ブラック クイーン ブラック ジャックなどが新型コロナ前に届かず
2022年のブラック クイーン ブラック ジャック自動車産業(1)
2023年5月29日
メキシコで、2022年の自動車ブラック クイーン ブラック ジャック台数が前年比9.2%増の330万8,346台に達した。新型コロナ前の380万台の水準には、まだ程遠い。しかし、2023年に入り半導体調達が改善傾向にあるため、2023年はさらに回復しそうだ。
北米の自動車産業には、電動化の動きがある。メキシコでも欧米系メーカーを中心に電気自動車(EV)ブラック クイーン ブラック ジャック計画が相次いでいる。メキシコ政府も、2030年に自動車ブラック クイーン ブラック ジャックの50%以上をゼロエミッション車(ZEV)に転換する計画を発表済みだ。しかし、米国とは異なり、企業に対する税制インセンティブや補助金などは存在しない。企業側の投資判断に任せているのが現状だ。
2022年の国内販売は、前年比7.9%増の109万4,728台だった。2016年に実現した160万台の水準には程遠い。ブラック クイーン ブラック ジャック連邦政府は、車検制度の創設に向けたブラック クイーン ブラック ジャック公式規格(NOM)を突如キャンセルした。それだけでなく、自動車業界の度重なる反対にもかかわらず、違法輸入中古車の合法化に向けた政令を乱発。業界の発展よりも、貧困層の支持を得るためにポピュリスト的政策に終始する印象を受ける。
2022年は米系メーカーのブラック クイーン ブラック ジャックが好調
2022年の自動車(大型バス・トラックを除く)ブラック クイーン ブラック ジャック台数は、前年比9.2%増の330万8,346台だった(図1参照)。
メキシコの過去10年間のブラック クイーン ブラック ジャック台数の推移をみると、2017年に過去最高の393万台に達した。その後、頭打ちとなり、新型コロナ前の2019年は381万台だった。2020年は、新型コロナの影響で3月末から2カ月ほど工場が停止したことを受けて304万台まで減少。2021年は、半導体不足の影響でさらに1万台ほどブラック クイーン ブラック ジャック台数が減少した。2022年4月以降は回復基調に転じた。しかし、半導体調達難の問題が長期化。回復速度は緩慢だった。
一方で、メキシコにおける大型バス・トラックのブラック クイーン ブラック ジャック台数は、相対的に好調に推移した。2022年は、前年比20.6%増の20万726台。20万台超えの水準を記録している(2023年1月19日付ビジネス短信参照)。
2022年の輸出台数は、286万5,641台。前年比5.9%増だった。もっとも、コロナ前2019年の339万台の水準からは程遠い。需要面の問題よりも、半導体不足など供給面の制約が大きかった。輸出台数はブラック クイーン ブラック ジャックの86.6%に及ぶ。中でも、米国の存在が大きい。輸出全体の77.5%が米国向けだ。また、カナダ向けが7.6%を占め、あわせて北米向けが85.1%を占める。その他、ドイツ、英国、イタリア、スペインなど欧州向けが7.9%、コロンビア、チリ、ブラジルなど中南米向けが4.4%、日本、オーストラリア、サウジアラビア、韓国、中国などアジア・大洋州向けが2.2%だった。
企業別に2022年のブラック クイーン ブラック ジャック台数をみると、前年に不振だったゼネラルモーターズ(GM)が31.0%増の74万3,246台、ステランティスが2.0%増の41万4,952台、フォードが39.0%増の30万3,419台と好調だった。一方、日産は27.1%減の39万1,002台。大幅減で、前年の国内ブラック クイーン ブラック ジャック2位から4位に陥落した。フォルクスワーゲン(VW)グループ(アウディを含む、11.1%増の47万9,865台)とステランティスに抜かれたかたちだ(表1参照)。他の日系メーカーは、トヨタが20.7%増の26万8,344台と好調。マツダも、年後半に回復をみせて16.3%増加した。対照的に、ホンダはブラック クイーン ブラック ジャック車種のモデルチェンジも影響して17.0%減少した。韓国の起亜は20.8%増の26万5,000台と好調だった。
企業名 | ブラック クイーン ブラック ジャック | 販売 | ||||||
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2021年 | 2022年 | 2021年 | 2022年 | |||||
台数 | 台数 | 構成比 | 伸び率 | 台数 | 台数 | 構成比 | 伸び率 | |
GM | 567,380 | 743,246 | 22.5 | 31.0 | 127,300 | 165,117 | 15.2 | 29.7 |
フォルクスワーゲン | 431,908 | 479,865 | 14.5 | 11.1 | 130,096 | 109,120 | 10.0 | △ 16.1 |
ステランティス | 406,973 | 414,952 | 12.5 | 2.0 | 65,909 | 74,417 | 6.9 | 12.9 |
日産 | 536,323 | 391,002 | 11.8 | △ 27.1 | 204,569 | 169,787 | 15.6 | △ 17.0 |
フォード | 218,289 | 303,419 | 9.2 | 39.0 | 41,735 | 42,690 | 3.9 | 2.3 |
トヨタ | 222,346 | 268,344 | 8.1 | 20.7 | 91,145 | 98,087 | 9.0 | 7.6 |
ヒュンダイ・キア | 219,400 | 265,000 | 8.0 | 20.8 | 119,249 | 130,497 | 12.0 | 9.4 |
起亜 | 219,400 | 265,000 | 8.0 | 20.8 | 82,040 | 89,140 | 8.2 | 8.7 |
ヒュンダイ | — | — | — | — | 37,209 | 41,357 | 3.8 | 11.1 |
マツダ | 127,293 | 148,098 | 4.5 | 16.3 | 46,901 | 48,275 | 4.4 | 2.9 |
ホンダ | 152,187 | 126,319 | 3.8 | △ 17.0 | 43,790 | 39,960 | 3.7 | △ 8.7 |
メルセデス・ベンツ | 74,337 | 87,562 | 2.6 | 17.8 | 13,751 | 15,515 | 1.4 | 12.8 |
BMW | 68,919 | 63,465 | 1.9 | △ 7.9 | 16,912 | 16,139 | 1.5 | △ 4.6 |
JAC | 3,126 | 17,074 | 0.5 | 446.2 | 8,203 | 16,357 | 1.5 | 99.4 |
MG Motor | — | — | — | — | 16,358 | 48,112 | 4.4 | 194.1 |
スズキ | — | — | — | — | 33,044 | 40,366 | 3.7 | 22.2 |
ルノー | — | — | — | — | 28,218 | 36,598 | 3.4 | 29.7 |
三菱自動車 | — | — | — | — | 17,872 | 19,622 | 1.8 | 9.8 |
モーターネーション(BAIC等) | — | — | — | — | 2,032 | 6,314 | 0.6 | 210.7 |
スバル | — | — | — | — | 2,119 | 2,258 | 0.2 | 6.6 |
いすゞ | — | — | — | — | 1,045 | 1,585 | 0.1 | 51.7 |
その他 | — | — | — | — | 4,487 | 5,242 | 0.5 | 16.8 |
日系企業合計 | 1,038,149 | 933,763 | 28.2 | △ 10.1 | 440,485 | 419,940 | 38.7 | △ 4.7 |
合計 | 3,028,481 | 3,308,346 | 100.0 | 9.2 | 1,014,735 | 1,086,058 | 100.0 | 7.0 |
注:系列ブランド(例えばフォルクスワーゲンはSEAT,AUDI,PORSCHE)を含む。
いすゞの販売台数はELF100/ELF200/ELF300の販売台数のみがAMIAに報告されている。
出所:国立統計地理情報院(INEGI)
米系を中心に、北米向け車種にブラック クイーン ブラック ジャックをシフト
改めて米国は、メキシコの自動車ブラック クイーン ブラック ジャックを牽引する最重要市場だ。2022年の輸出全体の77.5%、国内ブラック クイーン ブラック ジャックの69.3%を対米輸出向けが占める。
2022年の対米輸出は、約半数がSUV(スポーツ用多目的車)、3分の1がピックアップ・トラックになっている。乗用車は対米輸出全体の2割にも満たない(図2参照)。ピックアップの比率は毎年、対米輸出の3割前後を占め安定している。対照的に、乗用車の輸出比率が年々低下。逆にSUVの比率が上昇してきた。
メキシコは、100カ国以上に自動車を輸出する自動車輸出大国だ。一方で近年は、米系を中心に、米国で売れる車種へのブラック クイーン ブラック ジャック転換が進んでいる。
メーカー別車種別のブラック クイーン ブラック ジャック台数をみると(図3参照)、GMとフォードは、現時点で乗用車をメキシコでほとんどブラック クイーン ブラック ジャックしていない。両社とも、以前は国内販売向けに小型車をブラック クイーン ブラック ジャックしていた(GMはアベオ、フォードはフィエスタなど)。ステランティスも2022年に乗用車のブラック クイーン ブラック ジャックは無くなっており、商用バンのプロマスターをブラック クイーン ブラック ジャックしているものの、現在はSUVとピックアップを中心にブラック クイーン ブラック ジャックにしている。米系3社(注1)は、メキシコ国内工場のブラック クイーン ブラック ジャックをSUVとピックアップに集約していることになる。すなわちメキシコは、北米向けに両車種をブラック クイーン ブラック ジャックする拠点として位置付けられているわけだ。
この傾向がみられるのは、米系だけではない。例えば、次に示すような例がある。
- トヨタ:メキシコ2工場のブラック クイーン ブラック ジャックは全量ピックアップ。
- ホンダ:SUVのブラック クイーン ブラック ジャックで100%。
- マツダ:、欧州や中南米向けに、小型車のブラック クイーン ブラック ジャックが今なおある。しかし、以前はもっと大きな比重を占めていた。現在は、米国向けのSUVブラック クイーン ブラック ジャックが大きくなっている。
- VW:以前はセダンタイプのブラック クイーン ブラック ジャックが多かった。しかし現在は、SUVがほぼ9割を占める。
一方で、日産と起亜については、2022年時点でも国内や中南米市場向けの小型車を多くブラック クイーン ブラック ジャックしている。なお日産は、SUVやピックアップのブラック クイーン ブラック ジャックもある。ただし、米国で主流のサイズより小さいタイプをブラック クイーン ブラック ジャックしている。
メキシコの自動車産業は、全体的に北米向けのブラック クイーン ブラック ジャックに依存する傾向がある。しかし、各社の戦略の違いにより、仕向け地にメーカー別の特色が出る(図4参照)。GM、フォード、ステランティスの米系3社、トヨタ、ホンダは北米向けが8割台から9割前後を占める。これに対し、日産や起亜は国内向けのブラック クイーン ブラック ジャック比率が比較的高い。VW、BMW、ダイムラーといった欧州メーカーは、米国向け比率が高いものの、欧州にも一定割合を仕向けている。特にダイムラー(メルセデス・ベンツ)は、欧州向けブラック クイーン ブラック ジャック比率が最も高いという特徴がある。マツダは、北米、メキシコ国内、中南米、欧州と様々な地域に一定程度を輸出。仕向け地の偏りが小さい。
米国のEV税額控除制度がメキシコでのEVブラック クイーン ブラック ジャックを後押し
米国のジョー・バイデン大統領は2021年8月、環境配慮車に関する大統領令を発令した。2030年までに、販売される新車(乗用車と小型トラック)の50%以上を、電気自動車(EV、注2)または燃料電池車(FCV)にするという。また、2022年8月には、インフレ削減法(IRA)に署名した。IRAには、EVやFCVなどZEVを購入する消費者に対し、最大7,500ドルの税額控除(EV税額控除)が盛り込まれた。このEV税額控除は、EV普及が中国や欧州と比べると遅れていた米国で、普及促進に向けた大きなインセンティブになっている。EV税額控除は、北米で最終組み立てしたEVの購入が条件になる。さらに最大限の控除を享受するためには、バッテリー構成部品が北米産という要件も加わる(、関連ブラック ジャック トランプ 無料)。メキシコは北米と見なされるため、米国のEV税額控除は、メキシコでのEVの最終組み立てやバッテリー構成部品のブラック クイーン ブラック ジャック・調達に向けたインセンティブとして機能する。
メキシコを北米向け車両ブラック クイーン ブラック ジャック拠点として強く位置付ける米系完成車メーカーは、IRAの成立に先立ち、EVのブラック クイーン ブラック ジャック計画を発表。例えばフォードは、既にメキシコでEVをブラック クイーン ブラック ジャック済みだ(表2参照)。また、VWやBMWなど欧州系メーカーも、メキシコでのEVブラック クイーン ブラック ジャックに向け、投資を相次いで発表している。2023年3月には、EV専業メーカーのテスラも、北東部ヌエボレオン州にEV工場を設立することを発表した。さらに、北部や北東部を中心に、EV用自動車部品メーカーの投資も相次いでいる(GMとステランティスに納入するサプライヤーや、テスラのサプライヤーなど)。
発表 時期 |
車両メーカー | 本社所在国 | 工場所在地 | 投資額 | 投資内容 |
---|---|---|---|---|---|
2020年7月 | フォード | 米国 | ブラック クイーン ブラック ジャック州 | 11億ドル | スポーツ用多目的車(SUV)タイプの「マスタング・マッハE」の製造。 |
2021年7月 | ゼネラルモーターズ(GM) | 米国 | コアウイラ州 | 10億ドル | ラモス・アリスぺ工場を2023年3月からEVブラック クイーン ブラック ジャック工場に変更。 |
2022年10月 |
フォルクスワーゲン (VW) |
ドイツ | プエブラ州 | 7億6,350万ドル | 新塗装工場建設。2024年末に新型SUVの製造開始。2026年以降にEVの組み立て開始。 |
2023年2月 | BMW | ドイツ | サンルイスポトシ州 | 8億ユーロ | EVブラック クイーン ブラック ジャックとメキシコ初の高電圧バッテリー製造工場の新設。 |
2023年2月 | ステランティス | オランダ | コアウイラ州 | 2億ドル | EVバン「RAM ProMaster EV」を、2023年末にブラック クイーン ブラック ジャック開始。EVピックアップ・トラック「RAM1500 REV」のブラック クイーン ブラック ジャックも検討。 |
2023年3月 | テスラ | 米国 | ヌエボレオン州 | 非公表 | 北米輸出向けに、EV車両組立工場を建設。 |
出所:各社プレスリリースなどからジェトロ作成
中国メーカーの安徽江淮汽車(JAC)も、EVブラック クイーン ブラック ジャックに取り組んでいる。同社は現在、イダルゴ州でメキシコ資本のジャイアント・モーターズと提携して、車両をセミノックダウン(SKD)ブラック クイーン ブラック ジャック。そのブラック クイーン ブラック ジャック車両14車種のうち、4車種がEVなのだ。中国メーカーのEVブラック クイーン ブラック ジャックは、さらに増える可能性もある。ジェトロ・メキシコ事務所が2023年4月11日にメキシコ自動車工業会(AMIA)のホセ・ソサヤ会長から聴取したところ、JAC以外に中国メーカー1社がメキシコにおけるEVブラック クイーン ブラック ジャックを検討し、AMIAへの加入プロセスを進めている。
一方、日系メーカーや韓国メーカーからは、2023年4月末時点で、メキシコでのEVブラック クイーン ブラック ジャック計画が発表されていない。
メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は2022年6月17日、「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム」(注3)に参加。そこで、メキシコの気候変動対策10カ条を発表した。この中で、2030年までに自動車ブラック クイーン ブラック ジャックの50%をZEVにするという目標を掲げた。「新車販売の50%以上」ではなく「ブラック クイーン ブラック ジャックの50%」のため、米系メーカーを中心に対米輸出向けブラック クイーン ブラック ジャック車種のEV化が進むと、達成は不可能でない。ただし、連邦政府は、目標達成に向けインセンティブや投資誘致策を一切講じていない。そうした中で、マルセロ・エブラル外相は2023年2月1日、「自動車産業の転換に向けた現状と提言」と題した報告書を発表。産業界全体で環境に優しい自動車をブラック クイーン ブラック ジャックしていくため、メキシコが取り組むべきステップを示した。同報告書は、外務省が米国カリフォルニア大学の支援を受けて作成したもので、合計で28の提言から成る。このように提言はあっても、それを今後どのように実行に移すのか、具体的な計画がない。こうしてみると、最大の仕向け地・米国市場のEV化が進むのに伴い、当地自動車ブラック クイーン ブラック ジャックのEVシフトは政策と直接関係ないかたちで進んでいくことになりそうだ。
国内市場でEV販売は伸びるのか
一方で、国内販売市場のEV化を進むためには、ブラック クイーン ブラック ジャック政府による何らかの推進策が必要不可欠になるだろう。ブラック クイーン ブラック ジャックに現存するEV向けインセンティブとしては、以下のものがある。米国など他国と比べて、ブラック クイーン ブラック ジャックの消費者向けインセンティブは乏しいのが実情だ。
- 消費者を対象にしたもの:連邦が課する新車税(ISAN、注4)の免除、州が課する自動車所有税(Tenencia)の減免。
- 駐車場などの運営事業者を対象にしたもの:EVの充電スタンドを設置した場合、その投資額の30%を当該年度の法人所得税(ISR)から税額控除できる。
- 一般関税率の減免:国内でEVの普及を進めるため、2020年9月4日から2024年9月30日までの間、新車EV(バス、乗用車、トラック)に限って無税化。
いずれにせよ、現行のEV車種は、販売価格が内燃機関エンジン(ICE)自動車に比べるとかなり高い。所得水準が低く、自動車の世帯保有率が4割程度というブラック クイーン ブラック ジャック国民にとっては、なおさら高い買い物になる。
また、充電スタンドの設置を、民間事業者による投資に依存している。連邦政府や州政府が積極的に充電スタンドを設置するような動きもない。
さらに、EVの普及は電力需要を増加させることになる。しかし、AMLO政権は、電力市場の中で国営電力庁(CFE)の役割を過度に重視。換言すると、民間投資を阻害するような政策を推進している。そのため、過去に民間事業者を中心に進められてきた再生可能エネルギーを中心とした発電能力の増強は、今後は短期的に望めない。現政権下、送配電網への投資はCFEにだけ認められ、しかも滞っている。中長期的に全国で安定した電力を利用できるインフラが確保できるか、疑わしい状況だ。
確かに、ブラック クイーン ブラック ジャックのEV販売台数は年々、増加傾向にはある。しかし、2022年時点で、ハイブリッド(HEV)まで含めても国内新車販売台数の4.7%に過ぎない(図5参照)。当面のところ、飛躍的な伸びは期待しにくいだろう。
中国からの輸入が急増、太平洋岸の港が飽和状態に
2022年の国内販売台数は、前年比7.9%増の109万4,728台にとどまった。過去最高を記録した2016年(160万7,165台)やコロナ前の2019年(131万7,931台)と比べると、依然として低い水準だ。低迷した根本的な要因としては、半導体不足の問題が長期化したことが大きい。その結果、ディーラーへの新車供給が滞り、十分に販売できない状況が続いた。
企業別に国内販売台数(表1参照)をみると、日産が14年連続で、国内販売1位の座を保った。もっとも、前年比17.0%減の16万9,787台と、販売実績は大きく減った。GMの16万5,117台(前年比29.7%増)をかろうじて上回ったかたちだ。
また、2022年はVW(系列ブランド含む)が16.1%減の10万9,120台と販売を落とした。その結果、12.0%販売を伸ばしたヒュンダイ・起亜(13万497台)の後塵を拝した。
日産以外の日系メーカーは、トヨタが7.6%増の9万8,087台と堅調。マツダが2.9%増の4万8,275台、ホンダが8.7%減の3万9,960台、スズキが22.2%増の4万366台、三菱自動車が9.8%増の1万9,622台、スバルが6.6%増の2,258台、いすゞが51.7%増の1,585台になった。前年同様、スズキの販売好調が目立った。
2022年に躍進が目立ったのは、中国系ブランドだ。MGモーターは前年比2.9倍の4万8,112台、JACが99.4%増の1万6,357台、モーターネーション(重慶長安汽車と北京汽車の輸入販売会社)が3.1倍の6,314台。いずれも販売が急増している。
中国ブランドに加え、GM、フォード、ステランティスなどの米系企業も、中国からの輸入を増やした(主に小型車)。その結果、2022年の中国製自動車輸入販売台数は、前年比約2.2倍の17万3,583台に達した。米国、ブラジル、日本、インドなど他の主要国を上回り、輸入車販売全体の23.8%、国内販売全体の16.0%を占めた。なお、中国から最も多く輸入したのはGMだった(10万7,772台、前年比83.6%増、図6参照)。
中国から自動車輸入が急増したことで、物流上の問題も出ている。ミチョアカン州ラサロカルデナス港(太平洋岸最大の自動車貿易港)では、自動車専用ターミナルとヤードが飽和。日本からの輸入を含め、同港に到着する完成車の輸入通関が大きく遅延している。日系船会社へのヒアリングによると、この状況は2022年後半に深刻化した。以前は長くても2日程度の滞船だったのが、2022年8月には最長7日、9月には同30日に達したという。その後、混雑を避ける目的で船会社が同港への寄港を減らし、滞船日数はやや改善した。しかし、2023年1月には最長11日、2月には、同21日と再び悪化した。遅延の原因としては、(1)急速な取扱量増加により、自動車専用ヤードが逼迫したことに加え、(2)税関の処理能力、(3)鉄道の貨車および便数、(4)車両運搬用トレーラーおよびトラック運転手、それぞれの不足など、さまざま考えられる。それ以前の実体的要因として、中国から自動車輸入が急増したことがあるのは間違いない。もちろん、太平洋岸の港湾ならほかにもある。しかし、その中で最大のコリマ州マンサニージョ港は、総敷地面積ではラサロカルデナス港よりむしろ狭い。そのことから、コンテナの取り扱いだけで既に飽和状態にあり、自動車の取扱量を増やすことはできない。シナロア州マサトラン港などの代替港の活用も進んではいる。それでも、ブラック クイーン ブラック ジャックにおける中国製メーカーの販売拡大のスピードに、太平洋岸の処理能力が追い付いていないというのが、現状だ。今後も、アジアからの自動車輸入通関の遅延が続く見通しと考えざるを得ない。
もちろん、ラサロカルデナス港当局も無策ではない。この状況を受け、(1)自動車に関して、特別な場合には(注5)週7日・24時間の通関を認める特例措置や、(2)臨時自動車ヤードの設置など、対策を講じている。また、(3) 16.7ヘクタールにおよぶ新自動車ヤードの開発運営入札プロセスを、2023年3月6日に開始した。
違法中古車合法化や車検制度廃止に、業界が強い懸念
当地では、違法に輸入された中古自動車の扱いも問題になっている。
AMLO大統領は2021年10月、行政命令に署名。国境地帯で違法輸入の状態にある中古車を合法化する措置を適用するよう、関連省庁に命じた。2022年1月19日には、当日付官報で具体的手続き事項を定める政令を公布した。より具体的には、手数料を支払うことで、違法状態の輸入中古車を合法化させるというものだ。その狙いは、(1)合法的なナンバープレートを付し、車両に公式登録(REPUVE)することにより、違法車両を利用した犯罪を防止すること、加えて(2)非合法車両を所有する貧困層に、法的安心感を与えること、とされている。大統領はさらに、2022年2月27日付政令でこの手続きを大幅に簡素化した(関連ブラック ジャック トランプ 無料)。これにより、車両所有者は確定輸入申告をする必要がなくなった。また、税関当局が対象車両を検認する必要もなくなった。違法車両所有者は2,500ペソ(約1万8,900円、1ペソ=約7.56円)の手数料を支払い、定型宣誓文書に所定事項を入力して送付する。それだけで、同文書が税関に対しても車両の輸入ステータスと合法的な所有を示す文書として認められることになる。
この措置に、ブラック クイーン ブラック ジャック自動車工業会(AMIA)やブラック クイーン ブラック ジャック自動車ディーラー協会(AMDA)は強く批判的だ。新車市場と正規中古車市場に大きな悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らしている。特に、輸入申告を不要にし、車両所有者の宣誓だけで合法化が認められるということは、申告文書を審査する主体(税関)がなくなることを意味する。本来なら輸入が認められるはずもない車両(注6)まで合法化されてしまう可能性が高いという。また、この措置は元々、2021年10月19日以前に対象州内に存在した車両だけを対象にするものとして設計されていた。ところが、チェック機能が働かないため、それ以降に違法輸入された車両でも合法化対象になり得てしまう。この手続きの簡素化は、ブラック クイーン ブラック ジャックで走行する車両の老朽化につながる。さらに、合法的なナンバープレートが一度取り付けられることで、対象州以外で走行したり、販売されたりされ得る。AMDAは、この措置によって、類似の新車や正規中古車の販売を20%減少させる可能性があると懸念している。
当該政令は制定時点で、2022年7月20日が期限とされていた。しかし、実際にはその後何度も延長された。現時点では、2023年6月末の期限で実施されている。また、対象となる州も拡大されてきた。4月末時点では、15州(バハカリフォルニア、南バハカリフォルニア、チワワ、コアウイラ、ドゥランゴ、ハリスコ、ミチョアカン、ナヤリ、ヌエボレオン、サンルイスポトシ、シナロア、ソノラ、タマウリパス、トラスカラ、サカテカス)まで広がった。
半導体不足などの影響を受けて新車が供給不足ということもあり、2022年のブラック クイーン ブラック ジャックの中古車輸入台数は前年比19.3%増の19万9,224台に達した。これは、同年の新車販売台数の18.2%に相当する規模ということになる(図7参照)。AMLO政権の違法中古車に寛容な政策によって、犯罪組織などによる中古車の違法輸入がさらに増加してしまい、新車市場・正規中古車市場にも悪影響を与えかねない。
なお、当地では2022年5月、ブラック クイーン ブラック ジャック公式規格(NOM-236-SE-2021)が公布されていた。この規格は、全国的な車検制度を導入することを狙いにするものだった。しかし、「貧困層の家計に悪影響を与える」というAMLO大統領の考えに基づき、2022年11月、突如廃止されてしまった(関連ブラック ジャック ブラック クイーン)ブラック クイーン ブラック ジャック公式規格には、自動車業界・政府間で15年以上にわたる議論を経てようやく策定されたという経緯がある。それだけに、自動車業界の強い失望を招いた。
その結果、AMDAは2022年11月7日、AMIA、自動車部品工業会(INA)とともに共同記者会見。(1) NOM-236-SE-2021の廃止は交通事故防止の観点から、完全な後退を意味する、(2)車両の買い替えを遅らせる、(3)それだけでなく、交通安全という国民の基本的権利を阻害する、と表明。そうしたことから、アンパロ(注7)の提訴を検討することを明らかにした(AMDAプレスリリース2022年11月7日付)。
国内販売は、今後減速の可能性も
2023年第1四半期(1~3月)は、(1)自動車ブラック クイーン ブラック ジャック、(2)輸出、(3)国内販売とも、好調だった。(1)は前年同期比8.6%増の92万2,177台、(2)は8.9%増の74万1,306台、(3)は24.4%増の31万5,126台だ。2023年3月末時点で過去12カ月を累計すると、(1)が338万1,479台、(2)が292万5,955台、(3)が115万6,472台の水準に達したことになる(図8参照)。ブラック クイーン ブラック ジャックの回復は、半導体の調達が改善したことが大きく影響した。この問題の余波を受けて、前年不振だった日産も、前年同期比43.4%増の14万9,908台と大きな回復をみせた。
特に好調だったのが、(3)の国内販売だ。これには、ディーラーに対する新車供給の回復が寄与している。ジェトロ・ブラック クイーン ブラック ジャック事務所が2023年4月19日にAMDAのギジェルモ・ロサレス会長から聴取したところ、2022年は半導体調達難などの影響で自動車メーカーからディーラーへの供給が滞った。この時期、新車の購入契約から車両の引き渡しまでに平均4カ月を要していた。しかし、現在は2カ月程度に短縮しているという。
では、こうした好調は今後も続くのかというと、疑問符も付く。その要因を列挙すると、次の通りだ。
- 2023年第1四半期に販売された車両には、前年の秋ごろに契約されたものが多く含まれている。すなわち、引き渡しができずにたまっていた分が積み重なるかたちで販売台数が多くなったという側面もあるようだ。
しかし、2023年後半には、ディーラーの新車在庫が落ち着きをみせると考えられる。そうなると、販売台数の伸びが緩慢になると想定できる。 - 国民の購買力にも、余裕がない。国民の所得水準が大きく改善していない一方で、車両販売単価は上昇傾向だからだ。
- インフレ抑制のために政策金利が11.25%まで引き上げられた影響で、自動車ローンの金利も上昇傾向にある。2022年の国内販売では、全体の59.2%が自動車ローンを利用して販売していた。 このことを考慮すると、金利の上昇も今後の国内販売を減速させる要因になり得る。
- 注1:
- ステランティスの本社は、フィアット・クライスラー(FCA)とプジョー・シトロエン(PSA)の合弁を経てオランダに置かれている。ただし、メキシコでブラック クイーン ブラック ジャックされている車種は、旧クライスラーのブランドによる。そのため、本レポートでは米系として扱う。
- 注2:
- ここで言うEVには、プラグインハイブリッド車(PHEV)を含む。
- 注3:
- 「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム」は、米国のバイデン大統領がオンライン開催した。
- 注4:
- 新車の販売価格に応じて、2~17%が課税される。
- 注5:
- 完成車メーカーまたは正規販売会社が税関の特別許可を取得した場合。
- 注6:
- 例えば、(1)ブラック クイーン ブラック ジャックや北米で合法的に走行できない、(2)安全基準や排ガス基準などを満たさない、(3)盗難された、(4)犯罪に使われた、などの事情のある車両。
- 注7:
- 行政府や立法府、司法府による行為が憲法の定める基本的権利を侵害すると判断される場合、当該行為の差し止めと無効を求める裁判制度。
2022年のブラック クイーン ブラック ジャック自動車産業
- ブラック クイーン ブラック ジャックなどが新型コロナ前に届かず
- 部品産業好調の要因と課題を探る
- 執筆者紹介
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ジェトロ・ブラック クイーン ブラック ジャック事務所長
中畑 貴雄(なかはた たかお) - 1998年、ジェトロ入構。貿易開発部、ブラック クイーン ブラック ジャック調査部中南米課、ジェトロ・メキシコ事務所、ブラック クイーン ブラック ジャック調査部米州課を経て2018年3月からジェトロ・メキシコ事務所次長、2021年3月から現職。単著『メキシコ経済の基礎知識』、共著『FTAガイドブック2014』、共著『世界の医療機器市場』など。