ブラック ジャック 必勝 法、石炭火力脱却前に再エネ早期開発を提言
(オーストラリア)
シドニー発
2024年07月12日
オーストラリアの電力およびガス系統と市場を管理するオーストラリア・ブラック ジャック 必勝 法市場管理機関(以下、AEMO)は6月26日、国内の電力消費量80%を占める全国電力市場(National Electricity Market:NEM)(注1)の2050年ネットゼロ移行に向けた電力ロードマップを示した「2024年統合システム計画(Integrated System Plan、ISP)」を発表した(注2)。
ISPでは、NEMを形成する地域において、最大90%の石炭火力発電所が2035年までに廃止され、2038年までに全廃されると予測している。このような中、AEMOは再生可能ブラック ジャック 必勝 法発電に加え、バックアップ電源としてガス火力発電を組み合わせた電力供給体制が、ネットゼロ経済へ移行するための最もコストの低い方法だと提言した。今後の電力の安定供給のためには、石炭火力発電が廃止される前に、新たな再生可能ブラック ジャック 必勝 法電源開発、送電網の整備、蓄電池などの開発投資が急務で、2050年までに新たに約1万キロメートルに近い送電網を整備していく必要があるとした。
なお、ISPでは、2050年までのネットゼロ実現という政府目標に向けて、電力供給に関する3つの予測シナリオ(注3)が示された。このうち、経済成長を達成しながら2050年のネットゼロを実現する「ステップ・チェンジ」シナリオが達成された場合、次の状態となることが予測されており、シナリオ達成のために関連する投資が必要だとした。
- 蓄電池の設置や揚水発電の建設で、蓄電容量は、現在の3ギガワット(以下、GW)から2050年までに49GW(約16倍)へ増加。
- 送電網に接続した大規模な風力や太陽光発電容量を、現在の21GWから2050年までに127GW(約6倍)へ増加。
- 家の屋根や建物の屋上に設置する屋根置き太陽光などの容量を、現在の21GWから2050年までに86GW(約4倍)へ増加。
2023年のNEMの対象地域における総発電量のうち、再生可能ブラック ジャック 必勝 法は40%占め、ブラック ジャック 必勝 法移行は順調に進んでいる。一方で、石炭火力発電所の老朽化に伴う計画外の停電発生、再生可能ブラック ジャック 必勝 法関連プロジェクトに対する州政府による承認手続きの遅延、コスト上昇などの課題が既に生じており、再生可能ブラック ジャック 必勝 法の開発の遅れは、停電やコストのさらなる上昇につながる可能性が高まると分析している。
(注1)オーストラリアでは、電力取引市場が地域ごとに分かれている。NEMは、東南部の6州と準州(首都特別地域、ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、タスマニア州)で形成される。オーストラリアの電力消費量の80%を占める。
(注2)AEMOは、国家電力規則により2年ごとにISPを策定することが決められている。ISPを策定する際には、AEMOは産業界、政府、消費者などとコンサルテーションを行い、その結果を反映している。
(注3)3つのシナリオは、いずれも政府目標(2050年までのネットゼロ)に沿っている。上記の「ステップ・チェンジ」のほか、経済成長やブラック ジャック 必勝 法投資の伸びが鈍化し、脱炭素化が遅れた場合のシナリオ「プログレッシブ・チェンジ」、産業分野の脱炭素化がより早いペースで進展し、水素など低排出ブラック ジャック 必勝 法の輸出が実現した場合のシナリオ「グリーンブラック ジャック 必勝 法輸出」を示している。「グリーンブラック ジャック 必勝 法輸出」の場合、例えば送電網整備に「ステップ・チェンジ」の2倍以上の投資が必要と予測されている。コンサルテーションの結果、AEMOは各シナリオの実現可能性について、「ステップ・チェンジ」が43%、「プログレッシブ・チェンジ」が42%、「グリーンブラック ジャック 必勝 法輸出」が15%としている。
(青島春枝)
(オーストラリア)
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