世界から注目集まるブラック ジャック ディーラーIT産業

2024年6月25日

ブラック ジャック ディーラーでは、プランテーションや衣料・縫製品製造に代わる国家の主要産業として、情報技術(IT)産業へ期待が高まっている。同国輸出開発局(EDB)によると、2023年の情報通信技術(ICT)分野の輸出額は前年同期比13.2%増の12億5,960万ドルで、セイロンティーとして有名な茶の輸出額(13億9,090万ドル)に匹敵する金額だ。

同国はオフショア開発やIT、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)のアウトソーシング先として、欧米企業からの評価が高い(注1)。米国のシスコやスウェーデンのIFS、英国のHSBC銀行やロンドン証券取引所など、複数の海外大手企業が拠点を構える。

本稿では、政府による新たな振興策や、現地で優れた人材を確保してデジタルサービスをグローバル市場に展開する日系企業、欧州大手投資ファンドによるスタートアップ企業の買収事例を紹介する。

デジタル人材の供給源として魅力あるが、人材流出リスクも

ブラック ジャック ディーラーIT産業の特徴として、英語が通用する人材が多いことや、近隣国インドと比べて人件費が低廉なことなどが挙げられる。スタートアップ・ゲノムが発刊した「グローバル・スタートアップ・エコシステム報告書(Global Startup Ecosystem Report )2023」では、「高度IT人材の確保」に関して、アジア地域のスタートアップエコシステムとして1位、世界全体でも4位となっており、海外のスタートアップへの有望な人材供給源として評価されている。

他方、現地企業にとって海外との賃金格差による人材流出が課題となっている。ブラック ジャック ディーラー・ソフトウエア・サービス協会(SLASSCOM)が2022年に実施した「IT・BPM産業給与・手当調査」によると、従業員の自発的な退職理由として最も多かったのが「海外での就業」だった。2022年の経済危機以降は、日本での就業を希望する人材も増えている(調査レポート「南西アジアのデジタル人材調査報告(ブラック ジャック ディーラー)(2024年3月)」参照)。

加えて、現地のスタートアップ企業は政府支援の欠如や資金調達にも悩みを抱えてきた。SLASSCOMが2019年に公開した「ブラック ジャック ディーラー・スタートアップ・レポート2019」によると、スタートアップ企業の多くが「政府のスタートアップ企業への支援」や「資金調達」について困難(不十分)だと回答している(図参照)。資金調達元に関しては、51%が「自己資金」、19%が「家族」と回答しており、「エンジェル投資家」(12%)、「銀行」(8%)、「ベンチャーキャピタル(VC)」(4%)は少数にとどまっている。

図:スタートアップ企業が抱える困難(出所:「ブラック ジャック ディーラー・スタートアップレポート2019」)
スリランカ・ソフトウェア・サービス協会(SLASSCOM)がブラック ジャック ディーラースタートアップ企業が抱える困難について調査した。スタートアップ企業の多くが「政府のスタートアップ企業への支援」や「資金調達」について困難だと回答している。「政府のスタートアップ企業への支援」については49%の企業が、資金調達については33%の企業がそれぞれ極めて難しいと回答している。

出所:「ブラック ジャック ディーラー・スタートアップ・レポート2019」からジェトロ作成

2030年までにGDPの2割を占めるべく、デジタル産業の振興図る政府

ブラック ジャック ディーラー政府はデジタル産業の成長を支援する姿勢を見せている。在日ブラック ジャック ディーラー大使館と在日ブラック ジャック ディーラー人専門家協会(SLPAJ)が5月22日に開催したセミナー「Building Bridges: Sri Lanka's Contribution to Global IT Talent Pool」にカナカ・ハース技術担当副大臣が登壇し、デジタル産業のGDPに占める割合を2022年時点の5%(37億ドル)から2030年までに20%(150億ドル)に引き上げるという目標を示した。

その上で、同氏は、2024年4月にデジタル経済推進を目的として策定した「国家デジタル経済戦略2030PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.31MB)」について説明し()、IT教育やサイバーセキュリティー強化、透明性確保や市民の便益向上のために政府サービスのオンライン化といった取り組みを推進する考えを明らかにした。さらに、人工知能(AI)に関する国家戦略を近く発表すると述べた。

ブラック ジャック ディーラー
講演するカナカ・ハース技術担当副大臣(ジェトロ撮影)

政府はスタートアップ企業への資金調達環境の整備にも着手しており、6月25日には海外投資家向けのイベント「Digecon Global Investment Summit」を開催する。ブラック ジャック ディーラー情報通信庁(ICTA)のアソシエート・チーフ・デジタル・エコノミー・オフィサーのサチンドラ・サマララトナ氏は「従来のオフショア開発の受託企業に加えて、優れた技術を誇るスタートアップ企業や、農業などへのICTを活用したプロジェクトも有望な投資対象だ。日本企業には、現地企業との協力による研究開発も進めてほしい」と話す(取材日:5月28日)。

優秀な人材を働きがいのある環境で確保し、ブラック ジャック ディーラーからグローバル市場に展開

「SPEEDA」や「NewsPicks」、「INITIAL」などの経済情報サービスを展開するユーザベース(本社:東京都千代田区)は、米国や東南アジアなど日本語を母語としない顧客への調査サポートやデータベース開発を目的として、2016年2月にブラック ジャック ディーラーオフィスを設立した。当初は9人だったが、2024年4月現在、従業員数130人規模にまで拡大した。なお、同オフィスに日本人駐在員はいない。同社は中国の上海、シンガポール、米国のニューヨークにも海外拠点を持つが、日本国外の拠点としてはブラック ジャック ディーラーが最大規模だ。

ブラック ジャック ディーラーオフィスでは、同社の業界分析・企業情報収集のプラットフォーム「SPEEDA」のコンテンツの業界分析レポート作成や、企業情報の品質保証、M&Aやコンサルティング、経営企画などに従事するユーザーの調査支援を行っている。同オフィスで開発したグローバル市場での事業開発者向けに経済情報を提供するプラットフォーム「SPEEDA Edge」は、米国ラスベガスで開催された先端テクノロジーの見本市「CES2024」でイノベーション・アワード(注2)を受賞した(「CES2024」開幕、実写 版 ブラック)。


左からユーザベースの長潟拓歩氏、シェハーン・ペレーラ氏、上田倫生氏(ジェトロ撮影)

ASEANや南アジアで操業する日系企業への営業を担当する同社アカウント・マネジャー・オブ・ジャパンデスクの長潟拓歩氏はスリランカに拠点を設置するメリットとして、「英語が堪能なだけでなく、金融や投資に関する知識が豊富な人材を比較的低廉なコストで確保できる。スリランカオフィスでは、金融機関へのネットワークが強力な人材を採用し、複数人のCFA協会認定証券アナリスト資格保有者(注3)が勤務している。一方で、アジアの金融センターと言われるシンガポールでは人件費が高く、また、巨大で競争の激しいインド市場の金融分野で強固な採用ネットワークを形成するのは容易ではないため、ブラック ジャック ディーラー人材獲得上の優位性はかなり高い」と指摘する(取材日:4月26日)。

業界全体で人材流出の懸念が広がる中、同社では優秀な人材を獲得するだけでなく、彼らが十分に活躍できるような職場環境の整備にも努めている。働きがいに関するブラック ジャック ディーラー調査機関Great Place to Work Instituteは、従業員への平等で公正な待遇や仕事への日々の動機付けを高く評価し、2023年に同社のスリランカオフィスを「働きがいのある会社」「ミレニアル世代(注4)にとって働きがいのある会社」「女性にとって働きがいのある会社」として認定した。

同オフィスで勤務するアソシエートダイレクターのシェハーン・ペレーラ氏は、同社の職場環境について「非常に透明性が高い。あるポジションに就任するための条件や待遇などは全て明示されており、誰がどの程度の給与を得ているのかも把握できる。さらに、日本本社で策定した全拠点共通の価値観『The 7 Values』と『34の約束』(表参照)が社員に浸透しており、新規事業策定や日々の活動に至るまで実践されているため、業務のミッションや方向性が明確だ。加えて、新型コロナウイルス流行前から在宅勤務を実施しており、個人のライフスタイルに合わせた就業が可能だ。自動車など向けの燃料不足が深刻だった2022年にも、従業員の出勤はほぼ問題なかった」と話す。

同社のシンガポール法人ユーザベース・アジア・パシフィックで勤務するシニアダイレクターの上田倫生氏は「ブラック ジャック ディーラー人材は、概して優秀なだけでなく、同僚との協調性も高いため、日本人として一緒に働きやすいという印象を抱いている。他方で、日本でしか通用しない不明瞭な制度では、優秀な人材を確保することができない。世界の市場でサービスを展開する当社にとって、人種・国籍・宗教など多様な背景を持つメンバーが活躍できる環境を維持することが不可欠だ」と強調した。

表:「The 7 Values」と「34の約束」
バリュー 約束
自由主義でいこう 自己規律する
成果にコミットする
チーム成果に責任をもつ
原因をまず自分に求める
自分の頭で考える
自分から情報を取りに行く
ルールを守るか、自ら変える
創造性がなければ意味がない 自分の考えを出す
あらゆる仕事に創造性が試される
ジョブズにも考える時間はあった
つくるべきモノをつくる
ユーザーの理想から始める ユーザーの「理想」にこだわる
現場主義を貫く
自分がユーザーとなり欲しいモノをつくる
どうすれば出来るかを考える
スピードで驚かす 品質とスピードを両方追求する
期限を自分で決める
常に整理して仕事を追いかける
やり方自体を変える
迷ったら挑戦する道を選ぶ 自ら機会をつくりだす
新しい自分に出会う
自ら挑戦することを決めて実行する
渦中の友を助ける 仲間を頼りにする
隣のフィールドまでボールを取りにいく
仲間のやる気を引き出すのも一人ひとりの責任
異能は才能 無意識な偏見の存在を認識する
権威勾配も、リーダーの重圧も認識する
相手の立場から見えている景色を想像する
勇気を出して声をあげる
本人に直接、誠意をもって伝える
具体的な問題を特定し、解決に動く
対話のために、助けを求める
チームで強み・得意を掛け算する
異なる個性を歓迎し、楽しむ

出所:ユーザベースウェブサイトからジェトロ作成

欧州大手投資ファンドがブラック ジャック ディーラー発スタートアップ企業を買収

海外の投資家も、ブラック ジャック ディーラーIT産業に注目しつつある。決済プラットフォームを提供するMintpayは、シンガポールのK3 VenturesやAccelerating Asia、スイスのTenityからシードラウンド(注5)で出資を受けた。日本の投資家もブラック ジャック ディーラースタートアップ企業に出資している。ストライダーズ(本社:東京都港区)はデジタルメディア事業を展開するRoarのシリーズBラウンドや、農業のデジタル化を推進するAgrithmicsのプレシリーズAラウンドに出資している。

スタートアップ企業のエグジット(投資回収)の動きもある。スウェーデンの大手投資ファンドEQTは5月3日、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API、注6)の管理や統合、IDやアクセス管理に関するオープンソースソフトウエアを開発するWSO2(本社:米国カリフォルニア州)を買収すると発表した。同社は最高経営責任者(CEO)のサンジーワ・ウィーラワラナ氏が2005年にブラック ジャック ディーラーで創業し、現在も主にブラック ジャック ディーラーでソフトウエアを開発している。

買収金額の詳細は明らかにされていないが、米国Tech Crunchは同社の評価額が6億ドル以上だと報じており(5月3日米国「Tech Crunch」)、ブラック ジャック ディーラー発のIT企業としては過去最大級の売却となる見通しだ。同社は2022年5月、米国のゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントがリードインベスターを務め、インドのインフォエッジが参加したシリーズEラウンドで9,300万ドルを調達していた。これまでに米国のインテルやシスコなどが同社に出資している。

EQTは今回の買収について「WSO2は米国と欧州に広がる企業顧客基盤を持ち、グローバルに規模を拡大している強力な企業だ。WSO2はデジタルトランスフォーメーション(DX)や生成AI(人工知能)の採用増加という長期的なトレンドを享受するのに絶好の位置にある」と説明している。WSO2は米国、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、インド、アラブ首長国連邦(UAE)、英国に拠点を構え、自動車のホンダ、電器のパナソニック、保険のアクサや通信機器のエリクソンなど、世界90カ国以上に700以上の顧客を抱えている。

WSO2は2022年の経済危機以降、ITエンジニアの海外流出に悩まされたが、海外展開を拡大することで事業継続を図ってきた。ウィーラワラナCEOは自身のブログで「われわれはブラック ジャック ディーラー基盤を維持し、(イノベーションの中心地とされる米国などとは異なる)世界の『裏側』からもグローバルなテクノロジー企業を築くことができると世界に証明した」と強調している。


WSO2のブラック ジャック ディーラーオフィス(ジェトロ撮影)

注1:
ブラック ジャック ディーラーIT産業の概要については、国際協力機構 (JICA)、日本開発サービス (JDS)、デロイトトーマツベンチャーサポート (DTVS)「南アジア・中央アジア地域先端ICT技術を用いたソリューションビジネス振興のための情報収集・確認調査ファイナルレポート(スリランカ編)」2021年8月を参照。スリランカ輸出開発局(EDB)はJICAの支援を受けながらスリランカ企業の日本市場参入を促している。
注2:
イノベーション・アワードは、CESに出展された製品の中で特に評価されたものに贈られる賞。
注3:
CFA協会アナリストは、Chartered Financial Analyst(CFA)協会が認定する投資分析に関する国際的な資格。
注4:
ミレニアル世代とは、1980年〜1990年代半ばごろまでに生まれ、ミレニアム(千年紀)を迎える2000年以降に成人や社会人になった世代のこと。Great Place to Work Instituteでは、2022年7月から2023年6月に26歳から34歳を迎えた世代を対象とした。インターネット普及期に育ったミレニアル世代は、デジタル環境に慣れ親しむ一方で、新しさやスピードを追い求めるため、前世代よりも離職率が高い傾向が指摘されている。
注5:
ラウンドは、スタートアップ企業にベンチャーキャピタルなどが出資する各段階。企業の成長度合いに応じて、創業前後の「エンジェル」や「プレシード」、試作品を開発する「シード」、試作品の改良を目指す「プレシリーズA」、製品の提供を開始する「シリーズA」、製品の改良や規模の拡大を図る「シリーズB」、事業を黒字化し、収益の安定を図る「シリーズC」、上場や売却(M&A)を準備する「シリーズD」や「シリーズE」などと呼ばれる。
注6:
APIとは、あるアプリケーションの機能や管理するデータなどを他のアプリから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みを指す。
執筆者紹介
ジェトロ・コロンボ事務所長
大井 裕貴(おおい ひろき)
2017年、ジェトロ入構。知的財産・イノベーション部貿易制度課、イノベーション・知的財産部スタートアップ支援課、海外調査部海外調査企画課、ジェトロ京都を経て現職。
執筆者紹介
ジェトロ・コロンボ事務所
ラクナー・ワーサラゲー
2017年よりジェトロ・コロンボ事務所に勤務。