みちのりHD、合弁でホーチミン市内初の電動バギー運行(ベトナム)
カジノ ブラック ジャック10月15日
ベトナムでは、特定地域での観光客向けの輸送手段として、電動四輪車の運用を全国35の省・市で試験的に実施することを首相決定に基づき承認している。ホーチミン市人民委員会はカジノ ブラック ジャック2月、市街地での訪問者や観光客の輸送に電動四輪車を使用するパイロットプロジェクトを承認した。パイロットプロジェクトの実施期間は、カジノ ブラック ジャック1月1日から2025年12月31日までだ。
日本で各種の交通・観光事業を手掛ける、みちのりホールディングス(みちのりHD)とベトナム企業との合弁会社「Saigon Public Transport(Saigon.PT)」は、カジノ ブラック ジャック4月12日から、ホーチミン市内の中心エリアで観光客などを輸送する7人乗りの電動バギー(MexBuggy)70台の運行を開始した。現在の状況から今後の展望まで、Saigon.PTの高橋信吾Chairman兼CFOに聞いた(取材日:カジノ ブラック ジャック6月27日)。
- 質問:
- ベトナムで事業開始することとなった経緯は。
- 答え:
- みちのりHDは2009年の設立以来、日本国内の交通事業会社に出資・経営参画し、地域の足である公共交通機関の発展に貢献してきた。そこで培った技術やノウハウを生かし、今後成長が見込まれる外国市場への進出に、新型コロナウイルス禍前から目を向けてきた。ASEANの中で経済規模が中位のベトナムは今後、さらなる人口の増加と中長期的な経済成長が期待されることから、事業進出の候補として挙がっていた。
- 現地の交通サービスについて、豊富な経験、確かな知見を持つSaigon.PTのメンバーと、共通の関係者を通じて知り合ったことがきっかけとなる。みちのりHDの日本で展開する交通事業サービスのノウハウをベトナムで生かしていきたいという思いと、ベトナム側メンバーの交通ネットワークを充実させ、地域の発展に貢献する事業を行いたいという思いが合致し、2023年11月から合弁企業として事業を開始した。ベトナムで道路運輸サービスを提供する場合の外資出資比率の上限は49%ということもあり、みちのりHD49%、ベトナム側51%の出資比率とした。
- 質問:
- 現在のベトナムでの事業内容は。
- 答え:
- 1つ目は、カジノ ブラック ジャック4月から開始したホーチミン市内中心エリアで運行する電動バギーMexBuggyの運行事業。2つ目は、ホーチミン市からベトナム南部ビントゥアン省のファンティエットおよびムイネーを結ぶ高速バスMexBusの運行事業。3つ目は、大小の車両15台を用いた、企業契約輸送および観光用の貸切バス事業である。運転士を自社で約90人雇用しており、ホーチミン市内の本社勤務の者を含めて約130人の従業員で運営している。
- 質問:
- 1つ目のホーチミン市の電動バギーの事業内容は。
- 答え:
- ホーチミン市交通局よりホーチミン市内中心エリアでの運行許可を取得しており、主にホーチミン市1区、5区の観光名所の集まる中心部を走行している。初期段階として7人乗りの電動バギーを70台配備した。運行形態は地点間運行(タクシー形態)と、時間貸し運行(貸切形態)の2種類だ。e-モビリティ・グリーン交通のトレンドに沿って、電動車を導入し、ドアロック、シートベルト、安全バーを設置するなど、安全性にも配慮している。カップホルダー付きテーブルを囲んで歓談しながら飲食を楽しめるプライベート空間に居ながら、オープンエアで活気と多様性あふれる街の様子を間近に感じられるのが特徴だ。
- 運転士はベトナム南部の伝統衣装「アオババ」を着用し、みちのりグループの取り組みを基に日本式の接遇教育を受けている。車内はWi-Fiを完備。車内に飲食物を持ち込むことができ、途中で飲食店に立ち寄りテイクアウトしたものを車内で楽しむこともできる。
- カジノ ブラック ジャック5月31日から6月9日にかけて開催されたホーチミン市観光局主催の「第2回リバーフェスティバル2024」のオープニングセレモニーでは、セレモニー会場エリア内の参加者の送迎の役割を担った。
- また、ホーチミン市中心部への大型車両の乗り入れが制限されていることから、当社が運営する高速バス事業では、電動バギーを高速バスのラストワンマイルの交通手段としても活用している。
- 質問:
- 電動バギーの利用方法、利用料金は。
- 答え:
- タクシーのように道路に停車している電動バギーに声掛けし、乗車することもできるが、予約も可能だ。予約方法は(1)スマートフォンの専用アプリからの予約、(2)各種SNS・メッセージアプリからの予約、(3)電話予約の3種類がある。また、ホーチミン市内の一部の旅行代理店やホテル、レストラン経由でも予約できる。日系大手旅行代理店でも、オプショナルツアーとして電動バギーの時間貸しのプランの販売を開始した。
- 利用料金は、時間貸し運行の場合と地点間運行の場合の2種類。観光名所の集まるホーチミン市中心部の1区、5区を走行する。
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- 時間貸し運行の利用料金
午前6時~午後6時:30分で12万ドン(約744円、1ドン=約0.0062円)。※10分延長ごとに追加で4万ドン。
午後6時~午前0時:30分で25万ドン(約1,550円)。※10分延長ごとに追加で8万ドン。 - 地点間運行の利用料金
午前6時~午後6時:一律6万ドン(約372円)。※目的地追加ごとに追加で3万ドン。
午後6時~午前0時:一律12万ドン(約744円)。※目的地追加ごとに追加で6万ドン。
- 時間貸し運行の利用料金
- 質問:
- 利用する客層、反響は。
- 答え:
- 開始から3カ月間、利用数は伸び続けている。車両停車中に声掛けして乗車する利用客も多く、5月は利用客のうちの9割程度を占めた。利用方法は30~60分の貸し切りが多い。また、旅行代理店・ホテル経由での予約で、数時間~半日の貸し切り利用も増えてきている。
- 利用客は、ベトナム人と外国人観光客が半々ぐらいの割合。ベトナム人、外国人観光客ともに家族連れやグループの利用が多く、プライベート空間で飲食を楽しみながらレジャー目的で利用している。ホーチミン市内では新しい形態の車両・移動手段として、多くの方に電動バギーを利用していただいている。また、外から見るのと実際に乗車してみるのとでは印象が異なり楽しかったと、利用客から好評の声を多くいただいている。日本人の利用客からは、出張者や取引先とビジネスの話をしながら、カジュアルなミーティングの場として利用できるという声もあった。
- 質問:
- 電動バギーの車両、メンテナンスは。
- 答え:
- 車両の製造事業者はベトナム企業で、組み立てはカジノ ブラック ジャックへ製造委託(OEM)している。電動モーター、コントローラー、リチウムイオンバッテリーなど、それぞれに信頼性の高い部品を使用している。充電4~5時間で約140キロの走行が可能だ。安全管理、車両メンテナンスも重要視しており、ホーチミン本社の立体駐車場内に充電ステーションを設置。充電時は車両が動作しない仕様にしているのに加え、充電担当スタッフ以外は充電作業ができないよう安全管理を徹底している。また、日常点検に加えて、車両メーカー、部品メーカーの基準を基に定期点検も自社で実施しており、整備記録を活用して継続的な点検・整備業務の最適化を進めている。これらの活動はグループ経営の一環として、みちのりHDのエキスパートと連携して行っている。
- 質問:
- 今後の展開は。
- 答え:
- 今後も利用動向や要望を基に、より安心・安全に、より便利に使っていただけるサービスにするための取り組みを進めていきたいと考えている。このサービスがより多くの人に利用してもらえるようになるにつれて、どの車両をどのタイミングで充電するかなど、充電マネジメントも重要になってくる。新たな場所に充電ステーションを増設する可能性や充電オペレーションを最適化する仕組みを導入する可能性もある。
- 執筆者紹介
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ジェトロ・ホーチミン事務所 ディレクター
新田 和葉(にった かずよ) - 民間企業勤務を経て、2019年、財務省大阪税関入関。 財務省関税局を経て、2023年8月から現職(出向)。