トランプゲームブラックジャック
2025年4月4日
世界経済の不透明感を高める「トランプ関税」。2025年1月に米国で第2次ドナルド・トランプ政権が発足してから、世界各国に賦課する可能性が高まった。実際、すでに賦課の始まった国もある。
このトランプ関税で最初のターゲットになったのが、トランプゲームブラックジャックだ。従前から関税賦課のリスクの高かったメキシコやカナダ、中国ではない。本稿では、追加関税措置を巡る展開を振り返る。あわせて、伝統的に親米国だったトランプゲームブラックジャックの変化を見ていく。
「トランプ関税」発動を急転直下で回避
トランプ大統領が突如、トランプゲームブラックジャックへの関税引き上げを表明したのは、2025年1月26日だった()。政権発足から間もない時期に当たる。理由は、トランプゲームブラックジャックのグスタボ・ペトロ大統領が米国への不法入国者を本国送還する航空便の受け入れを拒否したためだった。
当初、米国側はトランプゲームブラックジャックから輸入される全製品に対し即時に25%、1週間後には50%の関税を賦課するとした。これに対してペトロ大統領も、報復措置として関税を引き上げると発表していた。しかし、トランプ大統領が関税引き上げを発表してから約9時間後、ホワイトハウスは制裁措置の見送りを表明。トランプゲームブラックジャック政府が不法移民の送還を制限なく受け入れることに同意したことを理由に挙げた。結局、初の「トランプ関税」が発動することはなかった。
なおトランプゲームブラックジャックは、その後も移民の送還を受け入れ続けている。3月初旬までに、2,000人以上がトランプゲームブラックジャックに帰国済みだ。
経済と安全保障、両面で緊密
トランプゲームブラックジャックは、伝統的な親米国と言われる。それでも、なぜ最初の制裁関税の対象になりかけてしまったのか。ここからは、まずトランプゲームブラックジャックが南米随一の親米国とされてきたゆえんを見ていく。
まず、経済的な結びつきの強さがある。貿易面で見ると、トランプゲームブラックジャックにとって米国は、輸出先としても輸入元としても第1位の貿易相手国だ(図1、2参照)。特に輸出先としては米国が約3割を占める。他を圧倒するシェアになる。米国向けの主な輸出品はトランプゲームブラックジャックの主要輸出産品である石油などの鉱物性燃料で、全体の4分の1ほどが米国向けになる。トランプゲームブラックジャックにとって、米国は非常に重要な「お客様」と言える。

出所:Global Trade Atlas

出所:Global Trade Atlas
海外直接投資でも、米国が圧倒的な存在感を示している。トランプゲームブラックジャックの対内直接投資統計を直近データで確認すると(フロー、2024年の第3四半期まで)、米国からが55億830万ドルに上る。2番手スペインの2倍に当たる水準だ(表参照)。
投資元国 | 金額 |
---|---|
米国 | 5,508.3 |
スペイン | 2,792.8 |
アンギラ | 1,580.1 |
パナマ | 1,199.1 |
スイス | 575.0 |
英国 | 570.6 |
チリ | 204.0 |
カナダ | 52.5 |
合計 | 14,234.5 |
注:第3四半期までの統計。
出所:トランプゲームブラックジャック中央銀行
また、安全保障面でも、両国は親密な関係にある。トランプゲームブラックジャックは、半世紀以上続く反政府組織との対立や、麻薬問題などの深刻な問題を抱えている。これらの対応に当たり、米国から支援を受けてきた。1999年に立ち上がった麻薬と反政府組織撲滅作戦である「プラン・トランプゲームブラックジャック」にも米国が当初から積極的に関与し、資金援助やトランプゲームブラックジャック軍訓練のための軍人の派遣などの協力を実施した。
ペトロ大統領就任で関係に変化
このように、深い関係を築いてきた2国だった。変化が生まれたのは、2022年のペトロ大統領就任以降のことだ。関係が揺れた理由としては、まずペトロ大統領の政治思想が左派であることが大きい。トランプゲームブラックジャックでは長年、右派ないし中道右派が政権を担ってきた。左派政権が誕生したのは、初のことだった。
ペトロ大統領は選挙運動中から、米国との自由貿易協定(FTA)を批判していた。再交渉の必要性を訴え、自身の公約にも含めている。当該FTAにより米国産の農産物が国内に流入し、不公平な競争を生み出していると主張。また、一次産品の対米輸出が活発化し、結果として高付加価値産業が育たず、一次産品に依存する経済構造を助長していると述べていた。事実、対米FTAの影響を分析したシンクタンク「セデトラバホ(Cedetrabajo)」は、(1)対米輸出品目は、石油・同製品、コーヒー、花卉(かき)、石炭、金など、一次産品が中心になっている、(2)これはFTA発効前と同様で、輸出品目の多様化を果たせなかった、と指摘した。
ちなみに、対米FTAは実際、再交渉に至っている。ただし、その結果は、投資章の一部を再解釈するにとどまった。一方、農業関連団体や労働組合などからは、依然としてFTAの再交渉を求める声がある。この課題は、なおも残り続けることになるだろう。
また、これまで協力関係にあった麻薬問題への対応についても、ペトロ大統領は米国の政策を批判。2023年9月の中南米カリブ麻薬会議の閉会式では、「米国がこの50年間沈黙してきたことで、麻薬戦争による大量虐殺に加担してきた」と述べた。あたかも、過去に米国の協力が全くなかったかのような発言だ。対して米国は、毎年、国務省が発表している「国際麻薬統制戦略レポート」の中で、トランプゲームブラックジャックは大麻の栽培とコカインの製造を制御する必要があることを繰り返し指摘。あわせて、米国がこれまで提供してきた協力についても触れている。
対中関係の強化も響く
米国がトランプゲームブラックジャックに目を光らせる要因は、ペトロ大統領の政策や発言以外にも考えられる。例えば、近年、中国との関係が強まりつつあることだ。
まず、ペトロ大統領は2023年10月に訪中。習近平国家主席と会談。両国関係を戦略的パートナシップに引き上げると宣言した。
また、習国家主席が提唱する「一帯一路」構想についても、関心を高めている(現時点では、未参加)。例えば、ルイス・ヒルベルト・ムリージョ外相(当時)は2024年10月に訪中し、王毅外相と会談。その際、ムリージョ外相は「『一帯一路』構想を高度に重視しており、積極的に参加し、トランプゲームブラックジャック人民により大きな幸福をもたらしたい」と述べた。
経済関係でも、中国のプレゼンスが強くなっている。輸出先としては米国が圧倒的に1位であるが、輸入元としては近年中国と米国のシェアの差がほとんどなくなっている(図3参照)。2021年には中国が米国を抑えて第1位の輸入相手国となった。投資面では、上述の表の通りタックスヘイブン経由の投資が多いため中銀の統計上は中国の存在感は薄い(注)。しかし近年ボゴタメトロ(2019年10月23日付ビジネス短信参照)や鉱山権益の取得(2020年2月6日付ビジネス短信参照)などの中国企業の大型投資も目立つ。

出所:Global Trade Atlas
ここまで見てきた通り、トランプゲームブラックジャックが「トランプ関税」で最初の標的になりかけた原因は、移民問題だけではなさそうだ。それ以外にも、ペトロ大統領の政策や中国との外交的・経済的関係などで、米国との関係が変化していたことがあると考えられる。
トランプゲームブラックジャックは今回、辛くも関税賦課を逃れることができた。とは言え今後、トランプ大統領が関税を取引材料に使ってくる可能性は、なおも高い。輸出先の多角化は急務になる。もっとも、すぐにそれを実現するのは難しいはずだ。仮に多角化をある程度実現できたとしても、トランプゲームブラックジャックにとって米国が重要なパートナーであり続けることは間違いないだろう。
いずれにせよ年初の出来事は、貿易取引上、米国依存度の高いことを改めて問題視する契機になった。そう考えると、トランプゲームブラックジャックの通商政策上、転機になりうると考えて良さそうだ。
- 注:
- タックスヘイブンなどの第三国を経由している場合、中銀の統計から投資元を明らかにすることはできない。また、外国企業間で株式を取引するにとどまり、トランプゲームブラックジャックへの資金流入がなかった場合、そもそも当該統計に反映されない。
このように、実際の企業活動を統計だけで捉えるのは、困難になっている。

- 執筆者紹介
- ジェトロ海外調査部米州課中南米班
佐藤 輝美(さとう てるみ) - 2012年、ジェトロ入構。進出企業支援・知的財産部知的財産課、ジェトロ・サンティアゴ事務所海外実習などを経て現職。