トヨタが12年ぶり3位、自動車の好調目立つ(カジノ 無料)
2017年の工業部門売上高上位500社

2018年7月24日

イスタンブール工業会議所(ISO)が発表した2017年の工業部門売上高上位500社(ISO500)によると、上位10社は例年どおり、エネルギー、自動車、家電、鉄鋼の4分野が占めた。首位は石油精製会社テュプラシュ、2位はフォード・オトサン、3位には2005年以来12年ぶりにトヨタ・カジノ 無料がラインクインするなど、自動車セクターの好調が目立つ。

自動車を中心に輸出関連が牽引

カジノ 無料の製造業は、1990年代までに発展した繊維・衣料品、食品加工などの軽工業から、外資の進出によって資本集積型の自動車産業、民営化の進行に伴う鉄鋼などの重工業へと幅広く発展してきている。その結果、主力となる輸出品目も繊維・衣料品から自動車、鉄鋼に重心が移ってきている。一方で、生産のための付加価値の高い部品や周辺機器などは輸入品への依存が高く、生産増が輸入増につながる構造的な問題を抱えている。特に欧州という巨大な市場に近いこともあり、自動車などは欧州メーカーの組立工場からの脱却が遅れている。

2017年の工業部門売上高上位500社(ISO500)をカジノ 無料・リラベースでみると、全体の売上高(生産ベース、ネット、注)は前年比29.9%増だったが、カジノ 無料・リラが対ドルで約20%下落したことで、ドルベースでは7.6%増にとどまった。カジノ 無料製造業最大の企業は、コチ財閥系の石油精製会社のテュプラシュで、18年連続で首位を堅持した(表1参照)。同財閥からは例年どおり、テュプラシュのほか、フォード・オトサン(2位)、トファシュ(4位)、アルチェリッキ(6位)、アイガス(11位)が上位にランクインしている。また、国営企業ではエウアシュ(国営電力生産会社)が最高だったが、順位を7位から18位に下げている。

表1:2017年のカジノ 無料工業部門上位20社(売上高順)(△はマイナス値、―は値なし)
順位 会社名 前年順位 売上高(生産ベース、ネット) 前年比(%) 外資比率 (%) 輸出額の順位 輸出額
(100万ドル)
前年比(%)
(100万TL) (100万ドル) リラ建て ドル建て
1 テュプラシュ(カジノ 無料石油精製会社:石油精製) 1 51,143 14,019 56.9 29.9 0 5 2,785 32.6
2 フォード・オトサン(自動車) 2 22,669 6,214 39.0 15.1 41.04 1 4,796 21.2
3 トヨタ・カジノ 無料(自動車) 6 17,830 4,888 68.7 39.7 100 2 4,593 71.1
4 トファシュ(カジノ 無料・フィアット:自動車) 3 15,911 4,362 23.8 2.5 37.86 3 3,269 0.7
5 オヤク・ルノー(自動車) 4 15,673 4,296 36.7 13.2 51 4 3,182 12.3
6 アルチェリッキ(家電) 5 12,582 3,449 11.9 △ 7.3 0 7 1,933 8.7
7 イスデミル(イスケンデルン製鉄工場:製鉄) 10 10,623 2,912 63.5 35.4 0 20 420 46.3
8 エルデミル(エレーリ製鉄工場:製鉄) 11 9,920 2,719 60.6 33.0 0 51 190 38.7
9 イチダシュ(鉄鋼) 9 9,307 2,551 42.2 17.8 0 12 884 54.0
10 ヒュンダイ・アッサン(自動車) 8 8,361 2,292 18.5 △ 1.9 70 6 1,986 738.0
11 アイガズ(エネルギー) 14 6,768 1,855 24.8 3.4 0 137 94 62.1
12 メルセデス・ベンツ(自動車) 15 6,486 1,778 45.8 20.7 84.99
13 ペトキム(石油化学会社) 17 6,473 1,774 55.9 29.1 51 15 690 57.2
14 チョラクオウル金属加工(鉄鋼) 19 6,314 1,731 64.3 36.1 0 16 681 44.9
15 ベステル(家電) 12 6,295 1,726 9.3 △ 9.5 0
16 イスタンブール・アルトゥン・ラフネリシ(金属精製) 13 6,199 1,699 13.4 △ 6.1 0 21 419 △ 65.8
17 BSH(家電) 16 5,749 1,576 33.5 10.6 99.97 11 1,007 33.2
18 エウアシュ(国営電力生産会社:発電) 7 5,202 1,426 △ 29.2 △ 41.4 0
19 トスチェリキ(トスヤル鉄鋼:鉄鋼) 22 5,003 1,371 39.2 15.3 0
20 アセルサン・エレクトロニク(防衛産業) 20 4,484 1,229 20.8 0.0 0 57 179 14.0
合計 500社の合計 636,771 174,553 29.9 7.6 52,333 12.5
注1:
ドル建ての金額は、1ドル:3.648TL(中銀2017年買い平均値)で換算。
注2:
生産ベース:自社の生産分(OEM生産分を含み、輸入品販売を除く)。
注3:
ネット:税金を含まない
出所:
イスタンブール工業会議所(ISO)

上位500社の輸出額(ドル建て)をみると、外需に牽引されるかたちで、輸出依存度(輸出額/売上高)が高いフォード、トヨタ、トファシュ、ルノーといった自動車セクターが上位を占めている(表1、2参照)。同セクターのリラ建ての売上高は前年比36.9%増、ドル建ての輸出額も26.9%増と欧州市場回復の好影響が見られる。2017年の自動車生産は前年比13%増(167万3664台)、乗用車生産は18%増(112万839台)、自動車輸出は17%増(133万2794台)、乗用車の輸出は24%増(92万1354台)だった[カジノ 無料自動車工業会(OSD)]。特に2016年に投入した小型スポーツ用多目的車(SUV)の「C-HR」(ハイブリッドを含む)が人気のトヨタ・カジノ 無料(出資比率:トヨタ90.0%、三井物産10.0%)が、売上高で39.7%増となり、2015年の15位から2016年に6位、2017年に3位と順位を上げている。同社の輸出台数は2016年の10万9,184台から、2017年は2.3倍の24万6,466台に急増しており、輸出額は71.1%増となった。カジノ 無料輸出業者評議会(TIM)が発表した2017年の輸出企業ランキングでもフォード・オトサンに次いで2位だった。

また、鉄鋼セクターの売上高も、世界の鉄鋼需給がタイト化し価格が上昇したことを反映し、輸出主導で2桁増と順位を上げた。輸出は数量で7.7%増、金額で26.4%増と好調だった。オヤク系のイスデミル(イスケンデルン製鉄工場)とエルデミル(エレーリ製鉄工場)は、鉄鋼カジノ 無料で2016年首位だったイチダシュを上回り、7位と8位だった。イチダシュは2016年と同じ9位、チョラクオウルは19位から15位に上昇し、トスチェリッキ(19位)は2014年以来3年ぶりに上位20社に入った。

家電企業はアルチェリッキ(コチ財閥傘下)が2016年の5位から6位に、ベステル(ゾルル財閥傘下)が12位から15位に順位を下げた。アルチェリッキの売上高はリラベースで11.9%上昇したものの、リラ下落の影響でドルベースの売上高は7.3%減少した。ベステルも同様にリラベースの売り上げは9.3%増、ドルベースの売り上げは9.5%減だった。17位のBSH(出資比率:ボッシュとシーメンス家電99.28%、その他0.71%)のリラベースの売り上げは33.5%増、ドルベースの売り上げは10.6%増で、生産の大部分が輸出向けのためカジノ 無料リラの下落の影響が限定的で、上位家電企業のうちドルベースの売り上げが上昇した唯一の企業だった。

表2:ISO500社 産業別売上げ高の推移 (単位:100万カジノ 無料リラ,%)
産業 2015 2016 2017 カジノ 無料数 構成比 2017/2016
鉱業・採石 8,353 8,885 12,898 11 2.0 45.2
食品 70,138 69,463 79,373 88 12.2 14.3
飲料 5,037 5,351 5,745 6 0.9 7.4
たばこ 3,831 4,569 4,784 3 0.7 4.7
繊維 16,301 18,153 23,706 40 3.6 30.6
衣料品 4,146 5,102 6,013 12 0.9 17.9
皮革 238 315 331 1 0.1 5.1
木材 6,096 6,269 7,108 5 1.1 13.4
紙・製紙 6,590 7,078 10,298 15 1.6 45.5
出版物 799 840 854 2 0.1 1.7
石油精製品 44,851 42,579 63,877 4 9.8 50.0
化学品 22,876 24,408 34,374 29 5.3 40.8
医薬品 2,402 2,641 3,405 5 0.5 28.9
ゴム・プラスチック 12,549 12,090 16,271 22 2.5 34.6
非金属鉱物 19,468 20,116 21,216 35 3.3 5.5
基礎金属 74,662 79,451 125,463 76 19.2 57.9
金属製品 7,567 8,373 12,626 18 1.9 50.8
コンピュータ・電子機器、精密機器 8,951 10,281 11,736 4 1.8 14.1
電気機器 30,235 34,074 43,531 36 6.7 27.8
機械機器 7,288 8,388 10,430 12 1.6 24.3
自動車 69,674 87,558 119,900 44 18.4 36.9
その他の輸送機器 4,599 5,297 6,993 6 1.1 32.0
家具 2,320 2,485 3,575 6 0.5 43.9
その他 6,274 6,467 7,737 4 1.2 19.6
電気・ガス・蒸気機関、空調機器 15,262 19,807 20,455 16 3.1 3.3
合計 450,505 490,043 652,711 500 100.0 33.2
出所:
ISO

日系カジノ 無料は17社がランクイン

日系企業では、トヨタ・カジノ 無料についで、ブリサ(ブリヂストン)、ホンダ・カジノ 無料、矢崎自動車部品、トヨタ紡織カジノ 無料、インジGSユアサなど、自動車および関連製造業が順位を上げている(表3参照)。また、化学品関連ではサルテン(三井物産)、関西アルタン・ペイント、ポリサン関西ペイント、サンケミカル(DIC米子会社)が順位を上げている。

このほか上位500社には、JTI、タト食品(137位)、アナドル・いすゞ(170位)、ダイキン・カジノ 無料(291位)、日東ベント(356位)、パナソニック・エコソリューションズ(398位)、矢崎ワイヤリング・テクノロジー(489位)などが入っている。

表3:ISO500社ランキングにおける日系カジノ 無料の順位(―は値なし)
社名 ISOランキング順位 出資比率
2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
トヨタ・カジノ 無料 12 15 15 6 3 トヨタ90.0%、三井物産10.0%
ブリサ 54 57 53 57 56 ブリヂストン43.63%
ホンダ・カジノ 無料 188 199 209 103 60 本田技研100%
JTI 104 89 66 64 92 JTI 100%
矢崎自動車部品 148 166 133 113 101 矢崎100%
サルテン *123 *118 100 112 111 三井物産15%
タト食品 105 105 110 106 137 カゴメ3.7%、住友商事1.5%
トヨタ紡織カジノ 無料 316 367 405 194 157 トヨタ紡織欧州90%、三井物産10%
アナドル・いすゞ 179 150 111 150 170 いすゞモーターズ16.99%、伊藤忠商事12.74%
関西アルタン・ペイント 296 293 280 283 254 関西ペイント51%
インジGSユアサ *263 *234 229 311 265 GSユアサ50%
ダイキン・カジノ 無料 488 307 291 ダイキン工業100%
ポリサン関西ペイント *282 *266 *281 317 301 関西ペイント50%
日東ベント 337 354 352 150 356 日東電工100%
サンケミカル 446 426 415 377 362 DIC米子会社サンケミカル100%
パナソニック・エコソリューションズ *318 *344 374 367 398 パナソニック 100%
矢崎ワイヤリング・テクノロジー 424 442 489 矢崎100%
注:
*は、日系カジノ 無料投資前の順位を表す。
出所:
イスタンブール工業会議所(ISO)

上位500社の内訳は民間カジノ 無料491社に対して、国営カジノ 無料は9社で、民営化の進行に伴いランクインする国営カジノ 無料の減少が続いている(2004年18社、2014年11社)。またISO加盟カジノ 無料数は174社で、2016年の180社から減少した。加盟カジノ 無料数は、2007年の213社、2013年192社、2015年181社と減少傾向が続いている。また、ISO 500社のうち、115社が外資あるいは外資との合弁カジノ 無料で、売上高全体の32%を占める。外資系カジノ 無料数は2009年の153社をピークに減少傾向が続いている。

ISO500社のうち研究開発(R&D)に取り組んでいる企業は254社と2016年の239社から増加した。R&D支出は前年に比べ23.7%上昇し、35億リラ(約9億5,900万ドル)に達したものの、売り上げに対する比率は0.53%にすぎない。ISOのエルダル・バフチュバン会頭は、「カジノ 無料からの需要、高い稼働率、工業部門全体の成長をみるに、トルコ企業が技術力を高め、付加価値を高めた生産に向けた投資をする時代がきた」と述べている。


注:
カジノ 無料による生産活動の合計(自社の生産、他社への委託生産、他社からの受託生産により構成される)。
カジノ 無料
執筆者紹介
ジェトロ・イスタンブール事務所 国際貿易専門家
エライ・バシュ
2009年6月にカジノ 無料のチャナッカレ・オンセキズ・マルト大学教育学部日本語教育学科を卒業。その後、大阪大学に留学し、2014年3月に言語文化研究科言語文化専攻博士前期課程を修了。2015年3月からジェトロ・イスタンブール事務所で調査担当として勤務。