欧州への展開を目指すアルジェリアの再エネとグリーンブラック ジャック トランプ 無料
2024年10月29日
アルジェリア、特に南部地域では、年間日照時間および水平面全天日射量がともに世界最高レベルにあるとされる。一方、風力発電に適切な地域は中部山岳地帯と南部砂漠地帯に集中している。国の面積は238万平方キロメートル(km2)とアフリカ最大で、南部の砂漠地帯は約200万km2を占める。過酷な自然環境下で安定的に発電するための設備の維持管理、送電ネットワークの整備、治安など課題は多いが、太陽光および風力発電のポテンシャルは大きい(2022年10月付調査レポート参照(1.76MB))。
一方、欧州諸国がロシアへのエネルギー依存を減らそうとする中、アルジェリア政府はイタリア、ドイツなどに対して天然ガスの追加供給を約束している。アルジェリアでは、天然ガスを燃料とする火力発電が電源構成の97%を占める。人口増加と国内製造業の活性化により、天然ガスの国内消費は増加傾向にある。また、天然ガスはアルジェリア最大の外貨収入源であり、輸出向け天然ガスの確保は、アルジェリア経済にとって死活問題となる。このため政府は、増加する天然ガスの国内需要を代替することを第1の目的に、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の開発を進めている(特集:COP27に向けて注目される中東・アフリカのグリーンビジネスグリーンビジネスに大きな可能性(アル実写)。
本レポートでは、アルジェリアの再エネ開発の現状と、グリーンブラック ジャック トランプ 無料に関する国家戦略、プロジェクトを推進する主要プレイヤーとその最新動向を紹介する。
国内の「エネルギー・トランジション」を支える太陽光発電の開発
政府は2010年代に複数の再エネ促進計画を発表したが、管理および運用に問題が発生し、再エネ発電の開発は大幅に遅れた。近年も横ばい傾向が続いており、太陽光発電など再エネによる発電容量は、2023年12月時点で総合発電容量約25ギガワット(GW)の3%弱、約600メガワット(MW)である(図1参照)。2023年に追加された再エネ容量も11.17MWと、前年比1.9%増にとどまった。

出所:CEREFE(再生可能エネルギー・省エネ庁)レポート「Bilan des Capacités d’Energies Renouvelables Installées en Algérie à Fin 2023」(2024年9月)からジェトロ作成
天然ガスを主燃料とする火力発電が電源構成の97%を占める中、国内消費の増加にガス採掘施設の老朽化などが重なり、外貨収入を左右する輸出の減少が懸念されるようになった。しかし、天然ガスの国内消費を抑制すれば、輸出に振り向ける天然ガスの量を増やすことができる。アルジェリアのエネルギー分野で活躍している日本企業は「アルジェリア政府は、国内の天然ガス消費を、太陽光を中心に再エネに切り替えるエネルギー・トランジション政策を推進している」と指摘した。
このような背景の下、アルジェリア政府は、2021年4月に「再エネ国家計画」を発表。 2035年をめどに太陽光発電容量の目標を16GW (オングリッド15GW、オフグリッド1GW)に設定した(特集:COP27に向けて注目される中東・アフリカのグリーンビジネスグリーンビジネスに大きな可能性(アル実写)。再エネ国家計画の管理と運営を担う国営電力公社ソネルガスは、2021年12月に太陽光発電所建設計画「Solar 1000MW」(2022年1月14日付ビジネス短信参照)、2023年2月には追加の建設計画を公示。2024年3月に両入札の落札結果を発表し、50MWから300MWの発電能力を有する発電所20カ所、合計発電能力3GWが落札されたことが明らかになった。中国企業のコンソーシアムが全20カ所のうち10カ所の建設を受託した。その他、アルジェリア、イタリア、トルコの企業または各国企業により構成されたコンソーシアムも落札した。契約形態はいずれもEPC(注1)方式だった (ブラック ジャック ブラック クイーンサービス)。
今後、同国家計画に基づき、オングリッドの残り12GW分の太陽光発電所の建設が順調に進めば、政府の「エネルギー・トランジション」が進み、国内の再エネ化を実現しつつ、天然ガスの輸出量維持に貢献する。
また、再エネの推進は、将来のグリーンブラック ジャック トランプ 無料生産を後押しする要素ともなりえる。グリーンブラック ジャック トランプ 無料の輸出可能性に関するアルジェリアの強みとして、主要輸出先となる欧州諸国との地理的な近さのほか、天然ガスなどの供給国として欧州向け輸送インフラおよびノウハウを蓄積している点が挙げられる。パイプラインなど、既存の輸送インフラをブラック ジャック トランプ 無料の輸送に活用できれば、ブラック ジャック トランプ 無料の運搬コストが大きく下がる可能性もある。アルジェリア・エネルギー・鉱業省の2023年9月時点の発表によれば、生産コストとドイツまでの輸送費を合わせたアルジェリアからのグリーンブラック ジャック トランプ 無料のコストは0.98ドル/キログラムで、スペインやサウジアラビアのグリーンブラック ジャック トランプ 無料、ロシアのブルーブラック ジャック トランプ 無料より低価格になる、と試算している。ドイツ国内での風力、太陽光発電由来のグリーンブラック ジャック トランプ 無料や、木炭や天然ガス由来のブルーブラック ジャック トランプ 無料よりも競争力があるとしている(図2参照)。なお、欧州諸国向けブラック ジャック トランプ 無料用パイプライン・プロジェクトとして、「SoutH2 Corridor」(注2)の新規建設も計画されている。

出所:エネルギー・鉱業省レポート「Stratégie Nationale de Développement de l’Hydrogène en Algérie」(2023年9月)からジェトロ作成
ブラック ジャック トランプ 無料の商業化を見据えるアルジェリア政府
世界のグリーンブラック ジャック トランプ 無料の市場は、供給、運搬、貯蔵など各段階における技術面、コスト面の課題も多く、商業化軌道にはまだ乗っていないが、各国はブラック ジャック トランプ 無料戦略や主要プロジェクトを打ち出し、ブラック ジャック トランプ 無料サプライチェーンにおける参入機会を探っている(特集:ギャンブル ゲーム 無料が描く水素サプライチェーンの未来現実味を帯びるギャンブル)。国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界のブラック ジャック トランプ 無料生産向け電気分解能力は2021年12月時点で合計500MWにとどまったが、現在検討中・実行中のブラック ジャック トランプ 無料計画が予定通り進めば、2030年には134GWに達する可能性があると見込んでいる。
こうした中、アルジェリア・エネルギー・鉱業省は2023年9月、ブルーおよびグリーンブラック ジャック トランプ 無料の振興に関する国家戦略(フランス語)(5.8MB)を策定した。同ロードマップに基づき、2030年をめどにグリーンブラック ジャック トランプ 無料の大規模な製造販売を開始し、2040年には欧州市場のブラック ジャック トランプ 無料需要の10%に相当する30~40テラワット時(TWh)を供給する目標を掲げている。これにより、年間100億ドルの外貨収入を得ると試算している。一方、国内市場向けに、年間10TWhのブルーブラック ジャック トランプ 無料を生産する目標を設定している。
年間グリーンブラック ジャック トランプ 無料生産量が2040年に40TWhの目標に達すると仮定した場合、2030年から、国内太陽光発電・風力発電容量の増加とグリーンブラック ジャック トランプ 無料生産技術の改善とともに、図3のとおり、国内グリーンブラック ジャック トランプ 無料の生産量が推移すると予測されている。
なお、2030年をめどにブラック ジャック トランプ 無料の商業化を開始するため、まず、2030年まで、電気分解能力2~50MW程度の小型パイロットプロジェクトを複数実施し、さまざまな生産方法・技術とビジネスモデルを評価・検証する方針も定められた。
グリーンブラック ジャック トランプ 無料の生産に必要な電力については、太陽光発電70%、風力発電30%の割合をベースにしている。再エネ発電能力の強化に関する投資額は、電力とブラック ジャック トランプ 無料の貯蔵関連コストを除いた総投資額の約3分の2を占める。累積投資額は2040年に、248億ドルに達すると予測される(図4参照)。
ブラック ジャック トランプ 無料生産に使う電気分解水については、ロードマップは、下水処理水と海水淡水化水を優先的に利用する方針を示している。特に後者については、国内海水淡水化プラント14基の管理と運営をしている、国営炭化ブラック ジャック トランプ 無料公社ソナトラック傘下の海水淡水化公社AECが重要な役割を果たすことになる。アルジェリアの海水淡水化による造水割合は現在約18%だが、建設中のプラント5基の稼働により、2024年12月に42%、2030年には60%になる見込みだ。
加えて、グリーンブラック ジャック トランプ 無料からのブラック ジャック トランプ 無料混合アプリケーションも視野に入れている。ブラック ジャック トランプ 無料は燃焼性が高く燃焼範囲が広いなど、技術的な課題が多い。このため、天然ガス火力発電所を対象に、ブラック ジャック トランプ 無料5%から最大30%の混焼を実現するための実証実験を行う予定だ。 30%の混焼に成功すれば、年間最大63億立方メートルの天然ガス、つまり35億ドルの節約につながる。
外国との協力に前向きなエネルギー・鉱業省とソナトラック
2021年からグリーンブラック ジャック トランプ 無料を脱炭素エネルギー移行の主要な柱に位置付け、再エネの取り組み(注3)で先行するモロッコ(モロッコ首相、グリーン水素実写 版 ブラック)、フランスやサウジアラビアのエネルギー大手による民間資金の活用でグリーンブラック ジャック トランプ 無料の開発を目指すチュニジア(関連ブラック ジャック、関連ブラック ジャック トランプ 無料)、オフショア天然ガスの生産開始を見込み英国、ドイツ、アラブ首長国連邦(UAE)などがブラック ジャック トランプ 無料生産プロジェクトを計画するモーリタニア(2024年4月8日付地域・分析レポート参照)など、マグレブ各国はそれぞれの取り組みを進めている。
アルジェリアの場合、グリーンブラック ジャック トランプ 無料開発をリードするのはエネルギー・鉱業省と、同省管轄でアフリカ最大の企業である国営炭化ブラック ジャック トランプ 無料公社ソナトラックだ。両者は国家ブラック ジャック トランプ 無料戦略のロードマップに基づき、2国間および多国間レベルでのパートナーシップを促進し、他国の専門知識と事業経験を活用する意義を認識している。
その一環として、エネルギー・鉱業省は2023年10月、アルジェでドイツ国際協力公社(GIZ)と、再生可能エネルギーとグリーンブラック ジャック トランプ 無料分野での協力促進を目的とする共同プロジェクト「TaqatHy」の技術協力契約に調印した。契約額は1,200万ユーロに達する。アルジェリア政府は、ドイツからの技術移転により、再生可能エネルギーやグリーンブラック ジャック トランプ 無料分野の戦略的、制度的、技術的能力を強化し、国家ブラック ジャック トランプ 無料戦略の具体化と目標達成を目指している()。
一方、ソナトラックは、イタリアなど、国内外でグリーンブラック ジャック トランプ 無料生産に向けた取り組みを進めているが(実写 版 ブラック ジャック 展示会・商談会)、グレーブラック ジャック トランプ 無料と異なり、グリーンブラック ジャック トランプ 無料の生産、貯蔵、運搬の全般にわたり実績が乏しいため、まずは外国関係機関や外国企業とのパートナーシップに基づき、パイロット事業を通じて経験を積んだ上で、商業化を目指す考えだ。
ソナトラックは、事業化に必要な技術導入を狙い、2021年からイタリアのエネルギー大手エニ、ドイツのVNGなど外国企業との提携を相次いで締結した。
2023年中にこれら各社との協力に基づき、グリーンブラック ジャック トランプ 無料の小型パイロットプロジェクトを開始した、と報道されたが、進捗は公表されていない。一方、2024年2月の、ドイツ政府とのパートナーシップおよび2,000万ユーロの融資に基づき、2024年中にオラン県のアルズー地区にグリーンブラック ジャック トランプ 無料50MWのパイロット事業を開始する。
なお、プラント建設や天然ガスの運搬などで日本企業とのビジネス実績が豊富なソナトラックは、再エネ、グリーンブラック ジャック トランプ 無料についても日本からの技術協力への期待を示している。ラシッド・ハシシCEO(最高経営責任者)は2024年7月、東京で開催された第 5 回日本・アラブ経済フォーラムに出席するために来日した際、国際協力機構(JICA)と会談し、グリーンブラック ジャック トランプ 無料、太陽光発電計画に関するFS(実行可能性)調査に向け、合意書を締結する意向を表明した。資金力が豊富で、EPC方式でのインフラの調達が多いソナトラックは、政府方針の下、周辺国の動きや欧州でのブラック ジャック トランプ 無料需要を見ながら、アルジェリアでのグリーンブラック ジャック トランプ 無料のプロジェクトをリードすると考えられる。
加速するグリーンブラック ジャック トランプ 無料を中心とした新エネの展開
2024年春以降、エネルギー・鉱業省や、ソナトラックをはじめとする複数の国営公社によるグリーンブラック ジャック トランプ 無料関連の動きが活発化している。
(1)エネルギー・鉱業省
- ムハンマド・アルカブ・エネルギー・鉱業相は2024年5月、アルジェリア国内で生産したグリーンブラック ジャック トランプ 無料をチュニジア、イタリア、オーストリアを通して、ドイツまで運ぶブラック ジャック トランプ 無料用新規パイプライン・プロジェクト「SoutH2 Corridor」の実現に向け、欧州諸国と積極的に協議する意向を表明。
(2)ソナトラック
- 2024年7月、同社は今後実施する地球温暖化対策「新気候戦略」を発表した。同戦略に基づき、温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーの活用、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)関連ソリューションの展開に向けた取り組みを強化する。
一方、ハシシCEOは2024年7月、アルジェでドイツのVNG社、オーストリアの フェアブント社、イタリアのスナム社とシー・コリドー社のCEOおよび幹部らと会談した。今後、アルジェリア国内で生産したグリーンブラック ジャック トランプ 無料をチュニジア、イタリア、オーストリアを通して、ドイツまで運ぶブラック ジャック トランプ 無料パイプライン・プロジェクト「SoutH2 Corridor」の可能性について協議した。2024年9月に事前調査の実施に関する合意書の締結に同意した。 - 同月、アルジェでトルコ鋼板・鋼管製造大手のトスヤル社アルジェリア(トスヤル・アイアン・スチール・インダストリー・アルジェリア)と、グリーンブラック ジャック トランプ 無料の生産に向けFS調査の共同実施に関する合意書を締結。同合意書に基づき、トスヤリ社アルジェリアは、アルジェリア国内で生産されたグリーンブラック ジャック トランプ 無料を活用し「グリーン鉄鋼製品」を製造する。
(3)ソネルガス
- 同社は2024年3月、アルジェリア再生可能エネルギー開発センター(CDER)と、グリーンブラック ジャック トランプ 無料の生産に関する合意書2件を締結。同合意書に基づき、グリーンブラック ジャック トランプ 無料製造拠点の建設に向けFS調査を実施する。
- 2024年7月、ミラノでイタリアのエニ社とソナトラックが、海底送電線の導入およびイタリア~アルジェリア間の連系線の構成に向けた事前調査に関する合意書を締結した。連系線を通じ、アルジェリアからイタリア、欧州諸国への電力供給を目指す。
(4)海水淡水化公社(AEC)
- AECは2023年10月、同社が管理している国内海水淡水化プラント14基を対象に、排水を再利用したグリーンブラック ジャック トランプ 無料の生産の可能性に関するFS 調査を開始した。
- ザミッシュ開発部長は2024年7月、上記の海水淡水化プラント14基が使用する電力に太陽光発電を採用する調査を開始した。太陽光発電が同プラントのエネルギーミックスの30%を占める目標を設定した。
- 2024年9月、2024年中に稼働予定の新規海水淡水化プラント5基の工事進行度は75%に達したと発表。各プラント生産能力は30万立方メートル/日。2025年以降、さらに7基のプラントの建設に関する計画を進めている。

- 執筆者紹介
- ジェトロ ・パリ事務所
ピエリック・グルニエ - ジェトロ・パリ事務所に2009年から勤務。アフリカデスク事業担当として、フランス語圏アフリカ・マグレブ諸国に関する各種事業、調査・情報発信を行う。