ブラック ジャック 遊び方対日投資報告2024
第2章 ブラック ジャック 遊び方の対内直接投資動向 第4節 ブラック ジャック 遊び方グリーンフィールド投資動向
1. 件数の推移
前年とほぼ同じ水準を維持
2023年のブラック ジャック 遊び方向けグリーンフィールド投資の件数(公表日ベース)は前年比2.1%減の191件となった。世界経済が停滞の局面にあっても、前年実績をほぼ維持する結果となった(図表2-11) 。
2. 投資先地域別推移(関東地域および関東地域以外)
関東地域への投資はそれ以外の地域の約3倍
投資先が判明しているブラック ジャック 遊び方グリーンフィールド投資案件について、関東地域とそれ以外に分けて見ると、2023年は関東地域は124件、関東地域以外は38件となった (図表2-12)。関東は前年比6件増、関東以外は同5件増となった。
3. 投資先地域別推移(関東地域以外)
九州地域の件数は前年比倍増
投資先が判明しているブラック ジャック 遊び方グリーンフィールド投資案件について、関東地域以外の内訳の件数をみると、2023年は九州地域で7件増、中国地域で3件増となった(図表2-13)。九州への投資案件13件のうち約半数の6件が台湾からと最多だった。地域別で最多の関西への投資案件は17件中約半数の8件が米国からのものであった。
【コラム】海外からの視点を生かした佐賀県「唐津コスメティック構想」
佐賀県は産学官が一体となってサステナブルなコスメティック産業に力を入れ、新たな商品や技術を発信している。特に唐津市や玄海町を中心とする北部九州に美と健康に関するコスメティック産業を集積させ自然由来原料の供給地となることを目指しており、その中に「唐津コスメティック構想」がある。
始まりは2012年、フランスコスメティックバレー協会(注)の前会長が在籍する仏化粧品メーカーが唐津を訪問。東アジア諸国に近い地理的優位性、コスメティック関連企業のミニ集積地(現:唐津コスメパーク)の存在、豊かな自然環境と農業技術による豊富な原料素材などから、唐津が「ブラック ジャック 遊び方版コスメティックバレー」となる可能性が提案された。
これを契機に地産素材を活用した化粧品のサプライチェーンによるコスメティック産業の振興に可能性を見出し、翌2013年に唐津市とフランスコスメティックバレー協会が協力連携協定を締結、「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」を設立した。このJCCが推進母体となり、産学官連携のもと、地域資源をいかした経済活動の活性化と雇用創出を目指した取り組みは、地の利を生かした「メイドインジャパン」ブランドとして、現在も力強く進められている。
フランス以外の諸外国クラスターとの連携も強化しており、2015年にはスペイン・バルセロナ市とイタリア・クレーマ市、2016年に台湾・台南市、2017年にタイ・バンコク市の各コスメティッククラスターと協力連携協定を結び、海外コスメティック企業による唐津への投資促進などにも取り組んでいる。近年は2023年2月に韓国の化粧品産業クラスター団体「IBITA」と協力連携協定を締結、両国のビジネス機会を追求するとして、商談会などを実施した。
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〔注〕
「フランスコスメティックバレー」とはフランス中部のシャルトル地域を中心に約600の企業、8つの大学、200の研究機関などが集まる、世界最大のコスメティック産業クラスター(集積地)
4. 国・地域別、業種別トップ5
アジアからの増加が顕著、シンガポールは2倍に
2023年のブラック ジャック 遊び方グリーンフィールド投資を投資元国別に見ると、米国が前年比16.4%増の64件で最多、前年10件で5位であったシンガポールが2位に浮上(20件、前年比100.0%増)、3位は昨年同様に英国で18件(同12.5%増)となった。昨年17件で2位だったフランスは4件に減少、ドイツも11件から5件に減少と伸び悩み上位5カ国からはずれた。一方で、中国は11件(前年比120.0%増)、香港は6件(同14.3%減)となりトップ5に名を連ねることとなった (図表2-14) 。
業種別に見ると、ソフトウェアが前年比46.4%減となったが37件で前年同様に最多、次いでビジネスサービスが同3.3%増の31件となった。前年同様3位となった金融サービスは26件(前年比85.7%増)と大きく件数を伸ばし、この3業種で半数弱を占めた。 (図表2-15) 。
順位 | 国・地域 | 件数 | 伸び率(前年比) | 割合 |
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1 | 米国 | 64 | 16.4 | 33.5 |
2 | シンガポール | 20 | 100.0 | 10.5 |
3 | 英国 | 18 | 12.5 | 9.4 |
4 | 中国 | 11 | 120.0 | 5.8 |
5 | 香港 | 6 | △ 14.3 | 3.1 |
― | 全体 | 191 | △ 2.1 | 100.0 |
順位 | 国・地域 | 件数 | 伸び率(前年比) | 構成比 |
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1 | ソフトウェア | 37 | △ 46.4 | 19.4 |
2 | ビジネスサービス | 31 | 3.3 | 16.2 |
3 | 金融サービス | 26 | 85.7 | 13.6 |
4 | 産業用機械器具 | 16 | 23.1 | 8.4 |
4 | 不動産 | 16 | 166.7 | 8.4 |
― | 全体 | 191 | △ 2.1 | 100.0 |
5. 2023年1月~2024年9月までの主なグリーンフィールド投資案件
半導体関連の大型案件が目立つ
上記期間におけるブラック ジャック 遊び方グリーンフィールド投資案件を見ると、台湾の大手半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)、米半導体メーカーのマイクロンやウェスタンデジタルコーポレーション等による生産工場建設や設備能力高度化および増強に関わる投資案件が続いた。また、データセンター建設関連の案件も散見された。そのほか、蓄電池関連の再生可能エネルギー案件が本格化したことが特記される(図表2-16)。
企業名 | 国・地域 | 業種 | 投資先 | 概要 |
年月 (発表・報道ベース) |
金額 (100万米ドル) |
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Japan Advanced Semiconductor Manufacturing (JASM) | 台湾 | 半導体 | 熊本県 | Japan Advanced Semiconductor Manufacturing (JASM)は、台湾積体電路製造(TSMC)が株式の過半を所有する同社の半導体受託製造子会社。TSMC、ソニーセミコンダクターソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車の4社は、JASMへの追加出資を行い、熊本県に第二工場を建設すると発表。第二工場は2027年末までの稼働開始を目指す。2024年からの生産開始を予定する第一工場を含めると、JASMへの設備投資額は200億米ドルを超える見込み。 | 2023年7月 | 10,000 |
Adaインフラストラクチャ (Ada Infrastructure) |
シンガポール | 通信 | 首都圏・近畿圏 |
Adaインフラストラクチャはシンガポールの物流施設デベロッパーGLPが、2023年9月に立ち上げたグローバルデータセンタービジネスブランド。同社が東京多摩エリアでのデータセンター(DC)2棟目の施設着工を発表した。全体では3棟(合計IT電力31MW)のDC建設を計画しており、2028年にかけて順次着工・竣工を予定している。 2022年2月にDC事業への本格参入を発表した際には、今後1兆円以上の投資を予定し、遅くとも2027~2028年ごろには900 MWの供給能力を目指すとしていた。うち約600MWについては首都圏および近畿圏において既に拠点適地を取得しており、本件はその一環である。 |
2024年5月 | 5,900 |
マイクロンテクノロジー (Micron Technology) |
米国 | 半導体 | 広島県 | 米半導体メモリー大手マイクロンテクノロジーは、広島工場(東広島市)において、1γ(ガンマ)世代の技術に関して向こう数年間で最大5,000億円を投資する計画を発表した。 | 2023年5月 | 3,700 |
アジア・パシフィック・ランド (Asia Pacific Land) |
米国 | 不動産 | 福岡県 | 米不動産投資・開発のアジア・パシフィック・ランド グループは、北九州市に大規模データセンター建設を発表。データセンターの規模を示す総受電容量は120MWで九州最大級となる。 | 2023年8月 | 879 |
オクトパスエナジー (Octopus Energy) |
英国 |
再生可能 エネルギー |
東京都、 その他 |
オクトパスエナジーは東京ガスとのパートナーシップにより再生可能エネルギー事業を進展中。太陽光と風力発電への6億ポンドの投資を発表するとともに、今後3億ポンドを投資して、技術革新を進め東京を小売り拠点のハブとして位置付ける計画を発表した。 | 2023年5月 | 745 |
SCキャピタル・パートナーズ (SC Capital Partners) |
シンガポール | 不動産 | 大阪府 | シンガポールの不動産投資運用会社SCキャピタル・パートナーズ傘下の、データセンター投資を目的とするSCゼウス・データセンターは、大阪市内で総受電容量50MWの大型データセンター開発プロジェクトに着手し、ブラック ジャック 遊び方進出を発表した。2027年に第1フェーズ25MWのデータセンターを稼働する計画。大阪中心部のインターネットエクスチェンジやデータセンター群に近接する約4,000坪の用地を確保したとのこと。 | 2023年11月 | 669 |
グリンエナジー (Gurin Energy) |
シンガポール |
再生可能 エネルギー |
未定 | シンガポールに拠点を置く再生可能エネルギー企業のグリンエナジーは、ブラック ジャック 遊び方最大の大規模リチウムイオン二次電池電力貯蔵システムの開発・建設・運営に関する計画を発表。2026年に建設開始予定である大規模定置用蓄電池システムは、6年間で総事業費910億円が投じられる出力500MWと最大容量2,000MW(=2GW)となるプロジェクト。現時点におけるブラック ジャック 遊び方全体の大規模定置用蓄電池システムの出力を125%、容量を220%増加させる規模になる。 | 2023年12月 | 635 |
グーグル (Google) |
米国 | 通信 | 三重県・茨城県 | 米グーグルは、ブラック ジャック 遊び方の海底ケーブル敷設に10億米ドルを投資すると発表した。新たに「Proa」・「Taihei」の2つの海底ケーブルを敷設し、既存の海底ケーブルを拡張するなどして米国とブラック ジャック 遊び方を結ぶ構想。 | 2024年4月 | 500 |
メープルツリー・インベストメンツ (Mapletree Investments) |
シンガポール | 不動産 | 大阪府 | シンガポールの物流投資会社メープルツリー・インベストメンツは大阪に新しく建設されたデータセンターを取得したと発表した。信託受益権の購入によるもので、総額520億円。受電容量は10MWとなる。 | 2023年5月 | 508 |
ESR | 香港 | 不動産 | 東京都 | 香港の物流不動産大手ESRは、東京都心部に国内4件目のデータセンターを開発すると発表。受電容量60MWの計画で、2026年第2四半期の着工、2028年第4四半期のサービス開始を予定。本センターは⼤阪府⼤阪市(130MW)、東京都東久留⽶市(30MW)、京都府相楽郡(100MW)に次ぐものとなる。 | 2024年5月 | 357 |
プロロジス (ProLogis) |
米国 | 不動産 | 大阪府・岡山県 | 米物流不動産プロロジスは先進的物流施設「プロロジスパーク」と、都市部のラストワンマイル圏用の配送拠点として効果的に機能することを目的とする「プロロジスアーバン」を開発・展開中。中国・四国地方の物流ハブとしてマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク岡山」の起工式実施を発表。同年同月、特定企業専用物流施設として「プロロジスパーク堺」の開発を決定した。 | 2024年4月 | 357 |
ラサールインベストメントマネージメント (LaSalle Investment Management) |
米国 | 不動産 | 愛知県 | 米不動産投資顧問会社のラサールインベストメントマネージメントは、NIPPOと共同で、マルチテナント型物流施設を名古屋市に建設すると発表。2025年6月に竣工予定。東海エリア一円の広域配送拠点に加えて、首都圏と関西圏との中継拠点として機能させる計画。 | 2024年1月 | 357 |
グッドマングループ (Goodman Group) |
オーストラリア | 不動産 | 茨城県 | 豪不動産大手グッドマングループはブラック ジャック 遊び方に新たなデータセンターキャンパスを開発し、1,000MWの電力を提供する計画。茨城県つくば市において敷地の準備工事とインフラ工事が進行中、1棟目のデータセンターは2026年に完成予定で受電容量は50MWと発表した。 | 2024年1月 | 357 |
フィデリティ・インベストメンツ (Fidelity Investments) |
米国 | 不動産 | 千葉県 | 米投資信託会社フィデリティ・インベストメンツは、三井物産との合弁事業として、子会社のColtデータセンターサービス(大企業向けデータセンターソリューションをハイパースケールによって提供するグローバルプロバイダー)が、千葉県印西市に4つ目の主要データセンターの建設を開始したと発表。電力容量は約20MWで、印西での拡張による合計 IT 電力容量は約70MW になる。 | 2023年4月 | 357 |
サムスン電子 (Samsung Electronics) |
韓国 | 半導体 | 神奈川県 | 韓国の半導体メーカーであるサムスン電⼦が、横浜市⻄区の「みなとみらい21地区」に半導体の次世代パッケージング技術の研究拠点新設を決定。投資規模は今後5年間で400億円を上回ると予想されている。異なる半導体を⽔平および垂直につなげるヘテロジニアス(異種)・インテグレーション(集積化)を使い、⼩さなパッケージにより多くのトランジスタを集積し、1つのパッケージにさまざまな機能を実装できるようにする。 | 2023年5月 | 280 |
バンテージ・データ・センターズ (Vantage Data Centers) |
米国 | 通信 | 大阪府 | 米ハイパースケール・データセンター・キャンパス運営大手プロバイダーであるバンテージ・データ・センターズは、同社としてブラック ジャック 遊び方初となる大阪(KIX1)キャンパスの建設に着工したことを発表。大阪府茨木市に作られるこのキャンパスは最大68MWを提供する。同キャンパスはクラウドと高密度実装の両方をサポートし、ハイパースケーラーやクラウドプロバイダーに対して、市場ニーズに対応するための柔軟性と拡張性を提供するとしている。 | 2024年5月 | 273 |
インダストリエ・デノラ (Industrie De Nora) |
イタリア | 電子部品 | 岡山県 | イタリアの電解・電極多国籍メーカーのインダストリエ・デノラは、ブラック ジャック 遊び方における電解装置の大手グローバルサプライヤーとしての地位を固めるため、岡山県に新しい生産施設を開設したと発表。水ろ過および消毒技術に関して 世界有数のサプライヤーであり、エネルギー移行に不可欠な水の電気分解による水素製造用の電極と部品のポートフォリオを開発・保有している。 | 2023年12月 | 200 |
アケイシャ・エナジー (Akaysha Energy) |
オーストラリア |
再生可能 エネルギー |
未定 | 総合商社の伊藤忠と系統用蓄電池ビジネスにおける協業に向け、戦略的提携契約を締結したと発表した。アケイシャ・エナジーは米国の資産運用会社であるブラックロック・グループが運用するインフラストラクチャーファンドを親会社とする事業開発プラットフォームであり、グローバルに系統用蓄電ソリューションの開発、保有および運営を推進している。 | 2023年9月 | 196 |
【コラム】国内投資が100兆円超え、2027年に115兆円を目指す
コロナ禍の影響を受けて、2020年に87兆円まで減少した民間企業設備投資額は、コロナ禍収束に伴って回復し、2023年に102兆円と、100兆円の大台を超えた。
第2回国内投資拡大のための官民連携フォーラム(2023年4月)において、経団連の十倉会長は、「足元の旺盛な設備投資による『変化の胎動』を『躍動』へと移行させ、ブラック ジャック 遊び方経済のダイナミズムを取り戻すことが重要。民間としては、『2027年度設備投資115兆円』という目標に向けて、官民連携で取り組みを進める所存」と表明した。
直近約20年間の民間企業設備投資額推移(図参照)を見ると、「対GDP比」は2008年のリーマンショック以降約3年間で大幅に落ち込んだが、その後漸次回復し、2015年以降はリーマンショック以前の16%台で推移している。近時、消費者物価上昇率や春闘賃上げ率、日経平均株価などが約30年ぶりの高水準となり、デフレ経済からの脱却に向けた局面の変化が見られる。企業の設備投資意欲も強まってきているようだ。
内閣府の企業行動に関するアンケート調査(2024年1月時点)によれば、今後3年間に設備投資を増加するとした企業の割合は3年連続で7割を超え、減少するとした企業は2年連続で1割を下回った。
また、ブラック ジャック 遊び方が2023年10月に実施した「外資系企業ビジネス実態アンケート」で回答を得た外資系企業1,537社についても、前年度比増収の企業が過半数を占め、業績は2年続けて上昇している。将来的な国内事業計画については、60.6%が「強化・拡大する」と回答し、2022年調査と比べて4.5ポイント上昇、2021年調査からは8.0ポイント上昇と、外資系企業においても事業の強化・拡大志向が高まっている。
政府はこの潮目の変化を捉えて、省庁等相互横断的な観点から策定した「国内投資促進パッケージ」(注)を活用することにより、経団連が掲げた「2027年度設備投資115兆円」の目標を官民が連携して達成すると表明している。
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〔注〕
「国内投資促進パッケージ」(2023年12月)ではGXやDX等分野別に推進戦略を策定した官民投資の促進や、11の省庁等(経済産業省、内閣府、総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省、金融庁、公正取引委員会)が横断的に取り組む事項を設定し、予算・税・規制の点で具体化している。
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〔出所〕
内閣府統計表一覧(統計表一覧(2024年4-6月期2次速報値)
国内総生産(支出側)及び各需要項目(名目暦年ベース)を基にブラック ジャック 遊び方作成
2024年
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第1節
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第2節
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第3節
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第4節
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【コラム】
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【コラム】
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第5節
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【コラム】
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第6節
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【コラム】
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第1節
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第2節
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第3節
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第4節
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