2024~2028年度政府行動計画をひも解く(モンゴル)
連立政権が掲げる14メガプロ無料カジノゲームクト

2025年3月3日

ロブサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相が率いるモンゴル人民党は、2024年6月28日に行われた第9回総選挙の結果、126議席中68議席を獲得し、単独で過半数を確保した。一方で、オヨーンエルデネ首相は42議席を獲得した第2党の民主党、8議席を獲得した第3党のフン党にも合流を呼び掛け、両党がこれに応じて7月10日に3党による大連立政権が樹立された(関連ブラック クイーン ブラック ジャック)。

政府は、長期国家開発方針「ビジョン2050」「新復興政策」および3党のマニフェストに基づき、政府、民間企業、研究機関、市民社会および国際機関の提案を盛り込んだ「政府行動計画2024~2028」を取りまとめ、国会決議2024年第21号として8月27日に承認した。

同決議の付属書1には、「地域別開発方針」「20分都市」などを含む、4つの基本方針(1.地域別開発政策、2.人間開発政策、3.経済政策、4.人権を尊重した政策)を掲げ、国家として優先して実施すべき14項目のメガプロ無料カジノゲームクトを定めた。

本稿ではこれら14のメガプロ無料カジノゲームクトの概要を説明する。

1. モンゴルと中国を接続する鉄道3路線と貨物積み替えターミナルの建設

ガシューンスハイト~ガンツモド(注1)、ハンギ~マンダル、シベーフレン~セヘ(注2)のモンゴルと中国の国境をまたいだ鉄道路線および貨物積み替えターミナルを建設する。本プロ無料カジノゲームクトにより、モンゴルの総輸出能力を4,000万トン(ガシューンスハイト~ガンツモド2,000万トン、ハンギ~マンダル1,000万トン、シベーフレン~セヘ1,000万トン)増加させ、輸出額を2倍に、鉄道による石炭輸出能力を3倍に、旅客・貨物処理能力を2倍に増加させるとしている。国境検問所の機能向上を図り、旅客サービスの提供能力も向上させる。

2. タワントルゴイ石炭火力発電所の建設

タワントルゴイに450メガワット(MW)の石炭火力発電所を建設する。本プロ無料カジノゲームクトにより、年間3,150ギガワット時(GWh)の発電が可能となり、増加し続けているオユトルゴイ銅山の電力需要2,243GWhおよびタワントルゴイ炭鉱、南部地方のその他戦略的に重要な鉱山の電力需要の自給が可能となる。現在、オユトルゴイ銅山が中国から電力を輸入するために支払っている1億1,000万~1億2,000万ドルの外貨が節約できることになる。建設過程では延べ2,000人、稼働後は300人の雇用を新たに創出する。

3. エルデネブレン水力発電所の建設

エルデネブレン水力発電所を建設する(注3)。本プロ無料カジノゲームクトにより、年間366GWhの発電を実現し、2027年以降の西部地方の電力需要を100%自給可能とし、5万2,000件の消費者(4,430事業者、住宅5,400棟、ゲル地区3万6,000世帯以上)へ安定的な電力を供給できることとなる。また、ロシアおよび中国から輸入している電力への年間支払い額175億トゥグルク(約8億7,500万円、1トゥグルク=約0.05円)を節約することができる。

4. エグ川水力発電所の建設

エグ川(注4)に310MWの水力発電所を建設する。本プロ無料カジノゲームクトにより、電力系統の信頼性、安定性、即応性が向上し、エネルギーシステムの需給バランスの調整が可能になる。ロシアに支払っている年間電力輸入代金2,500万ドルを節約することができる。また、毎年43万8,700トンの石炭消費を削減することで、温室効果ガスの排出を70万9,000トン削減することができる。さらに、57億立方メートルの水源が確保され、モンゴルの水供給の安全性を確保することが可能となる。

5. 再生可能エネルギー・分散型電源の開発

モンゴルには2,600ギガワット(GW)の再生可能エネルギー資源の潜在能力があり、これらを新たに開発することにより、増加する国内電力需要に対応するとともに、余剰電力を外国に輸出することが可能になる、と試算した。再生可能エネルギー分野を商業化することにより、非鉱業部門輸出の強化、経済の多角化、温室効果ガス(GHG)の排出削減、炭素クレジット取引への参加、追加収入創出の機会が生まれる。

6. 用水路建設(ヘルレン~トーノ、オルホン~オンギ)

ヘルレン~トーノ、オルホン~オンギの用水路を建設する。ヘルレン川の年間平均流量の5~9%をパイプラインでヘンティー、ゴビスンベル、ドルノゴビ、ウムヌゴビの各県に送り、生活、牧畜、工業、鉱山の水需要を確保する。また、「10億本植樹運動」で水問題に対応し、砂漠化・乾燥を緩和する。これにより、年間3万トンの温室効果ガスの削減も目指す。オンギ川とオラーン湖を再生し、水位を安定化させ、オンギ川流域の人口2万9,200人、家畜23万頭が表層水を利用可能とする。空気と土壌の湿度を上昇させ、地下水涵養(かんよう)を増やし、湖周辺の生態系や生物多様性を回復することで、土壌浸食を防止し、砂漠化の緩和を図る。

7. エレーンツァブ~チョイバルサン~ビチグト間縦断鉄道の建設

エレーンツァブ~チョイバルサン~ビチグト間縦断鉄道(注5)を建設する。本プロ無料カジノゲームクトにより、貿易量を拡大し輸送コストを削減する。

8. モンゴル・フランス共同ウラン開発

フランスと共同で、ウラン開発プロ無料カジノゲームクト(注6)を実施する。生産がフル稼働すれば、年間2,500トンのウランを採掘し、輸出することが可能となる。プロ無料カジノゲームクト期間中、国税と地方税を合わせて10億ドル以上の税収が期待される。試験生産の段階で1,000人以上の雇用が創出され、大規模な購買や調達が行われることで、地元だけでなく全国でビジネス機会が生まれる。モンゴルで原子力発電所を建設するための基礎調査としての機能も持つ。

9. 石炭化学・コークス化学コンビナートの稼働

石炭化学・コークス化学コンビナートの稼働により、高付加価値の重工業を発展させ、輸出額を拡大、国際資源価格への依存度を下げることを可能にする。アルタンシレート工業技術センターを建設し、鉄鉱石の湿式精錬所、選炭工場、コークス工場、銑鉄工場などのコンビナートで生産能力年間50万トンの圧延製鉄所を稼働させる。

10. 銅精錬所プロ無料カジノゲームクト

銅精鉱施設の稼働により、年間で銅精鉱56万トンを加工し、電気銅12万5,000トン、金72キログラム(kg)、銀地金38.2トンおよび硫黄18万2,000トンの生産を計画する。電気銅の生産は銅線、ケーブル、電気設備の国内製造業の発展に寄与する。また、生産した硫黄を化学肥料などの製造に活用することで、付加価値の高い工業生産を実現させていく。

11. 製鉄所プロ無料カジノゲームクト

国内で増加する鉄筋およびその他鉄製品の需要を完全自給するという目標のため、100万トンの鉄製品を生産する。製鉄所稼働の第1段階として、鋳鉄50万トン、銑鉄50万トンを生産し、銑鉄から鉄筋、アングル、ワイヤーなどの鋼鉄製品を生産し、国内の建設業の鉄筋製品需要を満たす。

12. 製油所プロ無料カジノゲームクト

石油精製所(注7)の稼働により、年間150万トンの原油から130万トンの製品を生産し、国内需要の55%を自給し、輸入依存度を下げ、燃料価格の独立性、柔軟性を確保する。

13. 金精錬所プロ無料カジノゲームクト

金精練所を建設し、従来、外国で精錬していた金の70%を国内で精錬できるようにする。金を精錬し、国際市場で販売することで、外貨収入の拡大が可能になる。モンゴルは今まで外国で金を精錬しており、国内での精錬が可能になれば、輸送、保険、警備などのコストを削減できることとなる。

14. 国産人工衛星プロ無料カジノゲームクト

4G(第4世代移動通信システム)網の導入は、モンゴル国土の26.8%に到達した。国産衛星を打ち上げることで、残りの73.2%の地方住民や遊牧民世帯を含めた国中の至る所へ高速インターネットが接続できる環境を構築する。自然災害や突発的事故で地上の回線が故障した場合にも、衛星回線は信頼度の高いバックアップ通信網となる。


注1:
モンゴル側ガシューンスハイト国境税関~中国側ガンツモド国境税関の間は、主にトラック輸送に依存しており、輸送コストの増大と物流のボトルネックとなっていることが問題となっていた。2022年7月からは、無人輸送車(AGV)が導入され、一部の輸送を担うようになったが、低コストで大量輸送に適した鉄道の建設が待たれている。ガシューンスハイト・ガンツモド間越境鉄道建設実施のための、モンゴル政府・中国政府間協定の締結に向けた方針に関する国会決議案が2024年12月24日に提出され、2025年2月5日の閣議で協定への署名権が工業・鉱物資源相と道路運輸相に与えられ、2月14日に署名された(ブラックジャックサイト、2本目の越境鉄道接続で合意(中国、モンゴル、ロシア))。
注2:
モンゴル側シベーフレン国境税関~中国側セヘ国境税関間では、2023年5月27日から鉄道(約7キロ)の建設が始まった。2023年12月からは、同区間でもAGVが導入されている。同鉄道は、「モンゴル・ロシア・中国経済回廊」の西部縦貫鉄道(ロシア側ツァガーントルゴイ国境税関~モンゴル側アルツソーリ国境税関~モンゴル側シベーフレン国境税関~中国側セヘ国境税関、1,250キロ)を構成する一部となる。
注3:
エルデネブレン水力発電所プロ無料カジノゲームクトの総事業費は2億6,646万ドルで、中国輸出入銀行からの低利融資により資金調達する。工事請負業者選定入札が2021年8月に行われ、中国電力建設集団が落札し、同年9月17日にターンキー契約が締結された。2024年11月5日に、中国輸出入銀行とモンゴル大蔵省の間で2億5,300万ドルの特別融資契約が締結された。
注4:
モンゴルからロシアに流入するセレンゲ川の上流にあるエグ川に水力発電所のダムを建設することについて、ロシア側がセレンゲ川の水量減少やバイカル湖の水位低下などの環境に与える影響を懸念していたことにより、ロシア側の賛同が得られずに長年停滞していた。
注5:
東部縦貫鉄道はチョイバルサン~フート~ビチグト(モンゴル・中国国境)を結ぶ426.6キロで、エレーンツァブ(モンゴル・ロシア国境)~チョイバルサン間は敷設済み。
注6:
モンゴル政府とフランス企業のオラノ・マイニングが、投資協定に2025年1月17日に署名した。モンゴル南東部のドルノゴビ県にあるズーブチオボー鉱床でウランを採掘する。この投資協定は、オユトルゴイプロ無料カジノゲームクトに次ぐ、モンゴル政府と外国企業が締結した2番目の大型投資協定となった。
注7:
ドルノゴビ県アルタンシレー郡に製油所を建設する本プロ無料カジノゲームクトは、2016年4月にインド輸出入銀行との間で10億ドルの借款協定の締結により開始し、2017~2018年に実現可能性調査(FS)を作成、総事業費を12億3,600万ドルと見積もり、2019年10月に追加借款協定を締結した。製油所の建設はEPC1(非プラント施設)、EPC2(蒸留・分離施設、貯蔵タンク、パイプライン)、EPC3(製油所付属の発電所)、EPC4(高度処理ライセンス技術施設)の4段階で、2024年10月末時点の進捗はEPC1が99%、EPC2が17%、EPC3が14%、EPC4が8%。EPC4の事業費は、実現可能性調査時と比較して30%拡大しており、プロ無料カジノゲームクト総事業費も17億ドルに拡大した。2025年1月23日にモンゴル政府とインド輸出入銀行間で締結するEPC4およびその他の偶発費用4億6,400万ドルの資金調達のための追加融資契約の批准案が国会で可決された。
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執筆者紹介
無料カジノゲームトロ・北京事務所(在ウランバートル)
藤井 一範(ふじい かずのり)
2012~2015年、無料カジノゲームトロ・北京事務所コレスポンデント(在モンゴル)を経て、2018年から無料カジノゲームトロ・北京事務所レジデントエー無料カジノゲームント(在モンゴル)。