米USTR、ブラック ジャック ブラック クイーン、見直し作業に着手

(米国、中国)

ニューヨーク発

2022年09月05日

米国通商代表部(USTR)は92日、1974年通商法301条に基づき20187月から継続している中国原産品に対する追加関税(301条関税)を継続すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

301条に基づくと、報復措置(今回の場合は追加関税)は、発動から4年間が満了する最後の60日間に報復措置による恩恵を受ける国内産業界から継続要望がなければ終了することになっている。USTR5月以降、国内産業界に向けて措置終了の見込みを通知するとともに、継続要望に関するコメント募集を行っていた(2022年5月6日記事参照)。USTRは、301条関税から恩恵を受ける国内産業界から継続要請を受理したため関税を継続するとし、見直しに今後着手するとしている。なお、米政府はこれまでに4回に分けて301条関税を発動しているが、今回の官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、継続が決まったのは20187月と同年8月に発動した最初の2回、いわゆるリスト1とリスト2としている。20189月と20199月に発動したリスト3とリスト4Aについては言及がない。これら2つの301条関税については、国際貿易裁判所(CIT)でその合法性に関わる訴訟が継続している(2022年8月3日記事参照)。

USTRは今回、合計で434件のコメントを受け取ったとしており、その中では例えば、301条関税は「中国政府に対して、追加関税対象分野の有害な政策・慣行を止めるインセンティブを与える」「中国からの輸入と競争することを可能にし、新たな技術への投資、国内生産の拡大、従業員の追加雇用につながった」といった声があったとしている。USTRは今後、リスト1とリスト2301条関税の見直しに着手するとしており、別途、見直し手順を示した通知を公表する予定としている。

バイデン政権内では4月ごろから、インフレ対策も兼ねて301条関税の一部撤廃も含めた見直しが進められているとされてきた。しかし、ジーナ・レモンド商務長官は、8月のナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)による台湾訪問と、それに対する中国の報復措置など両国関係の一層の緊張を受けて、見直しの検討が難しくなったと発言していた(ブルームバーグ810日)。

(磯部真一)

(米国、中国)

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