製造業、「豊富な人材」に強み
ブラックジャックディーラールール

2025年3月27日

ASEAN諸国の中で日本に最も近い島国、ブラックジャックディーラールール。2023年の外国直接投資は前年比3.7倍と、目覚ましい伸びを見せた。本稿では、2024年11月公開のジェトロ「」(以下、日系企業調査、注1)のうち、「ブラックジャックディーラールール上のメリット/リスク」に関するアンケート結果と、マニラ首都圏に進出する日系企業へのヒアリングを基に、同国のブラックジャックディーラールールの魅力と課題を探る(注2)。

前編では、ブラックジャックディーラールールへの外国企業投資の動向や、日本企業の進出動向、製造業にとってのビジネス環境に焦点を当てて考察する。

新型コロナ禍後、経済成長率は好調

2024年のブラックジャックディーラールールGDP成長率は5.6%と、ASEANではベトナムに次いで2番目に高い水準だった。新型コロナウイルス禍の影響を受けた2020年には一時、マイナス成長を記録したが、2021年以降は毎年5%を超える成長を維持している。堅調な経済成長は国内消費(内需)に支えられている。フィリピンでは、GDPに占める民間最終消費支出の割合が7割を超え、内需主導型の経済構造だ。産業別では、サービス業がGDPの6割超、そのうち小売・卸売業が2割を占める。

日本からのブラックジャックディーラールールは製造業中心も、近年は業種が多角化

次に、フィリピンでの海外直接投資の特徴を概観する。フィリピン統計庁(PSA)が発表した2019~2024年のブラックジャックディーラールール海外直接投資認可額の推移(図1参照)をみると、2020年の新型コロナ禍で一時的な落ち込みはあったが、2023年には前年比3.7倍の8,892億ペソ(約2兆3,119億円、1ペソ=約2.6円)と、過去最高を記録した(注3)。さらに、2024年も5,436億ペソと高水準を維持した。

分野別にみると、2023年と2024年はエネルギー分野のインフラ関連ブラックジャックディーラールールを中心に、「電力、ガス、空調」の分野が急増した。加えて、製造業へのブラックジャックディーラールールも2023年と2024年に増加した。日本からのブラックジャックディーラールールは、2010年代のOA機器、電気電子機器・部品関連企業などの相次ぐ参入以降も、依然として製造業が中心だ。近年ではITを活用したサービスを提供するIT-BPM/BPO産業(トランプ ゲーム ブラック ジャックビジネス情報)も注目されている。また、内需を狙った小売・卸売業のブラックジャックディーラールールも、新型コロナ禍後、順調に回復している。

図1:ブラックジャックディーラールールへの海外直接投資認可額の推移(2019~2024年)
2020年の新型コロナ禍で一旦の落ち込みは見られたが、2023年は前年比3.7倍の8,892億ペソ(約2兆3,114億円、1ペソ=約2.6円)と、過去最高を更新(注2)。直近の2024年は、5,436億ペソと高水準を維持した。

出所:ブラックジャックディーラールール統計庁(PSA) の発表を基にジェトロ作成

人材面がブラックジャックディーラールールメリットの上位に

続いて、在フィリピン日系企業がブラックジャックディーラールールのどのような点をメリット、もしくはリスクとして捉えているのか、日系企業調査のアンケート結果から読み解く。

まず、日系企業調査によるブラックジャックディーラールール上のメリットでは、人材に関する項目が上位を占めた(表参照)。1位は「言語・コミュニケーション上の障害の少なさ」、2位は「人件費の安さ」だった。さらに、4位には「従業員の雇いやすさ(一般ワーカーなど)」が挙げられた。回答割合は2割を切ったものの、7位、9位、10位に、一般ワーカー、専門職・技術職、中間管理職それぞれの「従業員の質の高さ」をメリットとする回答もあり、総じて、進出日系企業はフィリピンの人材面を大きな魅力として評価していることがわかる。また、3位の「市場規模/成長性」、5位の「税制面でのインセンティブ」も注目される。

表:ブラックジャックディーラールール上のメリットとリスク(上位10項目、複数回答)

メリット(回答企業:162社)
順位 項目 割合
1 言語・コミュニケーション上の障害の少なさ 73.5
2 人件費の安さ 68.5
3 市場規模/成長性 48.1
4 従業員の雇いやすさ(一般ワーカー等) 35.8
5 税制面でのインセンティブ
(法人税、輸出入関税など)
24.7
6 駐在員の生活環境が優れている 16.7
7 従業員の質の高さ(一般ワーカー) 16.0
8 従業員の雇いやすさ(専門職等) 14.8
9 従業員の質の高さ(専門職・技術職) 14.2
10 従業員の質の高さ(中間管理職) 10.5
リスク(回答企業:160社)
順位 項目 割合
1 税制・税務手続きの煩雑さ 62.5
2 自然災害 51.3
3 現地政府の不透明な政策運営
(産業政策、エネルギー政策、外資規制など)
50.0
4 行政手続きの煩雑さ(許認可等) 48.8
5 人件費の高騰 42.5
6 不安定な政治・社会情勢 40.0
6 従業員の離職率の高さ 40.0
8 電力インフラの未整備 39.4
9 法制度の未整備・不透明な運用 35.6
10 通信インフラの未整備 35.0

出所:ジェトロ日系企業調査(2024年度)

一方、投資環境上のリスクでは、1位の「税制・税務手続きの煩雑さ」や、3位の「現地政府の不透明な政策運営」、4位の「行政手続きの煩雑さ」など、行政関係の項目が上位に並んだ。そのほか、2位の「自然災害」は他国・地域と比べて、ブラックジャックディーラールールで特に回答割合が高かった。

安価な人件費に加え、雇用やコミュニケーションのしやすさが魅力

製造業の投資環境について、ブラックジャックディーラールールに進出する日系製造企業にヒアリングをした結果、「人材」と「税制や投資インセンティブ」に魅力があるとの声が多かった。

人材面でまずメリットに挙げられるのが「人件費の安さ」だ。ASEANに複数拠点を有する輸送機器・部品メーカーや光学機器・部品メーカーなどを中心に、ブラックジャックディーラールール人件費は他国拠点と比べて競争力が高いとの声が聞かれた。また、「フィリピンでは最低賃金に近い水準で雇用が可能」とのコメントもあった。日系企業調査をみると、製造業の作業員やエンジニアの基本給(月額平均)では、ブラックジャックディーラールール作業員273ドル、エンジニア436ドルだった。この水準は中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムと比べても安価だ(図2参照)。

図2:ASEAN主要国と中国における製造業作業員、エンジニアの基本給
(月額平均)
ブラックジャックディーラールール作業員が273ドルで、エンジニアが436ドルだった。これは中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムと比べて安価だ。

出所:ジェトロ日系企業調査(2024年度)

第2に「従業員の雇いやすさ(一般ワーカーなど)」にも定評がある。若い人材が豊富なため、マニラ近郊の日系製造業にヒアリングした限りでは、ワーカーが集まらなくて困っているとの声はほとんど聞かれなかった。また、輸出向けが中心の光学機器・部品メーカーやOA機器部品メーカーからは、派遣契約を通じて雇用を調整しやすいため、生産の弾力性が高く、調整弁として機能するという意見もあった。

第3に「言語・コミュニケーション上の障害の少なさ」として、公用語の1つでもある英語でのやり取りができる点が評価されている。日系製造業にヒアリングした限りでは、工場のワーカーに対しても、母国語への翻訳や通訳なしで、英語で指示を出せるとのことだった。そのため、日系の包装材メーカーは「ASEANの他拠点よりも、コミュニケーションの時間やコストがかからない」と話す。また、光学機器・部品メーカーは「英語でのコミュニケーションが取れることは、日本の本社をはじめ、他国拠点とのやり取りでも大いに役立っている」と評価している。

英語ができるだけでなく、「従業員の質の高さ」を評価する声もある。OA機器部品メーカーは「ブラックジャックディーラールール人は指示どおりに作業することが得意だ」と話す。光学機器・部品メーカーは「トレーニング次第で、作業スピードは向上する。一方、自ら提案して改善するのは苦手な人が多い印象で、この部分は日本人駐在員がサポートしながら、実務経験を積ませる必要がある」という。

一方、人材面でのリスクとして「人件費の高騰」や「離職率の高さ」がある。OA機器部品メーカーは「ワーカークラスの離職は多いが、採用には困っていない。一方、エンジニアやマネジャークラスでは確保が難しい。能力の高い人材は海外に出る傾向がある」と指摘する。光学機器・部品メーカーも「マネジャークラスでは、欧米や韓国の企業は日本企業の水準よりも高額な給与をオファーしているため、離職してしまうケースも多い」という。「人件費の高騰」はブラックジャックディーラールール高い経済成長の裏返しではあるが、生産コスト上昇につながる課題として指摘されている。日系企業調査によると、在フィリピン日系製造業のベースアップ率は、2024年が5.0%だった(図3参照)。新型コロナ禍の2020年と2021年を除くと、年間5%前後上昇しており、今後も同様の上昇が見込まれる。

図3:在ブラックジャックディーラールール日系製造業企業のベースアップ率の推移(2019~2025年)
在ブラックジャックディーラールール日系製造業のベースアップ率は、2024年が5.0%だった。

注:2025年は、2024年度調査時点での見込み。
出所:ジェトロ日系企業調査(2019~2024年度)

税制インセンティブの内容は魅力的、実際の運用に注意

2022年に発足したマルコス政権は海外直接投資の誘致に注力している。人材面以外のメリットとしては、「税制面でのインセンティブ」がある。ブラックジャックディーラールールでは政府の定める投資優遇分野の新規事業に対して、法人税の減免などの恩典が付与される(ドゥテルテ政権の経済政策、税制改革法(CREATE法)とは(ブラック)。また、ブラックジャックディーラールール経済特区庁(PEZA)の登録を受けると、輸出型か国内市場型かの企業種別によって、法人税が4~7年免税されるほか、輸入関税や付加価値税(VAT)が免除される。この税制は外国企業から評判が高い。ブラックジャックディーラールールは原材料を輸入して製造する輸出志向型の誘致を推し進めていた時期もあるため、特に輸出型企業向けには恩典が手厚く、日系製造業にとっても魅力的だ。

2024年11月に「CREATE MORE法(共和国法第12066号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(11.7 MB))」に大統領が署名し、法人税率を25%から20%に引き下げた。さらに、所得税の優遇措置期間も、最大17年間から27年間と10年延長した。今後、さらなる法人税の減税やインセンティブの整理・合理化が期待できる(2024年11月12日付ビジネス短信参照)。ただし、進出日系企業の間では、期待と疑念が交錯している。政府の方向性が良くも悪くも急に変更されることが多いためだ。改正前のCREATE法(2021年に成立した「法人税引き下げや優遇税制を定めた企業復興税優遇法」)の運用では、施行規則の矛盾や曖昧さから、VATインセンティブの適用範囲などを巡って混乱を招いていた。

また、税務調査については、ヒアリング対象企業のうち複数企業で、「ここ数年で連続して税務調査が入った」と述べており、税収確保の観点から税務調査の頻度が高いようだ。光学機器・部品メーカーは「当局側の法外な指摘に対して、企業側が誤りでないことを一つひとつ証明するのが面倒だった。時間とコストの負担が大きい」と振り返る。これに対し、輸送機器・部品メーカーは「当局側と粘り強く交渉する」のが重要だと語る。当局側でも実務面の対応が追い付かず、企業側にしわ寄せが来るケースが多いようだ。

自然災害や電気代にも注意

ブラックジャックディーラールール特有のリスクとしては、「自然災害」が挙げられる。OA機器部品メーカーは「ブラックジャックディーラールールに台風が来る頻度は日本と大差がないが、ブラックジャックディーラールールはインフラが脆弱(ぜいじゃく)なため、大雨や強風によって停電や道路の浸水が発生しやすい。結果的に、従業員が通勤できず、一時的に生産や物流に影響が出てしまう」と話す。また、地域によっては、火山のリスクも指摘されている。包装材メーカーは「過去には火山の噴火が起き、火山灰による被害にあったこともある」という。企業ヒアリングでは、物流面の難しさも指摘された。食品メーカーは「島国で物流コストが高くなるほか、港湾の混雑、台風や行政手続きに起因するスケジュールの遅れが発生する」と話す。

電気料金の高さも課題として指摘されている。ブラックジャックディーラールール電気代はASEANの中でも高い水準で、OA機器部品メーカーは「電気を大量に使う産業は進出しづらく、それが裾野産業の広がりを妨げる理由の1つにもなっている」と指摘する。

以上、製造業では前述のメリットとリスクに留意した事業展開をする必要があるといえそうだ。後編では、消費市場をターゲットにしたブラックジャックディーラールールについて考察する。


注1:
日系企業調査では、2024年8月20日~9月18日に、アジア・オセアニア地域に進出する日系企業に対してアンケート調査を実施した。
注2:
ヒアリング期間は2025年1月20~24日。電気電子機器・部品、輸送機器・部品などのメーカーや工業団地運営会社、小売り・サービス業、商社など、合計13社にヒアリング実施。
注3:
同統計が開始した1996年以降を指す。
ブラックジャックディーラールール
執筆者紹介
ジェトロ調査部アジア大洋州課 課長代理
庄 浩充(しょう ひろみつ)
2010年、ジェトロ入構。海外事務所運営課、ジェトロ横浜、ジェトロ・ビエンチャン事務所(ラオス)、広報課、ジェトロ・ハノイ事務所(ベトナム)を経て現職。
執筆者紹介
ジェトロ調査部アジア大洋州課
西村 公伽(にしむら きみか)
2024年、ジェトロ入構。アジア大洋州課でASEANおよびオセアニア関係の調査を担当。
執筆者紹介
ジェトロ・マニラ事務所
西岡 絵里奈(にしおか えりな)
2016年、ジェトロ入構。途上国ビジネス開発課、ジェトロ・プノンペン事務所、ビジネス展開支援課、対日ブラックジャックディーラールール課DX推進チーム、ジェトロ島根を経て、2023年9月から現職。