特集:未曽有の危機下で日本企業が模索するブラック ジャック オンラインビジネス中小企業のEC利用拡大意欲が顕著(世界、日本)
2021年3月8日
新型コロナ禍による巣ごもり消費や、オンラインツールを活用したビジネスの浸透を背景に、電子商取引(EC)利用拡大の機運が高まっている。ジェトロが実施したアンケート調査では、とりわけ中小企業のEC利用率および利用拡大意欲が高いという結果が示された。本稿では、なぜ中小企業のEC利用率と利用拡大意欲が高いのか、ブラック ジャック オンラインビジネス形態に注目して考察する。
中小企業のEC利用拡大意欲が顕著
ジェトロが実施した2020年度「ブラック ジャック オンライン事業展開に関するアンケート調査」(以下、本調査。注)によると、国内外の販売でECを利用したことがあると回答した企業の割合(=EC利用率)は、33.3%を占めた(図1参照)。規模別にみると、大企業では28.0%、中小企業では34.3%だった。
また、今後ECの利用を拡大すると回答した企業は全体で43.9%に上った。規模別にみると、大企業では28.5%、中小企業では46.7%と、20ポイント近い差が見て取れた。
ブラック ジャック オンラインビジネス形態の違いがEC拡大意欲に影響
なぜ中小企業のEC利用率とEC利用拡大意欲が、大企業に比べて高かったのかを考えるため、本調査回答企業のブラック ジャック オンラインビジネス形態をみてみる。本調査への回答企業のうち、大企業ではブラック ジャック オンライン拠点を保有する企業(=ブラック ジャック オンライン進出企業)が大半を占める。一方、中小企業ではブラック ジャック オンライン進出実績がなく、輸出・輸入を行っている企業(=輸出・輸入企業)の比率が高かった(図2参照)。
ここで、ブラック ジャック オンラインビジネス形態ごとのEC利用率とEC利用拡大意欲をみる。企業規模にかかわらず、ブラック ジャック オンライン進出企業よりも、輸出・輸入企業で同比率が高い傾向がみられた(表1、2参照)。つまり、図1のデータは、大企業ではブラック ジャック オンライン進出企業の傾向が、中小企業は輸出・輸入企業の傾向が強く反映された結果になっているため、中小企業のEC利用率・EC利用拡大意欲が高く示された可能性がある。
項目 | 社数(n) | ECを利用したことがある | 今後EC利用を拡大する | ECを利用したことがなく、今後も利用予定はない |
---|---|---|---|---|
全体 | 410 | 28.0 | 28.5 | 59.0 |
ブラック ジャック オンライン進出企業 | 310 | 28.7 | 27.7 | 59.7 |
輸出・輸入企業(ブラック ジャック オンライン進出はしていない) | 47 | 46.8 | 51.1 | 31.9 |
国内企業(ブラック ジャック オンラインビジネスを行っていない) | 29 | 6.9 | 20.7 | 69.0 |
その他 | 24 | 8.3 | 4.2 | 91.7 |
注1:nは本調査の回答企業総数。
注2:各ビジネス形態の説明は図2注2に同じ。
出所:2020年度「日本企業のブラック ジャック オンライン事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)
項目 | 社数(n) | ECを利用したことがある | 今後EC利用を拡大する | ECを利用したことがなく、今後も利用予定はない |
---|---|---|---|---|
全体 | 2312 | 34.3 | 46.7 | 39.4 |
ブラック ジャック オンライン進出企業 | 656 | 31.9 | 41.9 | 46.0 |
輸出・輸入企業(ブラック ジャック オンライン進出はしていない) | 1323 | 40.6 | 51.3 | 33.3 |
国内企業(ブラック ジャック オンラインビジネスを行っていない) | 275 | 14.5 | 38.5 | 48.4 |
その他 | 58 | 12.1 | 32.8 | 62.1 |
注1:nは本調査の回答企業総数。
注2:各ビジネス形態の説明は図2注2に同じ。
出所:2020年度「日本企業のブラック ジャック オンライン事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)
ブラック ジャック オンライン拠点を持たない輸出・輸入企業は、すでにブラック ジャック オンライン拠点を有する企業に比べ、ブラック ジャック オンライン市場へのアクセス手段が限られる。そのため、ブラック ジャック オンライン販路の開拓・拡大の新たな手段として、越境ECにより注力する傾向が表れたものと考えられる。また、ECは、ブラック ジャック オンライン進出に比べると設備投資などのコストをおさえて利用できるという特徴がある。さらに、米中貿易摩擦や新型コロナなど、ブラック ジャック オンライン進出のリスクが高い状態が続いていることもあり、ブラック ジャック オンライン進出ではなくECでブラック ジャック オンラインビジネス拡大を目指す企業が存在している側面もある。実際に、本調査で新型コロナなどによる販売戦略の見直しの方針を尋ねたところ、「ブラック ジャック オンライン市場向けにECの導入を決めた」「越境ECサイトのリニューアル・充実度改善を図った」などのコメントがあった。
見方を変えれば、ブラック ジャック オンライン進出企業は現地拠点での販売など、EC以外の拡大手段を有するため、相対的にEC活用意欲が小さくなると考えることもできる。さらに、世界のEC市場は拡大しているものの(特集:未曽有の危機下で日本企業が模索するブラック ジャック 必勝)、足元では世界の小売額全体に占めるEC小売額の割合は2割弱に過ぎない。現時点では、既存の販売手段を活用した方が顧客にリーチしやすい、という事情もあるだろう。
大企業ではECでブラック ジャック オンライン拠点を活用する比率が高い
ECの利用状況をみても、企業規模による差がみられる。ECの利用状況を尋ねたところ、ブラック ジャック オンライン向け販売でECを利用していると回答した比率は大企業が62.6%、中小企業が65.3%と大きな差はみられない(図3参照)。しかし、ブラック ジャック オンライン向け販売について具体的な手段を尋ねると、日本国内からブラック ジャック オンラインへの販売(越境EC)と、ブラック ジャック オンライン拠点での販売で、企業規模による回答比率の差がみられた。
越境ECの利用率は、大企業が34.8%、中小企業が47.0%と、中小企業の利用率が10ポイント以上高い。他方、ブラック ジャック オンライン拠点での販売については大企業が39.1%と、中小企業(20.8%)に比べて20ポイント近く高かった。前述のビジネス形態の違いから、大企業ではブラック ジャック オンライン拠点を活用したECの利用が多いことが示唆される。
ブラック ジャック オンラインビジネス形態によるEC利用意欲の差は今後も持続するか
本調査では、中小企業のEC利用拡大意欲が高い、という結果が示された。データを読み解くと、本調査に回答した大企業と中小企業のブラック ジャック オンラインビジネス形態に特徴がみられ、その差がEC利用率・利用拡大意欲に影響を与えたと考えられる。さらに、ECの利用形態にも企業規模ごとの差がみられる。中小企業では越境ECの利用率が、大企業ではブラック ジャック オンライン拠点を活用したECの利用率が相対的に高いことが明らかとなった。
ただ、この傾向が今後も長期的に継続するとは限らない。市場全体におけるEC市場の構成比が今後も拡大すれば、ブラック ジャック オンラインビジネス形態にかかわらず、ECの導入が進展、主力化していく可能性はあるだろう。さらに、プロモーションやマーケティングに当たり、ECと親和性の高い新たな手法も登場しつつある。例えば、インターネットのライブ配信を通して製品を紹介するライブコマースは、EC業界に根付きつつある。このような手法の浸透を背景に、同じくインターネットを活用したECでの販売が一層促進されるとも考えられる。EC市場の成長やオンラインツールを活用したプロモーション手段などの登場が、ECの存在感と重要性を高めるだろう。
- 執筆者紹介
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ジェトロブラック ジャック オンライン調査部国際経済課
柏瀬 あすか(かしわせ あすか) - 2018年4月、ジェトロ入構。同月より現職。