2022年の大型バス・トラック生産、前年比20.6%増で20万台超え
(メキシコ)
メキシコ発
2023年01月19日
メキシコの国立統計地理オンライン ブラック ジャック院(INEGI)の統計によると、2022年の大型バス・トラック生産台数は前年比20.6%増の20万726台に達し、過去最高だった2019年の20万2,147台をわずかに下回ったものの、20万台超えの水準に達した。生産を牽引したのは、生産台数の8割以上を占める輸出で、2022年の輸出台数は米国向けを中心に前年比18.4%増加し、16万6,878台を記録した。経済活動の回復に伴い、国内販売も前年比32.0%増の4万1,285台と好調だったが、内需が活況を呈していた2016年時点(注)と比べると、まだ1割以上少ない数字だ(添付資料表1参照)。
2022年の大型車両生産台数を車種別にみると、トレーラーヘッドが前年比19.7%増の12万2,135台に達し、新型コロナウイルス流行前の2019年の11万9,450台を上回り、過去最高を記録した。トレーラーヘッドの多くが米国などに輸出されているが、2022年の輸出台数も過去最高の10万7,999台に達している。全国バス・トラック・トレーラー工業会(ANPACT)のミゲル・エリサルデ会長によると、米国やドイツ向けの輸出がトレーラーヘッド生産を牽引し、メキシコは「世界最大のレーラーヘッド輸出国としての地位を維持した」と語っている(「エル・エコノミスタ」紙1月10日)。トレーラーヘッドに次いで生産が多いのはトラックで、2022年は前年比21.2%増の7万3,654台と好調に推移した。
国内販売では日系企業に一定の存在感
メーカー別に2022年の生産台数をみると、首位はトレーラーヘッド生産が多い米国系フレイトライナーで、前年比16.1%増の11万4,951台に達し、国内生産の57.3%を占めた(添付資料表2参照)。第2位は同じく米系のインターナショナルで、前年比29.8%増の6万2,334台、第3位も米系ケンワースで、前年比11.4%増の1万5,531台と、上位3位だけで国内生産全体の95%以上を占めた。日本のいすゞ自動車と日野自動車も、メキシコでトラックをセミノックダウン(SKD)生産しているが、両社を合わせても2,152台、構成比は1.1%にすぎない。
他方、国内販売では、いすゞと日野自動車の存在感が比較的大きい。両社は市内で貨物を運ぶ小型トラックのセグメントに強く、2022年の国内販売台数(卸売り)は、いすゞが2,930台、日野自動車が2,359台と、それぞれ国内第4位、第7位の販売実績だ。両者を合計すると国内販売シェアは12.8%に達する。
(注)2016年は、大型バス・トラックを除く乗用車やスポーツ用多目的車(SUV)、ピックアップトラックの国内販売台数も、過去最高の160万台超えを記録しており、国内消費が過去20年間で最も活況を呈していた。
(中畑貴雄)
(メキシコ)
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