ブラック ジャック 勝率,700万ポンドの投資決定
(英国)
ロンドン発
2022年08月08日
英国政府は8月4日、革新的なバイオマス技術開発支援のため総額3,700万ポンド(約60億3,100万円、1ポンド=約163円)の投資を行うことを発表した。このうち3,200万ポンドはバイオマスを増産する新たな手法を開発するための「バイオマス原料イノベーションプログラム」第2フェーズの12プロジェクトへ、500万ポンドは持続可能なバイオマス原料や廃棄物からクリーンな燃料の水素を製造する「水素BECCS(炭素回収・貯留型バイオマス発電)プログラム」第1フェーズの22プロジェクトにそれぞれ提供する。両プログラムへの資金提供は「グリーン産業革命のための10項目の計画(2020年11月20日記事参照)」に基づいて設立した総額10億ポンドの投資ファンド「ネットゼロ・イノベーション・ポートフォリオ」を通じて実施する。
バイオマス発電は2020年の英国の発電電力量の12.6%を占める。政府はバイオマス発電をエネルギー安全保障強化の重要な要素の1つに位置付けている。グレック・ハンズ・エネルギー担当閣外相は「バイオマスのような国内生産できる再生可能エネルギーの普及を加速させることは、高価で変動性の高い化石燃料への依存を終わらせるための重要な要素」と述べた。
今回のイノベーションプログラムには、企業のほか、大学や研究機関の参画も目立つ。今回の政府発表に合わせ、英国生態学・水文学センターは同日、バイオマス原料栽培試験によりネットゼロ達成に向け貢献すると発表した。同センターは「バイオマス原料イノベーションプログラム」で助成を受けた研究プロジェクト「BioFIND」を率いており、同プロジェクトでは国内8つの試験サイトで複数のバイオマス向け植物の栽培比較を行う。
同センターのジャネット・ウィテカー博士は、バイオマス作物を持続的に栽培することはプロセスの一部にすぎず、バイオエネルギーの生産を通じて温室効果ガスの全体的な削減を達成するには、その後の燃焼過程で放出される二酸化炭素を回収して貯蔵する技術的能力を有する発電所に依存すると説明し、BECCSの重要性を強調した。
(菅野真)
(英国)
ビジネス短信 5771bc6490fc2d74