象にした政府による優遇措置(2021年12月~2022年5月)に伴うブラック ジャック 必勝 法の後押しなどの要因が重なった結果といえるだろう。
なお、VAMA発表の新車ブラック ジャック 必勝 法台数(2023年)のうち、国産車(海外ブランドを含む)は前年比18万1,380台(19.9%減)。対して輸入車は、12万609台(32.3%減)だった(図1参照)。
国産車のブラック ジャック 必勝 法は、減少幅が比較的小さかった。これは、前年に続き、政府支援策の効果と考えられる。具体的には、2023年7月1日~12月31日の6カ月間、国産車の自動車登録料を半減する措置を適用した(2023年7月10日付ビジネス短信参照)。政府は、過去2回(2020年6~12月、2021年12 月~2022年5月)にわたり、新型コロナ禍の影響で生産・ブラック ジャック 必勝 法が落ち込んだ国内自動車メーカー(外資を含む)を支援する目的で、同様の支援を実施。今回で3回目になった。仮に本体価格が300万円の国産車を新たに購入する場合、自動車登録料は通常30万~36万円ほどかかる。同措置は、これを半減するものだ。
国産車は、支援策が始まった当初の7月と8月こそ、月間1万3,000台のブラック ジャック 必勝 法にとどまった。しかし、徐々にブラック ジャック 必勝 法台数が増加。9月以降は、すべての月で1万6,000台以上をブラック ジャック 必勝 法した(図2参照)。これに対して輸入車は、7月に1万1,100台をブラック ジャック 必勝 法したものの、8~11月は1万台を割り低迷が続いた。
12月のブラック ジャック 必勝 法は、国産車が2万4,044台、輸入車1万4,696台。いずれも年間最多になった。国産車については、支援策終了前の駆け込み需要があったと考えられる。加えて、国産・輸入双方を含め、各社が旧正月(テト)商戦を控えて値引きキャンペーンを進めた効果などが表れたとみられる。しかし、政府の支援も、通年のブラック ジャック 必勝 法台数を前年比プラスに転じるほどの効果には至らなかった。
VAMAが発表する新車ブラック ジャック 必勝 法台数を車種部門別にみると、2023年は(1)乗用車が前年比27.2%減(23万706台)、(2)商用車16.5%減(6万9,078台)、(3)特別目的車(ダンプトラックなど)55.7%減(2,205台)になった(図3参照)。
VAMAが発表したブラック ジャック 必勝 法台数(合計30万1,989台)のうち、加盟企業に限ったデータ(合計27万6,377台)を地域別にみると、(1)ベトナム北部は12万1,849台(前年比19.8%減)、(2)南部10万6,835台(28.5%減)、(3)中部4万7,693台(15.9%減)だった。南部は、不動産市場も北部に比べ低迷しており、高額な支出を控える影響が強く表れたとみられる。
セダンからの需要の移行が鮮明に
主要メーカー・ブランド別(輸入車を含む)にみると、ヒュンダイ・タインコンが6万7,450台で首位(表1参照)。以下、トヨタ、タコ・起亜などが続いた。
トップ10の中では唯一、フォード(ブランド・メーカー別第4位)が、前年比増になった。ピックアップトラック「レンジャー」をはじめとして、好調なブラック ジャック 必勝 法を保った結果と考えられる。
ブランド・メーカー | 2022年 | ブラック ジャック 必勝 法台数 | シェア | 前年比 |
---|---|---|---|---|
ヒュンダイ・タインコン(注1) | 81,582 | 67,450 | 19.6 | △ 17.3 |
トヨタ | 91,115 | 57,414 | 16.7 | △ 37.0 |
タコ・起亜 | 60,729 | 40,773 | 11.9 | △ 32.9 |
フォード | 28,847 | 38,322 | 11.1 | 32.8 |
タコ・マツダ | 36,052 | 35,632 | 10.4 | △ 1.2 |
三菱 | 39,861 | 30,894 | 9.0 | △ 22.5 |
ホンダ | 30,645 | 23,802 | 6.9 | △ 22.3 |
タコ・トラック | 21,107 | 14,535 | 4.2 | △ 31.1 |
スズキ(ビスコ) | 16,209 | 13,317 | 3.9 | △ 17.8 |
いすゞ(注2) | 11,108 | 8,671 | 2.5 | △ 21.9 |
プジョー | 10,175 | 3,038 | 0.9 | △ 70.1 |
日野(注2) | 5,613 | 2,555 | 0.7 | △ 54.5 |
タコ・プレミアム(BMW、MINI) | 1,298 | 2,110 | 0.6 | 62.6 |
レクサス | 1,510 | 1,793 | 0.5 | 18.7 |
タコ・バス | 939 | 1,630 | 0.5 | 73.6 |
ドータイン | 1,581 | 949 | 0.3 | △ 40.0 |
ビナモーター(注2) | 384 | 285 | 0.1 | △ 25.8 |
サムコ | 289 | 239 | 0.1 | △ 17.3 |
ビエム | 491 | 216 | 0.1 | △ 56.0 |
大宇バス | 110 | 202 | 0.1 | 83.6 |
合計(注3) | 439,645 | 343,827 | 100.0 | △ 21.8 |
注1:ヒュンダイ・タインコンのブラック ジャック 必勝 法台数は自社基準に基づく。
注2:いすゞ、日野、ビナモーターは、バスシャーシを含まない。
注3:VAMAに加盟していない輸入ブランドやビンファストの台数が反映されていないため、合計の台数は図1と一致しない。
出所:VAMA公表資料、ヒュンダイ・タインコンの発表、各種報道を基にブラック ジャック 必勝 法作成
なお、表1で示したほか、当地ではビンファスト(地場複合企業ビングループ傘下)が製造する自動車もブラック ジャック 必勝 法されている。同社は、国内ブラック ジャック 必勝 法実績を公表していないが、当地メディアは、2023年の全世界での納車台数を3万4,855台とする同社の発表や輸出実績などを基に、国内納車台数を約3万2,000台前後と推計している。ただし、タクシー事業を運営するグループ企業(2023年3月30日付ビジネス短信参照)への納品が多数を占めているとみられ、一般消費者向けのブラック ジャック 必勝 法などには不明な点が多い。なお、同社は2022年半ばにガソリン車生産を終了し、以降は電気自動車(EV)だけを生産しているため、2023年の納車実績は全てEVだ。
乗用車をモデル別にみると、(1)三菱自動車の「エクスパンダー(Xpander)」が1万9,740台で首位で、(2)ヒュンダイ・タインコン「アクセント(Accent)」、(3)タコ・マツダ「CX-5」などが続いた(表2参照)。トップ10の中では、「CX-5」やタコ・起亜「ソネット(Sonet)」、フォード「エベレスト(Everest)」だけが、前年比2~4割増と躍進した。
順位 | モデル | メーカー | 形態 | 台数 | 北部 | 中部 | 南部 | 前年比 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
エクスパンダ― (Xpander) |
三菱 | MPV | 19,740 | 6,562 | 4,008 | 9,170 | △ 10.2 |
2 |
アクセント (Accent) |
ヒュンダイ・タインコン(注) | セダン | 17,452 | ― | ― | ― | △ 22.9 |
3 | CX-5 | タコ・マツダ | クロスオーバー | 16,808 | 9,261 | 2,594 | 4,953 | 32.3 |
4 |
レンジャー (Ranger) |
フォード | ピックアップ | 16,085 | 6,485 | 3,662 | 5,938 | △ 2.2 |
5 |
ヴィオス (Vios) |
トヨタ | セダン | 13,521 | 6,277 | 2,748 | 4,496 | △ 42.5 |
6 |
ソネット (Sonet) |
タコ・起亜 | クロスオーバー | 11,366 | 5,902 | 2,343 | 3,121 | 20.3 |
7 |
クレタ (Creta) |
ヒュンダイ・タインコン(注) | SUV | 10,719 | ― | ― | ― | △ 11.4 |
8 |
カローラクロス (Corolla Cross) |
トヨタ | SUV | 10,485 | 4,961 | 2,622 | 2,902 | △ 51.2 |
9 |
エベレスト (Everest) |
フォード | SUV | 9,960 | 4,303 | 1,696 | 3,961 | 42.7 |
10 |
シティ (City) |
ホンダ | セダン | 9,894 | 4,531 | 2,504 | 2,859 | △ 32.7 |
注:ヒュンダイ・タインコンはVAMAに加盟しておらず、同社のブラック ジャック 必勝 法台数は独自の基準に基づく。
出所:VAMA公表資料、ヒュンダイ・タインコンの発表に基づきブラック ジャック 必勝 法作成
VAMA加盟企業に限ったボディータイプ(車両形態)別のブラック ジャック 必勝 法台数は、SUVが6万2,234台、MPVが5万3,062台で、セダンの5万2,658台を上回った(表3参照)。SUVやMPVのブラック ジャック 必勝 法台数がセダンを上回ったのは、データが取れる2015年以降で初めてだ。2018年と2023年を比較すると、セダンのブラック ジャック 必勝 法台数はほぼ半減。その減少分を補うかたちで、SUV、MPV、クロスオーバーの台数が大きく増加した。2023年は、その傾向がより鮮明に表れ、消費者嗜好(しこう)の変化を読み取れる。
形態 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2018~2023年の増減率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SUV | 35,558 | 56,885 | 60,880 | 64,091 | 85,903 | 62,234 | 75.0 |
MPV | 20,305 | 39,533 | 28,560 | 22,051 | 55,288 | 53,062 | 161.3 |
セダン | 98,891 | 101,542 | 93,905 | 75,588 | 90,984 | 52,658 | △ 46.8 |
クロスオーバー | 12,243 | 10,231 | 17,868 | 28,094 | 34,544 | 37,837 | 209.1 |
ピックアップトラック | 18,491 | 22,767 | 19,697 | 25,325 | 22,762 | 20,122 | 8.8 |
注:VAMA公表外(ヒュンダイ・タインコン、ビンファスト)のブラック ジャック 必勝 法台数は含まれない。
出所:VAMA公表資料に基づきブラック ジャック 必勝 法作成
2024年も出足不調
2024年に入ってからも、ブラック ジャック 必勝 法不振は深刻だ。VAMAが発表した2024年1~4月の新車ブラック ジャック 必勝 法台数は8万2,515台(前年同期比11.1%減)で、2023年からさらに落ち込んでいる。車種部門別にみると、乗用車が5万9,116台(13.6%減)、商用車2万2,730台(2.9%減)、特別目的車669台(28.1%減)だった。また、国産車4万2,902台(17.5%減)に対し、輸入車は3万9,613台(3.0%減)だ。車種、国産車・輸入車を問わず、前年同期を下回るブラック ジャック 必勝 法台数で低迷しているが、2023年12月で登録料半減の優遇措置が終わった国産車の落ち込みが特に深刻だ。
新車ブラック ジャック 必勝 法が引き続き伸び悩む状況を踏まえ、政府は4度目となる国産車に対する優遇措置の実施を検討しているが、その効果の程度は不明だ。また、足元で通貨のベトナム・ドン安ドル高が進行していることも不安材料になる。その影響を受けるのは輸入車だけではなく、多くの部材を輸入に頼る国内生産にとっても、ドン安は逆風だ。
ただし、この4~5年見られるSUVやMPVの増加傾向は、乗車人数や目的に応じた購入車両の多様化を示している。消費市場の成長に伴い、運転を趣味にする消費者や、アウトドア用途の購入の増加も期待できそうだ。
- 変更履歴
- 文章中に誤りがありましたので、次のように訂正いたしました。(2024年7月26日)
- 第15段落
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(誤)6万2,334台
(正)6万2,234台
- 執筆者紹介
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ブラック ジャック 必勝 法・ハノイ事務所 ディレクター
萩原 遼太朗(はぎわら りょうたろう) - 2012年、ブラック ジャック 必勝 法入構。サービス産業部、ブラック ジャック 必勝 法三重、ハノイでの語学研修(ベトナム語)、対日投資部プロジェクト・マネージャー(J-Bridge班)を経て現職。