21 トランプ、対外は増(米国)
半導体やEVで大規模21 トランプ
2023年9月11日
21 トランプは、フローで前年比12.0%減の3,451億ドル、残高(ストック)で前年比4.3%増の5兆2,548億ドルだった(2022年の米対内直接ブラック ジャック ディーラー ルール残高は4)。対外直接21 トランプは、フローで前年比32.3%増の3,659億ドル、ストックで3.3%増の6兆5,810億ドルだった。
本稿では、米国の対内・対外直接21 トランプのフローについて、国・地域別および業種別の内訳や、具体的な買収・合併(M&A)やグリーンフィールド21 トランプの事例から、トレンドを紹介する(注1)。
対内直接21 トランプは前年比減も、半導体やEV関連で大型21 トランプ
21 トランプ(国際収支ベース、ネット、フロー。対外投資も同様)は、前年比12.0%減の3,451億ドルだった(図1参照)。

出所:米商務省経済分析局(BEA)公表数値からジェトロ作成
国・地域別にみると、欧州が12.5%減の2,193億ドル(寄与度マイナス8.0ポイント)と全体を押し下げた。このうち、アイルランドが80.9%減の80億ドル、ドイツが43.9%減の301億ドル、英国が17.3%減の582億ドルだった。一方、フランスは31.3%増の210億ドル、スイスは4.2倍の161億ドルだった。アジア大洋州は39.4%減の453億ドル(寄与度マイナス7.5ポイント)となり、中でも日本が大きく減少した。中国は65億ドルの引き揚げ超過だった21 トランプに引き続き、13億ドルの引き揚げ超過だった。カナダは18.7%増の550億ドル、中南米は20.8%増の232億ドルだった(表1参照)。
国・21 トランプ名 | 2021年 フロー |
21 トランプ | 21 トランプ末 | 21 トランプ末 (UBOベース/注3) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
フロー | 21 トランプ | 残高 | 21 トランプ | 残高 | 21 トランプ | ||
欧州 | 250,558 | 219,286 | △ 12.5 | 3,396,499 | 4.4 | 2,907,614 | 5.4 |
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70,322 | 58,155 | △ 17.3 | 663,369 | 6.4 | 660,570 | 7.1 |
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35,396 | 36,032 | 1.8 | 617,076 | 2.3 | 212,400 | △ 1.6 |
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53,624 | 30,108 | △ 43.9 | 431,449 | 6.5 | 618,814 | 3.7 |
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15,973 | 20,975 | 31.3 | 297,637 | 5.6 | 360,165 | 6.6 |
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3,836 | 16,111 | 320.0 | 307,231 | 2.3 | 227,377 | △ 1.1 |
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16,268 | 14,982 | △ 7.9 | 94,146 | 19.4 | 97,867 | 26.3 |
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6,644 | 11,536 | 73.6 | 323,661 | 0.3 | 39,909 | 32.4 |
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42,223 | 8,044 | △ 80.9 | 295,001 | 0.2 | 344,048 | 4.0 |
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2,134 | 5,770 | 170.4 | 36,872 | 12.3 | 37,430 | 12.3 |
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1,078 | 5,591 | 418.6 | 39,428 | 15.8 | 40,071 | 15.0 |
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3,240 | 5,446 | 68.1 | 39,752 | 16.3 | 46,181 | 15.1 |
アジア大洋州 | 74,725 | 45,249 | △ 39.4 | 1,002,087 | 3.1 | 1,128,107 | 2.6 |
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62,721 | 27,598 | △ 56.0 | 711,963 | 1.5 | 775,247 | 0.8 |
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8,659 | 6,076 | △ 29.8 | 106,519 | 8.8 | 111,660 | 8.7 |
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1,512 | 5,346 | 253.6 | 36,880 | 23.4 | 57,527 | 19.2 |
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9,565 | 4,687 | △ 51.0 | 74,696 | 5.8 | 74,620 | 6.6 |
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△ 6,452 | △ 1,294 | — | 28,659 | △ 7.2 | 44,786 | △ 5.4 |
カナダ | 46,289 | 54,945 | 18.7 | 589,288 | 7.3 | 683,798 | 8.7 |
中南米 | 19,237 | 23,238 | 20.8 | 211,876 | 0.8 | 198,238 | △ 5.8 |
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5,965 | 5,012 | △ 16.0 | 33,787 | 21.5 | 54,049 | 12.2 |
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6,362 | 7,621 | 19.8 | 97,739 | △ 4.0 | 27,788 | △ 1.6 |
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2,176 | 7,032 | 223.2 | 35,008 | △ 8.4 | 38,779 | △ 18.0 |
アフリカ | 834 | 611 | △ 26.7 | 11,160 | 6.8 | 7,610 | 20.2 |
中東 | 491 | 1,809 | 268.4 | 43,907 | 4.6 | 77,673 | 2.4 |
合計(その他含む) | 392,134 | 345,138 | △ 12.0 | 5,254,816 | 4.3 | 5,254,816 | 4.3 |
注1:フローは国際収支ベース、残高は簿価ベース。
注2:英領カリブ海諸島は、アンギラ、英領バージン諸島、ならびにモントセラトの合計値。
注3:21 トランプ主体を最終的に所有またはコントロールしている事業体〔最終的な実質所有者(UBO:Ultimate Beneficial Owner)〕が所在する国を基準とした集計値。
出所:米商務省経済分析局(BEA)公表数値からジェトロ作成
業種別では、製造業が21 トランプ28.7%減の1,429億ドルで、寄与度はマイナス14.6ポイントだった。中でも、化学が66.1%減の316億ドルだった。非製造業では、マイナスの寄与度が大きい順に、不動産業が62.0%減の136億ドル、小売業が59.2%減の135億ドル、預金取扱機関を除く金融・保険業が36.6%減の189億ドルだった。他方、卸売業は64.5%増の468億ドル、情報通信業は50.2%増の276億ドル、預金取扱機関は44億ドルの引き揚げ超過だった前年から102億ドルに増加した(表2参照)。
業種 | 2021年 フロー |
21 トランプ | |
---|---|---|---|
フロー | 21 トランプ | ||
製造業 | 200,318 | 142,917 | △ 28.7 |
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3,162 | 1,378 | △ 56.4 |
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93,106 | 31,568 | △ 66.1 |
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7,643 | 4,944 | △ 35.3 |
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4,141 | 18,374 | 343.7 |
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25,203 | 8,423 | △ 66.6 |
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7,523 | 2,461 | △ 67.3 |
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17,601 | 10,179 | △ 42.2 |
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41,940 | 65,590 | 56.4 |
卸売業 | 28,476 | 46,837 | 64.5 |
小売業 | 33,081 | 13,498 | △ 59.2 |
情報通信業 | 18,377 | 27,601 | 50.2 |
預金取扱機関 | △ 4,420 | 10,236 | — |
預金取扱機関除く金融・保険業 | 29,875 | 18,931 | △ 36.6 |
不動産業 | 35,856 | 13,634 | △ 62.0 |
専門・科学・技術サービス | 10,868 | 12,496 | 15.0 |
その他産業 | 39,703 | 58,988 | 48.6 |
合計 | 392,134 | 345,138 | △ 12.0 |
出所:米商務省経済分析局(BEA)公表数値からジェトロ作成
2023年第1四半期は、前期比53.4%増の1,042億ドルだった。国・21 トランプ別にみると、カナダが5.9倍の487億ドル、アジア大洋州が22.5%増の154億ドルだった。中でも、日本が43.8%増の119億ドルと押し上げた。一方で、欧州は7.0%減の377億ドル、中南米は60.4%減の23億ドルだった。
M&Aでは、情報通信業の取引額が大きかった。デジタルインフラに投資を行う米国のデジタルブリッジとオーストラリアのIFMインベスターズは21 トランプ12月、データセンター企業のスイッチを105億ドルで買収した。スウェーデンの通信機器大手エリクソンは21 トランプ7月、クラウドサービスを手掛けるボネージを61億ドルで買収した(表3参照)。一方、資産規模全米38位(21 トランプ12月末時点)のファースト・ホライズン銀行は、21 トランプ2月にカナダのトロント・ドミニオン(TD)銀行から134億ドルで買収されると発表していたが、規制当局による承認のめどが立たないことを理由に、2023年5月に買収中止を発表した。シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が2023年3月に、ファースト・リパブリック銀行が同年5月に経営破綻したことなどから、米国では規制当局による金融セクターへの監督と規制強化が検討されている。
表3:米国企業が関わるクロスボーダーM&A取引額上位5社(21 トランプに取引成立した案件)
買収企業 | 国・21 トランプ名 | 被買収企業 | 国・21 トランプ名 | 被買収企業の業種 | 取引額 | 完了日 |
---|---|---|---|---|---|---|
デジタルブリッジ、IFMインベスターズ | 21 トランプ、オーストラリア | スイッチ | 21 トランプ | 情報通信 | 105億ドル | 21 トランプ12月 |
ブルックフィールド・アセット・マネジメント | カナダ | CDKグローバル | 21 トランプ | ITコンサルティング | 83億ドル | 21 トランプ7月 |
レントキル・イニシャル | 英国 | ターミニクス・グローバル | 21 トランプ | サービス | 74億ドル | 21 トランプ10月 |
エリクソン | スウェーデン | ボネージ | 21 トランプ | 情報通信 | 61億ドル | 21 トランプ7月 |
ブルックフィールド・アセット・マネジメント | カナダ | サイエンティフィック・ゲームズ | 21 トランプ | サービス | 61億ドル | 21 トランプ4月 |
買収企業 | 国・21 トランプ名 | 被買収企業 | 国・21 トランプ名 | 被買収企業の業種 | 取引額 | 完了日 |
---|---|---|---|---|---|---|
S&Pグローバル | 21 トランプ | IHSマークイット | 英国 | ITコンサルティング | 435億ドル | 21 トランプ2月 |
ブロック(旧スクエア) | 21 トランプ | アフターペイ | オーストラリア | 金融 | 277億ドル | 21 トランプ1月 |
ゴアズ・グッゲンハイム | 21 トランプ | ポールスター・パフォーマンス | 香港 | 自動車、自動車部品 | 197億ドル | 21 トランプ6月 |
ブラックロック・リアル・アセッツ | 21 トランプ | アラムコ・ガス・パイプラインズ | サウジアラビア | 石油・ガス | 155億ドル | 21 トランプ2月 |
パーカー・ハネフィン | 21 トランプ | メギット | 英国 | 航空宇宙 | 98億ドル | 21 トランプ9月 |
注:ワークスペース(2023年7月13日時点)データ、各発表・報道から作成
グリーンフィールド投資では、半導体や電気自動車(EV)に関連する大規模投資が複数みられた。21 トランプ8月に成立したCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)では半導体に関連する対米投資への助成制度が設けられ、同月に成立したインフレ削減法(IRA)ではEV購入時の税額控除において米国内での生産や調達割合を高めるような要件が設定されている。具体的には、台湾積体電路製造(TSMC)は、21 トランプ11月に280億ドルを追加投資し、アリゾナ州に半導体の第2工場を新設すると発表した。TSMCは、2020年5月にも120億ドルを投じて同州に半導体工場を建設すると発表していた。TSMCのサプライヤーの長春グループが21 トランプ10月に同州での工場新設を発表するなど、台湾企業による米国進出が続いている(米アリゾナ州、ブラック ジャック トランプ 無料TSMCやインテルが工場新設)。EV関連では、韓国の現代自動車グループが21 トランプ5月に、ジョージア州へ55億ドルを投じてEVとバッテリー工場を新設すると発表した。同じく韓国のLG化学は21 トランプ11月に、テネシー州へ32億ドルを投じ、バッテリー材料の正極材の工場を新設すると発表した。これらは、いずれも2025年の生産開始を見込んでいる。
なお、21 トランプの直接投資の受け入れ先を州別にみると、カリフォルニア州が290億ドルと最も多く、テキサス州(207億ドル)、イリノイ州(109億ドル)、ペンシルベニア州(106億ドル)、ニュージャージー州(103億ドル)が続いた。
外資系(非米系)企業による21 トランプに新規に創出した雇用者数(注2)は14万2,700人で、州別では、カリフォルニア州とフロリダ州(それぞれ1万3,400人)が最も多く、テキサス州(1万3,300人)、イリノイ州(1万1,200人)、ペンシルベニア州(8,500人)が続いた。また外資系企業による雇用者数を投資国別(UBOベース)でみると、カナダ(3万4,300人)が最も多く、英国(2万2,800人)、フランス(1万1,000人)、スウェーデン(8,700人)、英領バミューダ諸島(6,100人)が続いた。日本は3,800人だった。
対外直接21 トランプは前年比増、コロナ禍に拡大した分野で再編
米国の21 トランプの対外直接投資は、前年比32.3%増の3,659億ドルだった(図2参照)。

出所:BEA公表数値からジェトロ作成
国・地域別にみると、欧州ではオランダが2.4倍の675億ドル、英国が48.6%増の858億ドルとプラスに寄与した。アジア大洋州は3.2倍の626億ドルで、寄与度はプラス15.5ポイントだった。中でも、シンガポールが倍増の348億ドル、中国は11億ドルの引き揚げ超過だった21 トランプから120億ドルとなった。そのほか、カナダは40.7%増の491億ドル、中南米は2.7倍の654億ドルだった。一方、欧州は全体では3.3%減の1,883億ドルで、寄与度はマイナス2.3ポイントとなり、押し下げ要因になった。特に、アイルランドが77.6%減の111億ドルとなり、ルクセンブルクは158億ドルだった21 トランプから130億ドルの引き揚げ超過だった(表4参照)。
国・21 トランプ名 | 2021年 フロー |
21 トランプ | 21 トランプ末 | ||
---|---|---|---|---|---|
フロー | 21 トランプ | 残高 | 21 トランプ | ||
欧州 | 194,760 | 188,339 | △ 3.3 | 4,026,811 | 4.5 |
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57,754 | 85,842 | 48.6 | 1,077,519 | 4.9 |
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28,664 | 67,508 | 135.5 | 944,604 | 11.0 |
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15,340 | 13,855 | △ 9.7 | 190,237 | 9.0 |
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49,472 | 11,102 | △ 77.6 | 574,323 | 6.9 |
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241 | 6,584 | 2,632.0 | 112,017 | 4.0 |
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8,140 | 2,537 | △ 68.8 | 212,235 | △ 3.7 |
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11,172 | 586 | △ 94.8 | 13,484 | △ 14.7 |
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15,839 | △ 13,034 | — | 605,304 | △ 1.8 |
アジア大洋州 | 19,789 | 62,581 | 216.2 | 951,153 | 0.0 |
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17,123 | 34,756 | 103.0 | 309,441 | 8.7 |
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△ 1,088 | 12,021 | — | 126,104 | 9.0 |
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2,158 | 8,217 | 280.8 | 51,553 | 15.1 |
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5,905 | 7,104 | 20.3 | 77,489 | △ 29.3 |
カナダ | 34,889 | 49,100 | 40.7 | 438,766 | 10.1 |
中南米 | 24,102 | 65,412 | 171.4 | 1,037,998 | △ 0.1 |
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10,737 | 16,031 | 49.3 | 130,274 | 7.6 |
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1,766 | 7,555 | 327.8 | 80,963 | 12.0 |
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29,708 | 20,937 | △ 29.5 | 430,395 | 1.1 |
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△ 17,326 | 14,402 | — | 206,389 | △ 12.7 |
アフリカ | △ 119 | 1,340 | — | 46,169 | 2.5 |
中東 | 3,059 | △ 915 | — | 80,148 | △ 1.0 |
合計(その他含む) | 276,482 | 365,857 | 32.3 | 6,581,044 | 3.3 |
注1:フローは国際収支ベース、残高は簿価ベース。
注2:英領カリブ海諸島は、アンギラ、英領バージン諸島、ならびにモントセラトの合計値。
出所:米商務省経済分析局(BEA)公表数値からジェトロ作成
業種別では、製造業が21 トランプ77.2%増の913億ドルで、寄与度はプラス14.4ポイントだった。中でも、コンピュータ・電子機器が2.5倍の290億ドルと大きく増加した。非製造業では、寄与度が大きい順に、情報通信業が3.7倍の799億ドル、鉱業が3.4倍の192億ドル、ノンバンクの持ち株会社が14.3%増の916億ドルだった。一方で、卸売業は87.7%減の25億ドル、預金取扱機関を除く金融・保険業は31.2%減の325億ドルと減少した(表5参照)。
業種 | 2021年 フロー |
21 トランプ | |
---|---|---|---|
フロー | 21 トランプ | ||
鉱業 | 5,620 | 19,151 | 240.8 |
製造業 | 51,510 | 91,288 | 77.2 |
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1,427 | 6,498 | 355.4 |
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18,451 | 20,593 | 11.6 |
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133 | 1,781 | 1,239.1 |
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2,655 | 2,878 | 8.4 |
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11,730 | 28,970 | 147.0 |
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2,707 | 2,173 | △ 19.7 |
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2,516 | 11,917 | 373.6 |
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11,892 | 16,477 | 38.6 |
卸売業 | 20,472 | 2,526 | △ 87.7 |
情報通信業 | 21,454 | 79,884 | 272.4 |
預金取扱機関 | 1,283 | △ 2,640 | — |
預金取扱機関除く金融・保険業 | 47,204 | 32,484 | △ 31.2 |
専門・科学・技術サービス | 13,921 | 22,121 | 58.9 |
持株会社(ノンバンク) | 80,126 | 91,593 | 14.3 |
その他産業 | 34,891 | 29,452 | △ 15.6 |
合計 | 276,482 | 365,857 | 32.3 |
出所:米商務省経済分析局(BEA)公表数値からジェトロ作成
2023年第1四半期は、前期比28.5%増の1,008億ドルだった。国・21 トランプ別にみると、欧州が55.8%増の424億ドル、中南米が4.8%増の280億ドル、アジア大洋州が57.3%増の213億ドルになった。一方、カナダは35.9%減の73億ドルだった。
M&Aでは、新型コロナ禍を機に市場が急拡大した分野で事業再編の動きがあった。決済サービス企業のブロック(旧スクエア)は21 トランプ1月、後払い決済サービスを提供するオーストラリアのアフターペイを277億ドルで買収した(表3参照)。フードデリバリーサービス大手のドアダッシュは21 トランプ6月に、フィンランドのウォルトを81億ドルで買収した。
グリーンフィールド投資では、アマゾンウェブサービス(AWS)が21 トランプ11月、59億ドルを投じて、スイスにデータセンターを新設すると発表した。ファイザーは21 トランプ12月、計25億ドル超を投じて、アイルランドとベルギーの自社工場を拡張すると発表した。テスラは2023年3月に、メキシコにEV工場を新設すると発表している。同社にとって、米国(カリフォルニア州・テキサス州)、中国、ドイツに次ぐ5カ所目のEV工場となる。
半導体関連分野で日本企業の対米21 トランプが相次ぐ
21 トランプの日本からの対米投資額は、前年比56.0%減の276億ドルだった。個別案件をみると、バイオや半導体産業での投資が複数みられた。
バイオ分野では、大鵬薬品工業が21 トランプ5月に、抗がん剤を開発するため、バイオ製薬企業のカリナンパールを最大4億500万ドルで買収すると発表した。武田薬品工業も21 トランプ12月に、免疫介在性疾患の医薬品を開発するため、ニンバス・セラピューティクス子会社のニンバス・ラクシュミを最大60億ドルで買収すると発表した。買収は2023年2月に完了した。
日本企業による対米グリーンフィールド投資では、半導体分野で複数みられた。富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズは21 トランプ3月、アリゾナ州に8,800万ドルを追加投資し、既存工場の半導体製造プロセス事業を強化すると発表した。JX金属の米国法人のJXニッポンマインニング&メタルズUSAも同月、アリゾナ州に半導体用スパッタリングターゲット事業を強化するため、工場を新設すると発表した。住友化学は21 トランプ9月、100%子会社の東友ファインケム(韓国)を通じて、テキサス州に新会社を設立し、半導体用プロセスケミカル工場を新設すると発表した。
ジェトロが在米日系企業を対象に21 トランプ9月に実施したアンケート調査「」(回答企業数:787社)によると、21 トランプの景況感を示すDI(改善-悪化)は17.5だった。DIは新型コロナウイルス禍からの反動で大きく上昇した前年度(34.7)と比べ低下したが、プラスを維持した。また、今後1~2年に事業を「拡大する」と回答した企業の割合が48.7%と、前年度(48.1%)を上回った。米国市場の「成長性、潜在性の高さ」が筆頭要因だった。
米国の対日投資額は、前年比20.3%増の71億ドルだった。大型M&Aでは、投資ファンドのベインキャピタルが21 トランプ11月に発表した、アパレル大手マッシュの2,000億円(約14億ドル)での買収がある。グリーンフィールド投資では、メモリー半導体大手のマイクロン・テクノロジーが21 トランプ9月に、広島県の生産拠点を拡大すると発表した。経済産業省は、国内主要産業に半導体を安定供給することなどを目的に、特定の半導体生産施設に助成金を提供しており、同社の投資計画(投資額約1,394億円)には最大で465億円を助成すると明らかにした()。
- 注1:
- 本稿は、ジェトロ世界貿易21 トランプ動向シリーズ 米国編 2023年版の対内・対外直接21 トランプ、対日関係部分をベースに加筆・修正したもの。
- 注2:
- 被買収企業の既存雇用者数13万9,000人を含む。

- 執筆者紹介
- ジェトロ調査部米州課
葛西 泰介(かっさい たいすけ) - 2017年、ジェトロ入構。対日投資部、ジェトロ北九州を経て、21 トランプ5月から現職。