ブラック ジャック ディーラー

2024年10月15日

中国では、2022年の北京冬季オリンピック・パラリンピック開催および新型コロナウイルスの感染拡大の収束以降、ウインタースポーツ市場が成長を続けている。中国政府は各種奨励政策などを発表し、同市場の拡大を後押ししている。本レポートでは、近年、ブラック ジャック ディーラー動向について紹介する。

成長を続ける中国ウインタースポーツ市場

国家体育総局によると、2023~2024年シーズンの中国におけるウインタースポーツ(スキー・スノーボード、スケート、アイスホッケーなど)の競技人口は5,735万人に上るとされており、年々、増加傾向にある。国家体育総局などが2016年11月に発表した「ウインタースポーツ発展規画(2016~2025年)(中国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、中国のウインタースポーツの市場規模は2020年までに6,000億元(約12兆6,000億円、1元=約21円)となっており、2025年には1兆元(約21兆円)に達すると見込まれる。特に、ウインタースポーツ産業が盛んな東北地方、華北地方、西北地方において、スキー場での競技やイベントの実施、ウインタースポーツ旅行などを強化していくことがうたわれている。同じく国家体育総局などが2023年10月に発表した「屋外スポーツ施設の建設促進およびサービス向上のための行動プラン(2023~2025年)(中国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」においても、北方地域を重点とし、南方地域とも協同して、ウインタースポーツ産業の発展を促進するとされている。

中国旅遊研究院が2024年1月に発表した「2024 中国氷雪観光開発レポート」によると、2023年に発表された主な氷雪観光プロジェクトへの総投資額は1,220億元に達し、2022年から10.9%の成長を示している。特に、1980年代生まれ、1990年代生まれの消費者がウインタースポーツ人気の主な原動力となっているほか、地域別でみると、南方出身の人々がウインタースポーツで有名な北方地方を訪れるケースが多いという。

ウインタースポーツの代表例として、スキースポーツ(スキー・スノーボード)を例に取り上げる。2023年8月発表の「2022~2023年スキー業界白書」(ウインタースポーツ関連企業の創業者Benny Wu氏が執筆)によると、中国全体のスキー場数は、2015年は500に達していなかったが、2016年に500を上回り、新型コロナ感染拡大の影響を受けた2021年、2022年を除き増加した(注)。2023年は2022年から5カ所増加し、697カ所になった。また、2022年のスキー場来場者数は2,154万人に達し、過去最高となった。中国全体のスキー場数を省別にみると、黒龍江省、新疆ウイグル自治区、河北省が上位3位となっており、全697カ所のうち、東北地方が約3割を占める(図参照、吉林省は第6位、遼寧省は第9位)。東北地方には長白山、亜布力、吉林北大湖、ハルビン吉華、瀋陽棋盤山、吉林松花湖などのスキー場がある。これらのスキーリゾートには、5つ星の米国系ホテルや日系ホテルが建設されており、欧米系ブランドなどの高級ウインタースポーツ用品メーカーやラグジュアリーブランドの店舗なども軒を連ねる。ウインタースポーツ人気の高まりを受けて、上海市や広東省深セン市といった南方地域から富裕層を中心とした顧客の流入が多いことが要因だとみられる。

図:中国のスキー場の分布
中国のスキー場施設の分布について、北方地域である黒竜江省、新疆ブラック ジャック ディーラーグル自治区、河北省、山東省が各々で全体の約10%を占めている。その他、東北地域である吉林省、内モンゴル自治区や遼寧省が各々で全体の約5%を占めている。一方、南方地域のスキー場は非常に少ないことが示されている。

出所:Benny Wu氏「2022~2023年スキー業界白書」からジェトロ作成

ちなみに、中国のスキースポーツを取り巻く環境で日本と大きく違うのは、室内スキー場の多さだ。中国国内の室内スキー場は50カ所を超えており、北方でも南方でも一年を通じてスキースポーツを楽しむことができる。直近では、2024年9月6日に上海市で世界最大規模の室内スキー場がオープンした()。

日本ブランドのウインタースポーツ用品のプロモーションから見る顧客動向

ジェトロは、2024年2月下旬に東北地方の吉林省において、日本のウインタースポーツ用品などの販売拡大およびテストマーケティング事業を実施した()。同事業は、スキー初中級者に人気のあるスキー場である吉林市松花湖スキーリゾートで実施した。同リゾートの顧客は、家族連れや女性客が中心である。同事業の来場者に実施したアンケート結果によると、ウインタースポーツ用品の購入を決める要素(複数回答可)の1位はブランド(回答率68%)、2位は機能(61%)、3位は価格(45.6%)となった。また、ウインタースポーツ用品を購入するチャンネル(複数回答可)として最も多いのはアリババ傘下のEC(電子商取引)プラットフォームである淘宝(タオバオ)であり61.6%、その次がリアル店舗で37.6%、続いてアリババが運営するECプラットフォーム天猫(Tmall)で33.6%となった。来場者層については、20~40代が大部分を占めており、家族や友人と来場する人が多かった。

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吉林市松花湖スキーリゾートにおけるイベントの様子(ジェトロ撮影)

前述の通り、中国ではウインタースポーツ市場が急速に拡大している。国内外のウインタースポーツ用品関連企業にとって、大きなビジネスチャンスが存在している。地理的にも山地が多く、自然の雪に恵まれた環境の中で発展してきた日本のウインタースポーツ産業であるが、同関連企業が中国におけるビジネスチャンスをつかめるかが注目される。


注:
2014年5月1日から2015年4月30日までを2015年とカウントしている。以下も同様の数え方である。
執筆者紹介
ジェトロ・大連事務所
阿部 里苑(あべ りおん)
2021年、ジェトロ入構。デジタルマーケティング部プラットフォームビジネス課勤務を経て、2023年10月から現職。