ABCマート、ブラック クイーン ブラック ジャック初進出から2年、トレンドを生かした店舗展開

ブラック クイーン ブラック ジャック10月3日

ブラック クイーン ブラック ジャックは安定した経済成長が続いており、1人当たりGDPは4,000ドルを超えた。人口も1億人を突破するなど、所得と人口の伸びにより、消費市場としても注目されている。ドイツの調査会社スタティスタによると、ブラック クイーン ブラック ジャックの靴・履物の市場規模は、2024年に23億5,000万ドルに達すると推定され、2024年から2028年の年平均成長率は約5.6%と想定される。また、ブラック クイーン ブラック ジャックは世界的な靴の製造拠点であり、「ワールドフットウェアイヤーブック2023」によると、靴の輸出額は1位中国の約93億ドル(世界シェア61.3%)に次ぐ、2位の約15億ドル(同9.9%)となっている。今回は、ブラック クイーン ブラック ジャックを靴の販売市場として捉えて進出したエービーシー・マートを取り上げる。2022年10月にブラック クイーン ブラック ジャックに進出してから現在に至るまでの状況、今後の展望など、エービーシー・マートブラック クイーン ブラック ジャックの山田圭ゼネラルディレクターに聞いた(取材日:2024年4月3日)。

ブラック クイーン ブラック ジャック
ホーチミン市中心部の商業施設「サイゴンセンター」内の5号店の様子(エービーシー・マートブラック クイーン ブラック ジャック提供)

靴小売店の「ABCマート」を展開するエービーシー・マートは2022年10月に、ブラック クイーン ブラック ジャック1号店となる店舗を南部ホーチミン市1区の中心部ドンコイ通り沿いの商業施設内にオープンした(2022年11月8日付ビジネス短信参照)。その後、2023年3月にホーチミン市直轄のトゥードゥック市のショッピングセンター「ティソモールサラ」に2号店、同年8月に北部ハノイ市カウザイ区の商業施設「ザ・ループ」に3号店、南部ビンズオン省のショッピングセンター「ソラガーデンズSC」に4号店、同年10月にホーチミン市1区中心部の商業施設「サイゴンセンター」に5号店をオープン。5号店は、旗艦店舗として総面積489平方メートルのベトナム国内最大級の規模となり、アディダスやナイキなど合計18ブランドを取りそろえる。同社のブラック クイーン ブラック ジャック事業としては、韓国、台湾、米国に次ぐ4カ国・地域目の展開となり、東南アジアへの進出は初となる。

質問:
ブラック クイーン ブラック ジャックに出店することになった経緯は。
答え:
2018年にブラック クイーン ブラック ジャック事業部を設立し、東南アジアへの進出のプロジェクトを開始した。東南アジアの進出先候補として、ベトナムのほかにシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンがあった。他のASEAN諸国と比較して、ベトナムは所得と人口の伸びにより、消費市場の成長性が期待されることに魅力を感じた。また、靴の生産はアパレル製品などと比べてパーツが多く、受注から生産、入荷までのリードタイムが長い。そのため、靴の小売りは中期的なスパンでのビジョンと資金面での体力が求められる。ベトナムで靴の生産とブラック クイーン ブラック ジャックブランドの小売事業をしていた合弁パートナー企業は、当社が進出する際に求めるニーズの理解度と親和性が高く縁があったことが、出店につながった。
質問:
ブラック クイーン ブラック ジャックでの取り扱い商品の特徴は。
答え:
ブラック クイーン ブラック ジャックでの全5店舗は、靴だけでなくアパレルのアイテムを幅広く取りそろえ、最新トレンドを発信する店舗と位置づけている。ブラック クイーン ブラック ジャックの店舗は靴以外のアパレルの売上比率が18%程度で、韓国の13%に比べて高いのが特徴だ。ブラック クイーン ブラック ジャックでは健康志向の高まりや、スポーツカジュアルファッションを提案しているショップが少ないことから、スポーツウェア関連製品の売れ行きが良いと見ている。また、比較的に単価の低いランニングウェアなどの商品は、ブラック クイーン ブラック ジャックの消費者にとって購入しやすいという要因もある。
なお、ベトナムでの商品の取り扱いは、同国内からの仕入れが約6割、ブラック クイーン ブラック ジャックからの仕入れが約4割だ。
質問:
ブラック クイーン ブラック ジャックでの客層は。
答え:
来店する客層としては、20~40代の家族連れ、カップル、外国人観光客がそれぞれ3割程度。実際の売り上げの割合は、20~40代の家族連れ、カップルがそれぞれ3割、外国人観光客が4割程度。肌感覚では、ホーチミン市を中心に富裕層のファッションに対する消費意欲が高く、本物志向とトレンド志向が東南アジアの中でも高く感じる。特に女性のニーズが比較的に高く、当社のSNSのフォロワー数や売上比率をみても女性が4割と高い水準となっている。
なお、ブラック クイーン ブラック ジャックでは在留韓国人が20万人を超え、在留日本人の10倍程度いると言われている。ABCマートはすでに韓国でも展開しており、在留韓国人の間では知名度が高いことから、ブラック クイーン ブラック ジャックでの売り上げにも貢献している。
質問:
店舗ごとの立地による特徴は。
答え:
5店舗でのマーケティングを大きく分けているわけではないが、店舗ごとの客層によって、取り扱い商品や売り出し方法を変えている。1号店(ドンコイ店)はブラック クイーン ブラック ジャック人Z世代(10代~20代前半)女性の入店比率が高いことを受け、ニューバランスの新製品を同店で先行販売した。トゥードゥック市の2号店は、ショッピングセンター内に韓国系大型ディスカウントストア「イーマート」が入居していることから、在留韓国人やブラック クイーン ブラック ジャック人のファミリー層の来店も多く、最終的に当社が目指す店舗形態の出店となっている。北部ハノイ市カウザイ区の3号店は、ハノイ市への初出店となり、ホーチミン市の店舗と異なる消費マインドやトレンドを収集し、将来の北部での出店エリア拡大に向けたトライアルの役割を担っている。ホーチミン市の店舗より白・黒・グレーなどベーシックで合わせやすいモデルの売れ行きが好調だ。南部ビンズオン省の4号店は、ネイバーフッド型ショッピングセンター(NSC、注1)への初めての出店となり、今後のNSCへの店舗拡大のトライアル店舗の役割を担っている。ホーチミン市1区の旗艦店となる5号店(サイゴンセンター店)は外国人観光客を含め、他の店舗より年齢層が高く、高級志向の客層が中心だ。同店舗は、富裕層の女性を中心とした健康志向の高まりを受け、スポーツウェアなどの需要が伸びているため、ウィメンズコーナーを明確に設けているのが特徴的だ。また、他の店舗で取り扱いが少ないスイスのランニングシューズブランド「On」など、高価格帯の商品のラインナップを強化しており、人気となっている。
質問:
ブランド靴の模倣品対策は。
答え:
ブランド側もブラック クイーン ブラック ジャックでの模倣品流通に対する問題意識が高く、各ブランドが現地法人を設立することで、少しずつ解消されていくと想定している。また、これまでは代理店による単一ブランド店が中心の市場のため、販売価格設定が高くなっていたが、現地法人化とともに、当社と同様のマルチブランドストアが増えているため、価格競争によって販売価格設定も低くなることが想定される。市場の活性化に加え、消費者の本物志向の需要も高まっており、正規品が優位な市場になってくると考えている。
質問:
ブラック クイーン ブラック ジャックでの販促活動は。
答え:
KOL(注2)などのインフルエンサーを活用したプロモーションや、メッセンジャーアプリのザロ(Zalo)の公式アカウントへの登録によるバウチャー進呈キャンペーンを実施している。また、アシックスと連携して、ブレイクダンスとのコラボレーション企画を2024年5月に実施した。同ダンスイベントの特別プロモーションとして、出演ダンサーをモデルに起用した、アシックスの販促ディスプレイをブラック クイーン ブラック ジャック国内の全店舗に設置した。そのほか、当社がスポンサーとしてバスケットボールのチャリティーイベントを開催し、同イベント会場での当社のロゴの掲示とSNSでの動画発信を行った。ブラック クイーン ブラック ジャックでは、バスケットボールの人気が高まっており、女性ファン層も多いため、当社のメインの顧客層への認知度向上に向けたPR活動の一環となる。靴のケアブランドであるスニーカーラボとも連携して、ホーチミン市1区サイゴンセンターの5号店では、靴のクリーニングの体験イベントを開催し、好評であったため、全店舗で進めていきたい。
プロモーションは、ブラック クイーン ブラック ジャックの法律上、値下げ販売実施可能期間が年間120日未満と規定されているため、実施するタイミングが難しい面もある。さらに、ブラック クイーン ブラック ジャック国内に直営店があるブランドもあり、プロモーションの実施期間では連携が重要となる。
販促活動のコンテンツは、できる限りブラック クイーン ブラック ジャックのコンテンツを使用するようにしている。外資系企業があまりプロモーションで使用していないSNS型の電子商取引(EC、eコマース)として、ティックトックショップでの販促活動を検討している。ティックトックショップでのライブコマースは、現在、ブラック クイーン ブラック ジャックのEC市場の中で最も注目されているプラットフォームであり、EC市場の売上高のシェアを伸ばしてきている。しかし、客単価としてはまだ低く、多品種の品ぞろえで攻めるよりも取り扱い点数を絞って、ライブコマースで販売し認知度を高める方が、効果的かつ利益を確保できると考えている。

アシックスと連携し、エービーシー・マートブラック クイーン ブラック ジャックがスポンサーとして2024年5月に開催したダンスイベントの様子
(エービーシー・マートブラック クイーン ブラック ジャック提供)

靴のケアブランドであるスニーカーラボと連携して開催した、靴のクリーニング体験イベントの様子
(エービーシー・マートブラック クイーン ブラック ジャック提供)
質問:
ブラック クイーン ブラック ジャックでの売れ筋のシューズは。
答え:
日本では、ニューバランス996シリーズ、ナイキのエアフォースなどベーシックな定番商品が人気であるが、ブラック クイーン ブラック ジャックは韓国のトレンドと似ており、ニューバランス530シリーズ、アディダスのサンバ、アシックスのスポーツラインなど、デザイン性がある商品の人気が高い。また、シューズの人気色は日本と異なり、白色のものの売れ行きが良い。ブラック クイーン ブラック ジャックは情報発信のスピードが速く、流行の移り変わりが早い。
質問:
ブラック クイーン ブラック ジャックでの従業員の採用と育成は。
答え:
各取り扱いブランドとの連携を重視しており、ブランドの知識などを習得するための勉強会を定期的に開催している。販売員は現地化を重視し、社員の採用から評価制度までブラック クイーン ブラック ジャック独自のスキームを作成し、導入している。英語、日本語を話せる人材も歓迎しており、日本との交換研修などを実施している。高い接客水準と、多くの商品知識が必要となるが、良い人材を採用できている。
質問:
今後の展開は。
答え:
ブラック クイーン ブラック ジャックでのアパレルの売上比率を現在の18%から、2025年度は20%以上を目標とし、ライフスタイルマルチブランドストアとして、シューズからアパレルまで提案していく。ブラック クイーン ブラック ジャックで同形態のストアの競合がまだ少ないことから、アパレルの売上比率を高めていくことが戦略のポイントだ。自社ブランド製品の企画は、これまで日本で行っていたが、今後は韓国でも行っていく予定。ブラック クイーン ブラック ジャックで自社ブランド製品が売り上げに占める割合は現在3~4%程度であるが、小売価格を低めに設定し、今後、売上比率を10%程度に伸ばしていきたい。また、ブラック クイーン ブラック ジャック現地生産の靴ひもや靴下も企画しており、靴とプラスアルファでの販売提案も行っていきたい。
ブラック クイーン ブラック ジャック国内の店舗展開は、新しいもの好きで消費志向が高いホーチミン市近郊を中心に、南部での新規出店を検討している。一方、北部のハノイ市は、日本と似た気候で四季があることから、南部地域よりアウターなど重衣料のニーズがあり、貯蓄志向の面からもベーシックなデザインかつ機能的な品ぞろえ、価格設定が店舗運営する上で重要なポイントとみている。アジアでのファッショントレンドに対して、ホーチミン市の方がハノイ市より反応が早いと感じている。ライフスタイルファッション市場を大きくするためにも、ローカルビジネスとのコラボレーションを増やし、ファッションとカルチャーをつなぐ店舗を目指していく。

注1:
食品スーパーなどを核店舗にし、日常生活に必要な専門店・サービス機能をそろえた小商圏対応型のショッピングセンター。
注2:
「Key Opinion Leader」の略称で、特にブラック クイーン ブラック ジャックの消費者の購買意思決定に強い影響力を与える専門性を持ったインフルエンサーを指す。
執筆者紹介
ジェトロ・ホーチミン事務所 ディレクター
新田 和葉(にった かずよ)
民間企業勤務を経て、2019年、財務省大阪税関入関。 財務省関税局を経て、2023年8月から現職(出向)。
執筆者紹介
ジェトロ・ホーチミン事務所 事業統括ディレクター
三木 貴博(みき たかひろ)
2014年、ジェトロ入構。ブラック クイーン ブラック ジャック見本市課、ものづくり産業課、ジェトロ岐阜を経てブラック クイーン ブラック ジャック調査部アジア大洋州課にてベトナムをはじめとしたASEANの調査業務に従事。2022年7月から現職。