テブラック ジャック ディーラーラ生産量が新型コロナ禍前と比べて倍増、米国セレブ・ブランドも増加

テブラック ジャック ディーラーラ規制評議会（略称：CRT）の統計によると、テブラック ジャック ディーラーラの生産量は急増しており、パンデミック前の数年間は足踏み状態だった生産量は増加に転じ、2022年の生産量は2019年比で約1.9倍に増加した（添付資料図1参照）。

テブラック ジャック ディーラーラの原料となるアガベ（リュウゼツラン科の多肉植物）の生産者も2022年末時点で3万6,000件を超え、2020年の1万8,487件から倍増した（「エル・フィナンシエロ」紙2月14日）。

メキシコ国内で生産されるテブラック ジャック ディーラーラの約61％は世界120カ国に輸出されている。輸出量も右肩上がりで（添付資料図2参照）、2022年の輸出量は4億リットルを超え、2019年と比較し約1.7倍になっている。2022年は、「テブラック ジャック ディーラーラ（注）」の輸出量が約1億5,000万リットルのところ、「アガベ100％テブラック ジャック ディーラーラ（注）」の輸出量は2億6,000万リットルを超える。「アガベ100％テブラック ジャック ディーラーラ」の中でも最も大きい輸出量を占めるのが、樽（たる）熟成しておらず甘味料や着色料も入っていない「テブラック ジャック ディーラーラ・ブランコ（シルバーテブラック ジャック ディーラーラ）」だ。

セレブたちが造るテブラック ジャック ディーラーラも生産量の5％を占める

米国のプロバスケットボール選手や米国の大人気シンガーソングライターが、自身でテブラック ジャック ディーラーラのブランドを立ち上げるケースも増加している。メキシコではこれらセレブのブランドで扱うテブラック ジャック ディーラーラが、メキシコのテブラック ジャック ディーラーラ生産量の5％を占めている。CRTのラモン・ゴンサレス・フィゲロア代表は「彼らも自社ブランドの商品を『テブラック ジャック ディーラーラ』と名乗るにはメキシコの規制を順守しなければならない。メキシコ産のアガベを購入し、メキシコのテブラック ジャック ディーラーラ工場での雇用を生み出し、税金を納めながら、メキシコがこれまでリーチできていなかった国々での売り上げを生み出している。テブラック ジャック ディーラーラ業界にとっては成功といってよいだろう」と述べた（「エル・フィナンシエロ」紙2月14日）。

（注）メキシコ資産産業促進省が1977年に出した「『テブラック ジャック ディーラーラ』の原産地呼称を保護する宣言（以下、宣言）」に基づき、「テブラック ジャック ディーラーラ」と「アガベ100％テブラック ジャック ディーラーラ」は下記の定義を満たさなければ名乗ることができない。本記事では、かぎかっこのついていないテブラック ジャック ディーラーラは「テブラック ジャック ディーラーラ」と「アガベ100％テブラック ジャック ディーラーラ」の両方を指すものとして記載している。

• 「アガベ100％テブラック ジャック ディーラーラ」：宣言において定められた地域内で生産されたブルーアガベ（正式名称：アガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスル）のみを使って製造されるテブラック ジャック ディーラーラのこと。同地域内に位置し、登録生産者の管理下に置かれた工場で瓶詰めされなければならない。
• 「テブラック ジャック ディーラーラ」：原料のうち51％以上にブルーアガベを使用したテブラック ジャック ディーラーラのこと。49％まではアガベ由来でない糖分で発酵を補糖することができるとされている（蒸留後にブルーアガベ以外のスピリッツを足すことはできない）。宣言において定められた地域内に位置する工場か、地域外の場合はメキシコ公式規格（NOM-006-SCFI-2012）の要件を満たした工場で瓶詰めされなければならない。

（渡邊千尋）