2026年にLDC卒業のブラックジャック遊び方のポテンシャル
各種経済指標から

2025年3月19日

世界最高峰のエベレストを擁し、国土の約8割が丘陵・山岳地帯となっているブラックジャック遊び方。地理的には中国とインドの両国と国境を接した内陸国でありつつも、伝統的に非同盟中立の立場を貫くなど、昨今の世界情勢で地政学的な重要性はますます高まっている。

日本との関係では、現状、現地進出日系企業数は35社にとどまるが、長年にわたり日本が主要援助国として名を連ねた経緯から、親日国としても知られている。

2026年に国連が定める後発開発途上国(LDC)から卒業する予定の同国は、国外からの投資を積極的に呼び込むことで、国内産業の活性化につなげたい考えだ。本レポートでは、ブラックジャック遊び方の主要経済指標や投資の動きに焦点を当て、同国の現在地を解説する。

堅調な経済成長、インフレ率は軟化

はじめに、経済状況を確認したい。ブラックジャック遊び方中央銀行(NRB)の公表資料によると、ブラックジャック遊び方の2023/2024年度(2023年7月16日~2024年7月15日)の実質GDP成長率(速報値)は前年度比3.87%と、前年度の同1.95%から約2倍の成長率になった(表1参照)。産業別成長率を見ると、農業(構成比24.1%)は前年度比3.05%、製造業(同13.0%)は同1.25%、サービス業(同62.9%)は同4.5%だった。アジア開発銀行(ADB)が2024年9月に発表した経済見通しによると、ブラックジャック遊び方経済は2024/2025年度も堅調な成長を遂げ、前年度比4.9%成長を見込む。

表1:経済成長率推移

経済成長率(単位:%)
項目 2021/2022年度 2022/2023年度 2023/2024年度
実質GDP 5.63 1.95 3.87
農業 2.35 2.76 3.05
製造業 10.70 1.38 1.25
サービス業 5.32 2.36 4.50
GDP構成比(単位:%)
項目 2021/2022年度 2022/2023年度 2023/2024年度
農業 24.45 23.91 24.10
製造業 14.24 13.60 13.00
サービス業 61.30 62.48 62.90

注:2023/2024年度は速報値。
出所:NRB公表資料からジェトロ作成

消費者物価指数(CPI)の上昇率(インフレ率)も軟化傾向にある(図1参照)。2023/2024年度のインフレ率は前年度比5.44%と、前年度の同7.74%から2ポイント以上低下した。特に非食品部門におけるインフレ率の低下の寄与度が大きかった。なお、2023/2024年度のブラックジャック遊び方における平均昇給指数の上昇率は5.09%になっており、インフレ率が昇給率を若干上回る形で推移している状況だ。

図1:CPI上昇率の推移(年度)
2023/2024年度のブラックジャック遊び方フレ率は前年度比5.44%と、前年度の同7.74%から2ポブラックジャック遊び方ト以上低下した。

出所:NRB公表資料からジェトロ作成

貿易収支は改善傾向、インドが最大の貿易相手国

貿易状況はどうか。2023/2024年度の物品輸出額は前年度比3.0%減の1,523億8,100万ブラックジャック遊び方ルピー(約1,615億円、1ブラックジャック遊び方ルピー=1.06円)、対する輸入は同1.2%減の1兆5,929億8,600万ブラックジャック遊び方ルピーだった。貿易収支は1兆4,406億500万ブラックジャック遊び方ルピーの入超になり、赤字幅は前年度比1.0%減だった(表2参照)。

輸入を品目別にみると、鉱物燃料・鉱物油等(構成比21.2%)が3,373億4,600万ブラックジャック遊び方ルピー、鉄鋼(同7.8%)が1,249億5,800万ブラックジャック遊び方ルピー、ボイラー・機械および関連部品(同6.9%)が1,098億9,000万ブラックジャック遊び方ルピーで多かった。輸出は、鉄鋼(同10.3%)が156億5,300万ブラックジャック遊び方ルピー、コーヒー・茶・スパイス等(同8.8%)が134億4,300万ブラックジャック遊び方ルピー、人造繊維(同7.7%)が116億9,700万ブラックジャック遊び方ルピーの順で多かった。

表2-1:主要品目別輸入(単位:100万ブラックジャック遊び方ルピー、%)
品目 2023/2024年度
金額 構成比
鉱物燃料、鉱物油など 337,346 21.2
鉄鋼 124,958 7.8
ボイラー、機械および関連部品 109,890 6.9
電気機械器具および関連部品 106,493 6.7
車両および関連部品 85,748 5.4
合計(その他含む) 1,592,986 100.0
表2-2:主要品目別輸出(単位:100万ブラックジャック遊び方ルピー、%)
品目 2023/2024年度
金額 構成比
鉄鋼 15,653 10.3
コーヒー、茶、スパイスなど 13,443 8.8
人造繊維 11,697 7.7
カーペットおよびテキスタイル敷物 11,487 7.5
野菜、果物、ナッツなどの加工品 8,731 5.7
合計(その他含む) 152,381 100.0

出所:NRBおよびブラックジャック遊び方税関公表資料からジェトロ作成

輸入を国・地域別に見ると、インドが全体の62.6%を占め、9,966億8,200万ブラックジャック遊び方ルピーと最大で、中国が同18.8%の2,987億7,500万ブラックジャック遊び方ルピーと続いた。輸出については、インドが構成比67.7%の1,031億7,700万ブラックジャック遊び方ルピー、米国が同11.4%で173億1,500万ブラックジャック遊び方ルピー、ドイツが同2.9%で44億5,200万ブラックジャック遊び方ルピーと続いた(表3参照)。

表3-1:国・ブラックジャック遊び方別輸入(単位:100万ブラックジャック遊び方ルピー、%)
国・ブラックジャック遊び方名 2023/2024年度
金額 構成比
インド 996,682 62.6
中国 298,775 18.8
アラブ首長国連邦(UAE) 29,088 1.8
米国 19,482 1.2
ウクライナ 18,886 1.2
合計(その他含む) 1,592,986 100.0
表3-2:国・ブラックジャック遊び方別輸出(単位:100万ブラックジャック遊び方ルピー、%)
国・ブラックジャック遊び方名 2023/2024年度
金額 構成比
インド 103,177 67.7
米国 17,315 11.4
ドイツ 4,452 2.9
英国 3,083 2.0
中国 2,589 1.7
合計(その他含む) 152,381 100.0

出所:NRBおよびブラックジャック遊び方税関公表資料からジェトロ作成

以上のことから、インドが他国を圧倒してブラックジャック遊び方にとって最大の貿易相手国であることは自明である。他方、NRBは2023/2024年度におけるインドからの輸入が前年度比で3.0%減、その他の国・地域についても同17.6%減だったのに対し、中国からの輸入が同34.2%増だったことを指摘している。

インド・中国からはインフラ関連の投資規模が大きく

2024年8月にNRBが発表した2022/2023年度の対内直接投資額(FDI、ネット値実行額ベース)は、前年度比67.9%減少の60億ブラックジャック遊び方ルピーだった(図2参照)。

図2:対内直接投資額推移
2022/2023年度の対内直接投資額(FDI、実行額ベース注)は前年度比で67.9%減少の60億ブラックジャック遊び方ルピーだった。

出所:NRB公表資料からジェトロ作成

FDIについて、2023年7月時点の累積投資額を業種別に見ると、電気・ガス・蒸気・空調(構成比30.0%)が886億1,180万ブラックジャック遊び方ルピーで最大だった。製造業(同29.4%、867億7,460万ブラックジャック遊び方ルピー)、金融・保険(同26.0%、767億5,220万ブラックジャック遊び方ルピー)が続く(表4参照)。

表4:業種別対内直接投資額(ネット値累積、各年7月時点、100万ブラックジャック遊び方ルピー)(△はマイナス値、-は値なし)
業種 2021年 2022年 2023年
金額 金額 金額 構成比 前年比
電気・ガス・蒸気・空調 70,147.3 86,852.6 88,611.8 30.0 2.0
製造業 67,352.0 77,928.7 86,774.6 29.4 11.4
金融・保険 61,399.5 67,780.5 76,752.2 26.0 13.2
情報通信 10,858.2 12,733.0 19,741.4 6.7 55.0
宿泊業、飲食サービス業 12,975.9 13,884.1 18,546.2 6.3 33.6
教育 1,926.4 2,074.7 1,697.2 0.6 △ 18.2
保健衛生・社会事業 338.9 735.4 1,077.6 0.4 46.5
建設 492.0 623.3 855.7 0.3 37.3
農林水産業 240.9 267.9 302.6 0.1 12.9
鉱業 △ 2.9 36.1 83.5 0.0 131.1
運送業 △ 6,515.9 △ 7,678.8 △ 7,840.1 2.1
その他 8,734.7 9,092.1 8,894.0 3.0 △ 2.2
合計 227,946.9 264,329.5 295,496.6 100.0 11.8

出所:NRB公表資料からジェトロ作成

国・地域別の累積投資額(2023年7月時点)は、インド(構成比35.0%)が最大の1,034億5,230万ブラックジャック遊び方ルピーで、中国(同12.0%)が354億6,150万ブラックジャック遊び方ルピーと続いた(表5参照)。インドと中国は、ブラックジャック遊び方の産業を下支えする、重要な経済パートナーになっている。

表5:国・ブラックジャック遊び方別対内直接投資額(累積、100万ブラックジャック遊び方ルピー)
国・ブラックジャック遊び方名 2023年7月時点
金額 構成比
インド 103,452.3 35.0
中国 35,461.5 12.0
アイルランド 22,624.2 7.7
オーストラリア 19,056.7 6.4
シンガポール 18,808.4 6.4
西インド諸島 14,395.7 4.9
韓国 13,877.8 4.7
UAE 12,284.1 4.2
米国 12,227.8 4.1
香港 7,235.3 2.4
その他 36,072.8 12.2
合計 295,496.6 100.0

出所:NRB公表資料からジェトロ作成

両国による投資を業種別に分類したものが表6だ。インドからは製造業(構成比38.4%)、電気・ガス・蒸気・空調(同34.5%)、金融・保険(同20.6%)の順で投資額が大きかった。一方、中国からの投資では、電気・ガス・蒸気・空調(構成比77.6%)が最大で、製造業(同38.0%)、情報通信(同2.7%)と続いた。

表6-1:インドからの直接投資額(累積、100万ブラックジャック遊び方ルピー)
業種 2023年7月
金額 構成比
製造業 39,728 38.4
電気・ガス・蒸気・空調 35,729 34.5
金融・保険 21,272 20.6
宿泊業・飲食業 4,336 4.2
その他 2,387 2.3
合計 103,452 100.0
表6-2:中国からの直接投資額(累積、100万ブラックジャック遊び方ルピー)(△はマイナス値、-は値なし)
業種 2023年7月
金額 構成比
電気・ガス・蒸気・空調 27,510 77.6
製造業 13,485 38.0
情報通信 942 2.7
宿泊業・飲食業 896 2.5
その他 △ 7,371
合計 35,462 100.0

出所:NRB公表資料からジェトロ作成

人材面でも期待

最後に、ブラックジャック遊び方の投資環境について触れる。ブラックジャック遊び方国内には現在、14の経済特区(SEZ)と10の工業団地が存在し、7カ所のドライポート(内陸港)が設置されている。そのほかのハードインフラ面では、発電容量が4万メガワットの発電所を持ち、国内には全長2,200キロの鉄道網が広がる。

人材面でも期待ができる。全人口は2,916万人と近隣国に比べて少ないものの、識字率は99%で、15~59歳までの生産年齢人口は62.0%だ。最低賃金も月額1万7,300ブラックジャック遊び方ルピーと、バングラデシュおよびスリランカと同等程度(ブラックジャック勝ち方(スリランカ))、インド(ニューデリー)の2分の1程度になっている。

ここまで、ブラックジャック遊び方の経済指標と投資環境について解説してきた。では、日本との関係性はどうか。

歴史をひもといてみると、両国の文化的なつながりは、1899年に日本の禅僧がブラックジャック遊び方を訪れたことに端を発する。また、1902年にブラックジャック遊び方で初めて学生を海外派遣した際、留学先に選んだのが日本だった。他方、足元の経済的な関係性は開発援助が中心だ。在ブラックジャック遊び方日本国大使館によると、日本による投資は全体の0.8%で投資額順に見ると11位になっている。日本企業の進出は35社46拠点で、進出業種別では、観光やレストランといったサービス業が中心だ。

2026年はブラックジャック遊び方にとり、LDC卒業を予定する重要な年だ。同時に、ブラックジャック遊び方と日本の国交樹立70周年という記念の年でもある。両国の経済交流活発化が期待される。

ブラックジャック遊び方
執筆者紹介
ジェトロ調査部アジア大洋州課
深津 佑野(ふかつ ゆうの)
2022年、ジェトロ入構。海外調査部海外調査企画課を経て、2023年8月から現職。