日本へのテ無料 カジノ ゲームラブーム到来(メキシコ)
関係者が語る、確かな勢い

2024年10月16日

メキシコのテ無料 カジノ ゲームラ評議会(el Consejo Regulador del Tequila A.C.)が発表した統計データ(スペイン語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、テ無料 カジノ ゲームラの生産量は、2020年の新型コロナ禍を境に大きく増加した。その後、2022年にピークを迎え、2023年には前年比で約8%減少しているが、それでも2018年と比較すると、約2倍の生産量となっている。同様の傾向は、テ無料 カジノ ゲームラの輸出量の推移にもみられるものだ(図1参照)。

図1:テ無料 カジノ ゲームラの生産量と輸出量
2018年の生産量は3億910万リットル、輸出量は2億2410万リットル。2019年の生産量は3億5170万リットル、輸出量は2億4670万リットル。2020年の生産量は3億7400万リットル、輸出量は2億8670万リットル。2021年の生産量は5億2700万リットル、輸出量は3億3940万リットル。2022年の生産量は6億5140万リットル、輸出量は4億1890万リットル。2023年の生産量は5億9870万リットル、輸出量は4億140万リットル。無料 カジノ ゲームの1月から8月までの生産量は3億4960万リットル、輸出量は2億6770万リットル。

注:「100%アガベ」と「ミックス」の合算値を表示している。
出所:テ無料 カジノ ゲームラ評議会

他方で、メキシコからのテ無料 カジノ ゲームラ輸出量上位10カ国に着目すると、2022年から2023年にかけては輸出量が減少する国がみられる中で、前年比53.6%増という日本向けの輸出増が際立っている(表参照)。輸出金額ではなく、輸出数量(リットル)の増加である点を考慮すると、2022年から2023年にかけては、日本で消費されるテ無料 カジノ ゲームラの量が大きく増加したということが言える。すなわち、この現象を「日本へのテ無料 カジノ ゲームラブームの到来」と言い換えることができるのではないだろうか。

表:メキシコからのテ無料 カジノ ゲームラ輸出量上位10カ国 (単位:100万リットル)(△はマイナス値)
順位 国名 2023年 2022年 2022年→
2023年の増減
2023年/
2022年比
1 米国 321.55 338.44 △ 16.88 △5.0%
2 スペイン 8.30 8.94 △ 0.64 △7.1%
3 ドイツ 8.06 10.31 △ 2.25 △21.9%
4 フランス 6.24 5.37 0.87 16.2%
5 英国 5.48 5.14 0.35 6.8%
6 カナダ 4.62 4.82 △ 0.20 △4.2%
7 イタリア 4.32 4.19 0.13 3.0%
8 無料 カジノ ゲーム 3.84 2.50 1.34 53.6%
9 コロンビア 3.52 4.20 △ 0.68 △16.3%
10 オーストラリア 3.38 4.15 △ 0.78 △18.7%

注:「100%アガベ」と「ミックス」の合算値を表示している。
出所:テ無料 カジノ ゲームラ評議会

本稿では、業界関係者や、日本でテ無料 カジノ ゲームラの販売を手掛けている企業へのインタビューを通じ、この「テ無料 カジノ ゲームラブーム」の背景や、その到来に伴う社会の変化について明らかにしたい。

テ無料 カジノ ゲームラについて

テ無料 カジノ ゲームラという名称は、メキシコ中部ハリスコ州内の地域「テ無料 カジノ ゲームラ」に由来するものだ。一部の例外(注1)を除き、同地域を原産地として、生育に6~10年を要する「ブルーアガベ(リュウゼツラン科の植物)」を原料として生成された蒸留酒だけが、テ無料 カジノ ゲームラという呼称を与えられる。生成過程では最低でも2回の蒸留を経る必要があり、市販のテ無料 カジノ ゲームラの多くが40%程度のアルコール度数で商品化されている。ブルーアガベのみを原料とする純度の高いテ無料 カジノ ゲームラは、「ブルーアガベ100%」または単に「100%」などと表記される高級品だ。対して、ブルーアガベが51%以上で、残りに廃糖蜜などが使われているテ無料 カジノ ゲームラには、「ミックス」あるいは単に「テ無料 カジノ ゲームラ」という名称が用いられ、販売価格も比較的リーズナブルなものとなる。本稿では、前者を「100%アガベ」、後者を「ミックス」と表記する。

世界のトレンドとは異なる無料 カジノ ゲーム市場

ここ数年間でのテ無料 カジノ ゲームラの生産量と輸出量の増加については、先述した通りだ。しかしながら、ここで「100%アガベ」と「ミックス」の種別でこれらの内訳を見ると、より高級な「100%アガベ」の増加が著しいことが分かる(図2、図3参照)。

図2:テ無料 カジノ ゲームラの種別生産量
2018年の生産量は100%アガベが1億7010万リットル、ミックスが1億3900万リットル。2019年の生産量は100%アガベが2億750万リットル、ミックスが1億4420万リットル。2020年の生産量は100%アガベが2億2830万リットル、ミックスが1億4560万リットル。2021年の生産量は100%アガベが3億6580万リットル、ミックスが1億6120万リットル。2022年の生産量は100%アガベが4億7040万リットル、ミックスが1億8100万リットル。2023年の生産量は100%アガベが4億2720万リットル、ミックスが1億7150万リットル。無料 カジノ ゲーム1月から8月までの生産量は100%アガベが2億4130万リットル、ミックスが1億830万リットル。

出所:テ無料 カジノ ゲームラ評議会

図3:テ無料 カジノ ゲームラの種別輸出量
2018年の輸出量は100%アガベが1億1530万リットル、ミックスが1億890万リットル。2019年の輸出量は100%アガベが1億2990万リットル、ミックスが1億1670万リットル。2020年の輸出量は100%アガベが1億6360万リットル、ミックスが1億2310万リットル。2021年の輸出量は100%アガベが2億1110万リットル、ミックスが1億2820万リットル。2022年の輸出量は100%アガベが2億6670万リットル、ミックスが1億5220万リットル。2023年の輸出量は100%アガベが2億6480万リットル、ミックスが1億3660万リットル。無料 カジノ ゲーム1月から8月までの輸出量は100%アガベが1億7800万リットル、ミックスが8970万リットル。

出所:テ無料 カジノ ゲームラ評議会

つまり、世界のテ無料 カジノ ゲームラ市場においては、より高級な「100%アガベ」がトレンドとなっている。一方で、日本への輸出量内訳に着目すると、この関係が逆転していることが分かる(図4参照)。

図4:日本へのテ無料 カジノ ゲームラの種別輸出量
2021年の輸出量は100%アガベが32万4000リットル、ミックスが125万1000リットル。2022年の輸出量は100%アガベが61万4000リットル、ミックスが188万9000リットル。2023年の輸出量は100%アガベが86万7000リットル、ミックスが297万7000リットル。無料 カジノ ゲーム1月から8月までの輸出量は100%アガベが91万1000リットル、ミックスが174万3000リットル。

出所:テ無料 カジノ ゲームラ評議会

2022年から2023年へかけては両者の差が大きく開いたものの、2024年に入ってからは、「ミックス」に比べて「100%アガベ」の輸出量の伸びが大きい。これらの事象から、日本市場へのテ無料 カジノ ゲームラ輸出に関して言えることとして、以下の2点が挙げられる。

  • 2023年までは、よりリーズナブルな価格の「ミックス」が主流であった。
  • 「100%アガベ」は、2023年まで堅調に伸びていることに加え、2024年は前年の輸出量を大きく上回る見通しである。

1点目に関しては、他国と比較した際の価格硬直性の高さが指摘されることが多い日本市場の特性や、近年進行した大幅な円安による輸入コストの増加などを踏まえても、それらと矛盾しない傾向と言えるだろう。他方で、2点目に関しては、「テ無料 カジノ ゲームラブーム」を経ての新しい傾向であり、日本の消費者の関心がより高い純度の高級テ無料 カジノ ゲームラへ集まりつつある状況を象徴しているものと考えられる。

パイオニアが語る「テ無料 カジノ ゲームラブーム」

日本市場にテ無料 カジノ ゲームラの魅力を伝える目的で発足した、日本テ無料 カジノ ゲームラ協会の会長を務める林生馬(はやしいくま)氏に、昨今の「テ無料 カジノ ゲームラブーム」の背景とその影響を伺った(2024年9月18日)。林氏は、新型コロナ禍以降の日本での「テ無料 カジノ ゲームラブーム」は、ここ十数年間でも類を見ない現象であり、メキシコでの物価高や円安などの逆風の中でこれだけ市場が伸びたという点で非常に意義深いものだ、と語る。かつては「ナイトクラブでのパーティードリンク」としての消費が中心となっていたテ無料 カジノ ゲームラだが、新型コロナ禍でのロックダウンによって状況が一変した。「大人数で楽しい時間を共有するための外飲み用のお酒」ではなく、「少人数でリラックスした時間を過ごすための家飲み用のお酒」としての認知が広がる過程で、より味わい深く高価な「100%アガベ」の需要が徐々に高まったのだと推測される。

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ブルーアガベ畑を訪れた際の林会長(日本テ無料 カジノ ゲームラ協会提供)

もとよりテ無料 カジノ ゲームラは、日本ではあまりなじみがないものの、海外では高いステータスを獲得している酒類だ。テ無料 カジノ ゲームラの全輸出量の8割が集中する米国や、欧州といった地域では、いわゆるセレブが自らのテ無料 カジノ ゲームラブランドを立ち上げるケースも増加している()。関連して、東京都内で米国人を筆頭に多くの外国人住民を抱える港区では、20~30種類の「100%アガベ」を取りそろえるリカーショップを見かけることも珍しくはない。主には外国人住民がターゲットであると推測されるが、区内の日本人がプレミアムテ無料 カジノ ゲームラに触れる機会も自然と多くなる。また、定型のボトルが存在しないというのもテ無料 カジノ ゲームラの特徴の1つであり、新ブランドの立ち上げは、すなわち新しい金型の製造を意味する。そのため、プレミアムテ無料 カジノ ゲームラは、そのボトルデザインも洗練されたものが多く、おしゃれなお酒としての地位の向上に一役買っている。こういった海外におけるテ無料 カジノ ゲームラの評判について、SNSなどを通じて敏感にキャッチした若年層が「テ無料 カジノ ゲームラブーム」の原動力となったという見方もあるようだ。

これらの「テ無料 カジノ ゲームラブーム」は、日本テ無料 カジノ ゲームラ協会の活動にも影響を及ぼしている。テ無料 カジノ ゲームラの取り扱い店舗が増加するにつれて、同協会が開催する講座「テ無料 カジノ ゲームラ・マエストロ(注2)」の参加申し込み数も増加しており、バーテンダーや、酒類の販売担当者などが多く訪れているという。また、近年では在日メキシコ大使館などの組織もテ無料 カジノ ゲームラをプロモーションするためのイベントを継続的に開催しており、林氏がセミナーで登壇し、各種の講演を行うこともある。

日本でのさらなるテ無料 カジノ ゲームラ普及へ向けた今後の課題として、林氏は、リーズナブルな「ミックス」と高級な「100%アガベ」の味の違いを浸透させることを掲げている。10年前に比べれば、ブレンドされる廃糖蜜の質の改善に伴い、「ミックス」の味わいや風味もかなり向上しているものの、トップカテゴリーの「100%アガベ」が持つおいしさが広い層に認知されない限り、同じ蒸留酒のウイス無料 カジノ ゲームのように定着することは難しいだろう、と林氏は語る。

市場プレーヤーが語る「テ無料 カジノ ゲームラブーム」

「テ無料 カジノ ゲームラブーム」の波に乗る形で、ここ数年でその販売体制を強化している代表的な企業がアサヒビールだ。同社が取り扱う「クエルボ」と「1800テ無料 カジノ ゲームラ」のブランドマネージャーを務める坂本佳史(さかもとよしふみ)氏に話を伺った(2024年9月19日)。

「クエルボ」は、200年超の歴史を誇るテ無料 カジノ ゲームラのトップブランドであり、メインを張る「クエルボ・エスペシャル(ミックス)」、伝統製法によりフルーティーな味わいの「クエルボ・トラディショナル(100%アガベ)」に加え、飲みやすさを追求したアジア市場専用のマルガリータリキュール「クエルボ・マルガリータ」などを取りそろえる。多くの製品がリーズナブルな価格設定となっており、ショットだけではない、ロングカクテル(注3)といったライトな飲み方を積極的に提案することで、テ無料 カジノ ゲームラ初級者に対してその裾野を広げる役割を担っている。


「クエルボ」を使ったロングカクテル各種(アサヒビール提供)

片や「1800テ無料 カジノ ゲームラ」は、「100%アガベ」を代表するプレミアムブランドで、より芳醇で豊かな味わいを求める層の期待に応える製品が並ぶ。アサヒビールは、2024年の事業方針として、酒類カテゴリーを横断しての「High-Valueカテゴリー」への注力を掲げている。テ無料 カジノ ゲームラに関しては、2024年7月から1本2万円を超える「1800ミレニオ」の発売が開始されるなど、間違いなくその中心に位置するカテゴリーだ。メキシコの「死者の日(注4)」に合わせて開催しているプロモーションイベントも、年々その規模を拡大しているという。


2024年7月から販売開始された「1800ミレニオ」
(アサヒビール提供)

「死者の日」限定ラベルを施した「クエルボ・
エスペシャル」(アサヒビール提供)

テ無料 カジノ ゲームラのプロモーションにあたってアサヒビールが目指すのは、「日常的に家に置いてあるお酒」としての地位の確立である、と坂本氏は語る。特にテ無料 カジノ ゲームラは、かつてのパーティードリンクとしてのイメージが強く、その名前を聞いただけで嫌悪感を示す日本人も多いことから、まずはそのネガティブなイメージを払拭するため、音楽フェスなどのイベント・店頭や飲食店などでのプロモーション活動にも力を入れているという。


新宿で実施された「1800テ無料 カジノ ゲームラ」のデジタルサイネージ(アサヒビール提供)

終わりに

本稿の執筆にあたって最も印象的だったのは、インタビューを行った林氏、坂本氏に対して「日本へのテ無料 カジノ ゲームラブームの到来を実感されているか」という質問をしたところ、お二人から力強い賛同をいただけたことだ。それほどに、現在までの日本市場へのテ無料 カジノ ゲームラの流入量の増加は「異様」なものであり、そこには確かな勢いが存在する。先述したように、日本は、テ無料 カジノ ゲームラに対してネガティブなイメージが先行する特殊な市場ではあるものの、本稿がテ無料 カジノ ゲームラへの関心を促す1つのきっかけとなれば幸いである。


注1:
ハリスコ州以外にも、グアナファト州、タマウリパス州、ナヤリ州、ミチョアカン州で生育されたブルーアガベを使用する必要がある。
注2:
テ無料 カジノ ゲームラの歴史、製法、原料、蒸留所、のみ方などを学ぶための全4回の講座。認定試験に合格することで、「テ無料 カジノ ゲームラ・マエストロ」の資格が取得できる。
注3:
氷入りで、一定時間冷たい状態が保たれることから、ゆっくりと時間をかけて飲むことが一般的とされているカクテルを指す。反対に、氷が入っておらず、ぬるくなる前に飲むことが一般的とされているカクテルをショートカクテルと呼ぶ。
注4:
毎年11月1~2日に開催されるメキシコの風習。死者をしのぶという意味で無料 カジノ ゲームのお盆に近い性質を持つが、より明るい雰囲気で執り行われるのが特徴。
執筆者紹介
ジェトロ調査部米州課 課長代理(中南米)
佐藤 竣平(さとう しゅんぺい)
2013年、ジェトロ入構。経理課、ジェトロ・サンティアゴ事務所長などを経て、2023年9月から現職。