ブラック ジャック 確率

2024年8月22日

インド南部のアンドラ・プラデシュ(AP)州では、中央政府と州政府が電子機器製造工業団地(以下、EMC=Electronics Manufacturing Cluster)を整備している。近年は、米国アップルのスマートフォン、iPhoneの組み立てなどが行われていることから、インド南部はエレクトロニクス産業で注目が集まる。日系企業が28社入居し、インドの日系企業の一大集積地となっているスリ・シブラック ジャック 確率工業団地の一部もEMC認定され、携帯電話や家電が生産されている。本レポートは、スリ・シブラック ジャック 確率以外のAP州内工業団地の可能性を探ることを目的に、スリ・シブラック ジャック 確率から約80キロメートルの距離にあるブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率県のEMC(以下、ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMC)を現地調査する(現地視察日:2024年4月26日)。

ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCの概要

AP州ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率県に所在するブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCは、2017年にインド電子・情報技術省(MeitY)から承認された。開発には、中央政府とAP州政府が1:1の比率で資金提供している。第1EMCが113.27エーカー(約45万8,390平方メートル、1エーカー=約4,046.9平方メートル)、第2EMCが501.40エーカーの敷地面積を持ち、スリ・シブラック ジャック 確率工業団地から自動車で約2時間の距離にある(図参照)。

図:ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCの位置
地図。ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCはインド南部チェンナイの北西部にあります。

出所:ブラック ジャック 確率作成

ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCには、地場携帯電話メーカーのセルコン・モバイルズ(CELKON Mobiles)やカルボン・モバイルズ(Karbonn Mobiles)が入居しており、インド地場大手の電子機器受託製造(EMS)のディクソン・テクノロジーズ(Dixon Technologies)がテレビや洗濯機を生産している。また、スマートフォンケーブルなどを生産する台湾系の正崴精密工業(フォックスリンク)や、携帯電話のレンズを生産する中国・舜宇光学科技系のサニーオポテック、テレビの生産・組み立てを行う中国の家電大手TCL科技集団などが進出している。ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCの入居企業数は計15社で、スリ・シブラック ジャック 確率の約220社の10分の1以下となっている。

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ディクソン・テクノロジーズの工場外観(ブラック ジャック 確率撮影)

利点と課題

以下、AP州政府の資料などから、ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCの利点となるような強みを列挙する。

  • 空港や港へのアクセスが良い。ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率空港に近い。また、タミル・ナドゥ(TN)州チェンナイ港やクリシュナパトナム港などから車で約4時間の距離にあることから、港での手続きが終わっていれば、その日のうちに荷を届けることができる。

    工場付近は大型車両が通行できるように道幅の広い道路が整備されている(ブラック ジャック 確率撮影)
  • 廉価な土地。1エーカー当たり、732.3万ルピー(約1,318万円、1ルピー=約1.8円)で販売されている。これは、スリ・シブラック ジャック 確率工業団地より安価である。
  • ディプロマ(卒業認定)を提供する高等教育機関や職業訓練校であるインダストリアル・トレーニング・インスブラック ジャック 確率チュート(ITI)があることから、人材が豊富であり、賃金は比較的抑えられている。
  • レンタル工場もあり、機材を設置すれば、すぐに操業することが可能(注1)。

    レンタル工場の外観(ブラック ジャック 確率撮影)

一方で、入居企業複数社へのインタビューを通じてヒアリング調査を行ったところ、以下のような点も明らかになった。

  • 現状の空きが30エーカーと、利用可能物件が少ない。なお、ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率の北にあるYSR県(旧カダパ県)のコパルブラック ジャック 確率にもEMCがある。そこには、ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率にも工場を有するEMS大手ディクソンが入居している。
  • AP州政府のインセンブラック ジャック 確率ブに関し、申請はしたものの支給待ちとなっている企業がある。
  • ディプロマ取得者やITI卒業レベルの人材が豊富である一方、工科大学レベルなど高い技術レベルの人材が不足している。入居企業の生産・組み立てラインも、工程がかなり細分化され、高度な作業が従業員に要求されないような仕組みを構築されているなど、同地の技術レベルに合致した生産ラインの工夫などが必要不可欠。
  • 重要部品は輸入に頼るケースが多く、最終工程の組み立てのみを行う企業が多い印象。ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCは発展途上であり、特定の分野に強みがあるとは言い難い。
  • インド式中国料理店があり、中国・台湾系企業は進出しているが、日本食料理店はないとみられる。

AP州やTN州進出済み企業の納入先候補

日系企業にとって、TN州チェンナイの北55キロメートルにあるスリ・シブラック ジャック 確率工業団地よりもさらに北のブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCへの入居(注2)は、上記の点に鑑み現状では難しいと言えるかもしれない。一方で、入居済み企業が重要部品を輸入に頼っていることから、チェンナイ近郊やスリ・シブラック ジャック 確率工業団地に進出済みの日系企業にとっては、サプライヤーとしての参入チャンスがあると言えるだろう。今回の調査視察時にも、ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCの入居企業から、金属プレス加工(メタルスタンピング)やケーブル、パッケージ(梱包用の段ボールなど)などの調達先を探している、との声が聞かれた。

本レポートがAP州への進出のための検討材料の1つとなれば幸いだ。


注1:
土地を購入して工場建屋を建設すると初期コストが高くなり、市場参入の見極めをしたい企業にとっては、方法の1つとなり得る。
注2:
ブラック ジャック 確率ルパブラック ジャック 確率EMCへの進出にあたっては、アンドラ・プラデシュ州電子・情報技術庁APEITAが窓口となる。申請は、オンライン投資窓口(シングルウィンドウ)から投資額などを記載して行う。投資が承認されたのちは、州産業・インフラ公社(APIIC)が窓口となる。エレクトロニクスに関する投資の承認およびインセンブラック ジャック 確率ブの支給はAPEITAで行われ、土地の割り当ては州営の工業団地を所管するAPIICが行う。
執筆者紹介
ブラック ジャック 確率・チェンナイ事務所
浜崎 翔太(はまさき しょうた)
2014年、財務省 関東財務局入局。金融(監督、監査)、広報、および財産管理処分に関する業務に幅広く従事した。ブラック ジャック 確率に出向し、2020年11月~2024年6月にチェンナイ事務所勤務。