ドイツ国内乗用車生産・新規登録台数が好調
2023年乗用車市場(前編)
2024年6月13日
ブラック ジャック 勝率の乗用車生産、新規登録台数はともに前年比で増加した。ドイツ大手自動車メーカー3社〔フォルクスワーゲン(VW)グループ、BMWグループ、メルセデス・ベンツグループ〕の世界生産・販売台数は、新型コロナ禍以前の2019年の水準に達したものもあった。
2023年の国内乗用車生産台数が好調
ドイツ自動車産業連合会(VDA)によると、ブラック ジャック 勝率乗用車生産台数は410万9,371台(前年比18.1%増)だった。そのうち、電気自動車(EV)は合計126万6,780台(43.2%増)を占めた。2023年の国内乗用車生産台数は前年比で増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年比では11.9%減となった。また、2023年のドイツ自動車メーカー(VDA会員企業のみ)によるドイツ国外での乗用車生産台数は999万7,899台(前年比4.1%増)と増加した。
ドイツ自動車大手3社の中で、世界生産台数に明暗
2023年の世界生産台数では、VWグループおよびBMWグループが前年比で増加した。対照的に、メルセデス・ベンツグループは減少した。
VWグループ
VWグループ(中国の合弁会社分を含む)の2023年の世界の乗用車生産台数(乗用車以外の小型商用車も含む)は930万9,273台(前年比6.8%増)となった。同グループは、部品不足が2023年の世界生産台数に影響を及ぼしたにもかかわらず、前年比増になった要因として、2022年はウクライナ情勢と新型コロナ禍で生じたサプライチェーン断絶や生産停止などにより深刻な影響を受けたことを挙げた。また、ブラック ジャック 勝率生産台数は191万4,368台(16.2%増)だった。ドイツ国内生産台数のグループ全体でのシェアは20.6%となり、2022年の18.9%から1.7ポイント拡大した。
BMWグループ
BMWグループの2023年の世界の乗用車生産台数は266万1,922台(前年比11.7%増)だった〔中国の華晨汽車集団(Brilliance)による生産を含む〕。新型コロナ禍以前の2019年の世界生産台数を3.8%上回った。ブランド別にみると、BMWが234万547台(12.0%増)、MINIが31万5,196台(10.1%増)で、高級ブランドのロールスロイスは6,179台(1.0%減)にとどまった。バッテリー式電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド車(PHEV)は61万3,640台(32.7%増)となり、過去最高を記録した。うち、BEVが64.9%増の41万5,692台と大きく伸びた。
メルセデス・ベンツグループ
メルセデス・ベンツグループ傘下では、メルセデス・ベンツ・カーズ(スマートを含む)の2023年の世界乗用車生産台数は203万9,462台(前年比2.2%減)だった。そのうち、中国で生産された車両の台数は59万590台(0.2%減)となり、全体の29.0%のシェアを占めた。メルセデス・ベンツによると、2023年末の受注は2022年と同様の水準となり、特に「新型Eクラス」モデルがこれに貢献した。
ブラック ジャック 勝率乗用車新規登録台数は回復傾向
ドイツ連邦自動車局(KBA)は2024年1月4日、ブラック ジャック 勝率の乗用車新規登録台数(注)が284万4,609台(前年比7.3%増)と発表した(カジノ 無料、BEVが増加、PHEVは減少)。2022年からの増加傾向が続いたが、新型コロナ禍以前の2019年の水準をまだ21.1%下回っている。
主要メーカー・ブランド別にみると、ドイツ3大自動車メーカー・ブランドが上位を占めた(表1参照)。VWは51万9,089台(前年比7.9%増)と増加し、シェアは18.2%で最大だった。メルセデス・ベンツは27万7,352台(13.7%増)となり、シェアは9.8%になった。VW傘下のアウディは24万6,880台(15.7%増)と増加し、8.7%のシェアを占めた。これに、BMWが23万3,160台(11.2%増、シェア8.2%)、VW傘下シュコダが16万8,561台(17.1%増、5.9%)と続いた。
項目 | メーカー・ブランド | 台数 | シェア | 前年比 |
---|---|---|---|---|
上位10 メーカー ・ ブランド |
VW | 519,089 | 18.2 | 7.9 |
メルセデス・ベンツ | 277,352 | 9.8 | 13.7 | |
アウディ | 246,880 | 8.7 | 15.7 | |
BMW | 233,160 | 8.2 | 11.2 | |
シュコダ | 168,561 | 5.9 | 17.1 | |
オペル | 144,901 | 5.1 | 0.2 | |
セアト | 132,624 | 4.7 | 18.8 | |
フォード | 116,578 | 4.1 | △11.2 | |
現代 | 106,381 | 3.7 | 1.2 | |
フィアット | 76,535 | 2.7 | △1.6 | |
日系 メーカー ・ ブランド |
トヨタ | 75,199 | 2.6 | △4.0 |
マツダ | 46,413 | 1.6 | 32.6 | |
日産 | 31,856 | 1.1 | 22.2 | |
スズキ | 25,121 | 0.9 | 61.2 | |
三菱自動車 | 19,020 | 0.7 | △44.8 | |
ホンダ | 6,519 | 0.2 | △15.4 | |
スバル | 4,596 | 0.2 | 23.4 | |
レクサス | 3,259 | 0.1 | 18.7 | |
合計(その他を含む) | 2,844,609 | 100.0 | 7.3 |
出所:ドイツ連邦自動車局(KBA)の発表に基づきブラック ジャック 勝率作成
日系メーカー・ブランドでは、トヨタ自動車(レクサスを除く)が7万5,199台(前年比4.0%減)とやや減少したものの、シェアは2.6%で最大だった。他方、同社が展開する高級車ブランドのレクサスが伸びをみせ、3,259台(18.7%増)となった。マツダと日産もそれぞれ4万6,413台(32.6%増)と3万1,856台(22.2%増)と増加傾向にあり、シェアは1.6%、1.1%だった。スズキは2万5,121台(61.2%増)と大幅に増加した。他方、三菱自動車が1万9,020台(44.8%減)と落ち込んだ。ホンダも減少し、6,519台(15.4%減)となった。スバルは4,596台(23.4%増)と増加した。
2023年の国内乗用車新規登録台数を燃料別にみると、PHEVが大幅に落ち込んだ一方、BEVが増加傾向にあった(表2参照)。BEVは52万4,219台(前年比11.4%増)、PHEVは17万5,724台(51.5%減)となった。それぞれが全体に占めるシェアは18.4%、6.2%だった。ハイブリッド車(PHEVを含まない)が66万4,580台(42.9%増)と好調で、シェアは23.4%だった。
燃料 | 2023年 | ||
---|---|---|---|
台数 | シェア | 前年比 | |
ガソリン | 978,660 | 34.4 | 13.3 |
ハイブリッド(HEV、注) | 664,580 | 23.4 | 42.9 |
電気自動車(BEV) | 524,219 | 18.4 | 11.4 |
ディーゼル | 486,581 | 17.1 | 3.0 |
プラグインハイブリッド(PHEV) | 175,724 | 6.2 | △51.5 |
液化石油ガス(LPG) | 13,147 | 0.5 | △12.4 |
圧縮天然ガス(CNG) | 1,327 | 0.0 | △28.1 |
合計(その他を含む) | 2,844,609 | 100.0 | 7.3 |
注:ハイブリッド(HEV)にはプラグインハイブリッド(PHEV)を含まない。
出所:ドイツ連邦自動車局(KBA)
ガソリン車が97万8,660台(前年比13.3%増)となり、34.4%で最大のシェアを占めた。ディーゼル車は48万6,581台(3.0%増)で、シェアは17.1%だった。
VDAは、PHEVの新規登録台数が2023年に大きく減少した要因として、電気自動車などの購入時の助成制度「環境ボーナス(Umweltbonus)」によるPHEV向け助成の2022年末の終了を挙げた。また、連邦経済・気候保護省が2023年12月に発表した12月17日での「環境ボーナス」の突然の終了(経済・気候保護省、無料 ゲーム ブラック)は、2024年のドイツ国内の乗用車新規登録台数に影響を及ぼすとの予測を示した。
ドイツ自動車大手3社の2023年の世界販売台数が増加傾向に
ドイツ自動車大手3社は、いずれも2023年の世界販売台数を前年比で伸ばした。新型コロナ禍以前の2019年比では、VWグループおよびメルセデス・ベンツグループは2019年の水準にまで回復していないが、BMWグループが過去最高の世界販売台数を記録し、2019年を上回った。
VWグループ
VWグループの2023年の世界販売台数(乗用車以外の小型商用車も含む)は890万1,338台(前年比11.9%増)だった(表3参照)。新型コロナ禍前の2019年と比較すると17.1%減と、いまだに大きく下回っている。国・地域別にみると、アジア大洋州が358万2,447台(2.3%増)だった〔中国の合弁会社分を含む〕。うち中国が323万3,933台(1.6%増)、インドが10万1,553台(4.0%増)、日本が6万5,635台(7.4%増)だった。また、ドイツでの販売台数は114万1,418台(14.4%増)、米国は63万9,622台(13.3%増)となった。
国・地域名 | 販売台数 | 前年比 | 2019年比 |
---|---|---|---|
欧州・その他地域 | 3,953,397 | 19.9 | △16.1 |
西欧 | 3,141,434 | 20.1 | △13.4 |
ドイツ | 1,141,418 | 14.4 | △13.9 |
英国 | 489,088 | 29.6 | △10.1 |
イタリア | 269,479 | 20.4 | △13.3 |
フランス | 263,643 | 24.7 | △14.4 |
スペイン | 232,483 | 20.9 | △23.9 |
中・東欧 | 474,357 | 13.3 | △38.1 |
その他地域 | 337,606 | 28.4 | 6.3 |
北米 | 899,652 | 18.4 | △5.1 |
米国 | 639,622 | 13.3 | △2.2 |
南米 | 465,842 | 17.2 | △15.6 |
アジア大洋州 | 3,582,447 | 2.3 | △20.7 |
中国 | 3,233,933 | 1.6 | △23.5 |
インド | 101,553 | 4.0 | 97.0 |
日本 | 65,635 | 7.4 | △17.2 |
合計 | 8,901,338 | 11.9 | △17.1 |
注:中国の合弁会社分を含む。
出所:VWグループ「2023年年次報告書(2024年3月13日)」「2020年年次報告書(2021年3月16日)」に基づきブラック ジャック 勝率作成
ブランド別にみると、高級ブランドのベントレー以外のすべてのブランドが前年比で増加した(表4参照)。
ブランド名 | 2023年 | 前年比 | 2019年比 |
---|---|---|---|
VW乗用車 | 4,866,803 | 6.7 | △22.5 |
アウディ | 1,895,240 | 17.4 | 2.7 |
シュコダ | 866,820 | 18.5 | △30.3 |
セアト | 519,176 | 34.6 | △9.6 |
VWブランド商用車 | 409,406 | 24.6 | △16.7 |
ポルシェ | 320,221 | 3.3 | 14.0 |
ベントレー | 13,560 | △10.6 | 23.2 |
ランボルギーニ | 10,112 | 9.5 | 23.2 |
合計 | 8,901,338 | 11.9 | △17.1 |
注:中国の合弁会社分を含む。
出所:VWグループ「2023年年次報告書(2024年3月13日)」「2020年年次報告書(2021年3月16日)」に基づきブラック ジャック 勝率作成
BMWグループ
BMWグループの2023年の世界販売台数は255万4,183台(前年比6.4%増)だった(表5参照)。同グループは、2023年に過去最高の世界販売台数を更新し、新型コロナ禍以前の2019年の水準も0.7%上回った。
国・地域名 | 販売台数 | 前年比 | 2019年比 |
---|---|---|---|
欧州 | 942,958 | 7.3 | △12.8 |
ドイツ | 272,589 | 7.2 | △17.5 |
英国 | 159,202 | 1.2 | △31.9 |
米州 | 482,048 | 9.2 | 1.9 |
米国 | 397,325 | 9.3 | 5.7 |
アジア(注) | 1,073,115 | 4.1 | 15.3 |
中国 | 826,257 | 4.1 | 14.0 |
その他 | 56,062 | 15.2 | 7.4 |
合計 | 2,554,183 | 6.4 | 0.7 |
注:「アジア」「中国」には華晨汽車集団(Brilliance)との合弁会社分を含む。
出所:BMW「2023年報告(2024年3月21日)」「2020年報告(2021年3月17日)」を基にブラック ジャック 勝率作成
国・地域別では、販売台数が全ての主要市場で伸びをみせた。アジアが107万3,115台(前年比4.1%増)となり、うち中国は82万6,257台(4.1%増)と増加した〔中国の華晨汽車集団(Brilliance)との合弁会社分を含む〕。欧州は94万2,958台(7.3%増)で、うちドイツが27万2,589台(7.2%増)となった。米国が39万7,325台(9.3%増)と増加した。
ブランド別にみると、MINIおよび高級車のロールスロイスは微増にとどまった一方、BMWブランドは好調だった(表6参照)。
ブランド名 | 販売台数 | 前年比 | 2019年比 |
---|---|---|---|
BMW | 2,252,793 | 7.2 | 3.1 |
MINI | 295,358 | 0.8 | △15.0 |
ロールスロイス | 6,032 | 0.2 | 18.3 |
合計 | 2,554,183 | 6.4 | 0.7 |
注:「BMW」には華晨汽車集団(Brilliance)との合弁会社分を含む。
出所:BMW「2023年報告(2024年3月21日)」「2020年報告(2021年3月17日)」からブラック ジャック 勝率作成
メルセデス・ベンツグループ
メルセデス・ベンツグループ傘下、メルセデス・ベンツ・カーズの世界販売台数(スマートを含む)は204万4,051台(前年比0.2%増)だった(表7参照)。国・地域別にみると、実績に顕著な差があった。アジア大洋州が96万3,789台(2.5%減)と減少し、うち中国も73万7,226台(2.2%減)にとどまった。他方、欧州は65万9,627台(6.6%増)と増加した。うち、ドイツも23万4,274台(8.7%増)と好調だった。米国は振るわず、29万8,013台(0.9%減)となった。
国・地域名 | 2023年 | 前年比 | 2019年比 |
---|---|---|---|
欧州(注2) | 659,627 | 6.6 | △33.5 |
ドイツ | 234,274 | 8.7 | △30.1 |
アジア大洋州 | 963,789 | △2.5 | 2.6 |
中国 | 737,226 | △2.2 | 6.2 |
北米(注3) | 339,493 | △1.4 | △8.0 |
米国 | 298,013 | △0.9 | △4.8 |
その他 | 81,142 | △9.2 | △4.1 |
合計 | 2,044,051 | 0.2 | △14.3 |
注1:メルセデス・ベンツおよびスマートの合計。
注2:欧州はEU加盟国、英国、スイスおよびノルウェーを含む。
注3:北米は米国、カナダおよびメキシコを含む。
出所:メルセデス・ベンツグループ「2024年報告書(2024年2月22日)」「2020年報告書(2021年2月18日)」からブラック ジャック 勝率作成
- 注:
- 新車登録台数は、KBAが発表するドイツ国内の車両登録台数。一方、販売台数は、各メーカーが発表する各社の販売台数。
2023年乗用車市場
- ドイツ国内乗用車生産・新規登録台数が好調
- ドイツ自動車メーカー3社のBEV販売が増加
- 執筆者紹介
-
ブラック ジャック 勝率・ミュンヘン事務所
クラウディア・トーディ - 2020年からブラック ジャック 勝率・ミュンヘン事務所で調査、地域間交流を担当。