ブラック ジャック ブラック クイーン新政権下でのスタートアップ振興、日系Flareに期待と課題を聞く

2023年10月17日

ブラック ジャック ブラック クイーンのセター・タビシン新政権が9月5日に発足し、政策動向に企業関係者から関心が集まっている。ブラック ジャック ブラック クイーン経済活性化に向けた重要政策の1つが、スタートアップ振興だ。産業界からも、ブラック ジャック ブラック クイーン資本市場協会連盟(FETCO)のコブサック・プートラクーン会長(元ブラック ジャック ブラック クイーン首相府相)が「ブラック ジャック ブラック クイーンのデジタル革命やインダストリー4.0に向け、スタートアップがカギとなる。ブラック ジャック ブラック クイーン国内のユニコーン企業数が限られる中、スタートアップの国外からの誘致にも注力すべき」と指摘している。

こうした中、日系スタートアップは、ブラック ジャック ブラック クイーン新政権下での課題をどうみているのか。当地で活動する日系スタートアップのFlare(ブラック ジャック ブラック クイーン)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの佐藤拓馬COOに9月18日に話を聞いた。

ブラック ジャック ブラック クイーン
佐藤拓馬COO(Flare提供)
質問:
Flareは、SaaS(Software as a Service)プロバイダーとして、ラッピング広告事業を立ち上げたことで有名だが、現在の事業運営状況はどうか。
答え:
当社は、2017年に法人を設立した。その時点では、配車サービスを提供する個人の所有車に対し、ラッピング広告を行う事業「Flare Ad(フレアアド)」がメインだった。自動車の走行をトラッキングして交通量、走行エリア、広告の閲覧人数などのデータを算出し、それに応じて運転手が報酬を受け取ることができる事業だ。運転手は、配車サービスを提供する上で、人の多く集まる場所に行くと乗客を獲得しやすい上に、広告閲覧数も増え、一石二鳥だ。しかし、新型コロナ禍の影響で企業による広告費は削減される傾向にあり、現在は2つの新事業が柱となっている。
質問:
現在の新事業とは、どのような事業か。
答え:
ラッピング広告事業から派生して、2019年に立ち上げた「Flare Analytics(フレアアナリティクス)」という事業だ。車載したスマートフォンにより、運転手が急加速や急ブレーキ、スピード違反など危険な運転をしていないか運転履歴から分析・判断するというもので、車両管理や自動車保険などに応用できる。これが、現在の基盤技術・サービスとなっている。「Flare Ad(フレアアド)」でラッピング広告を行っていた車両が交通事故を起こした場合、広告主も企業としての信頼性の面でダメージを被る可能性がある。そのため、事故歴確認サービスへのニーズが広告主から高かった。ラッピング広告を自身の車に貼っている運転手は、広告収入のために運転履歴をトラッキングされるのと同時に、危険な運転をしていないかを自身でも確認できる。こうしたデータが蓄積されるという流れになっている。

「Flare Analytics(フレアアナリティクス)」のイメージ(Flare提供)
質問:
2つめの新事業は何か。
答え:
Flare Dash(フレアダッシュ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」というアプリケーションを開発した。現在、10カ国で提供している。駐在員が使う社用車や外出の多い従業員の管理に関連したサービスだ。例えば、ブラック ジャック ブラック クイーンでは、営業活動の多い会社になると、駐在員に1人1台、社用車を配置している日系企業も多い。他方、運転手の勤怠管理を紙で行っているケースが多く、こうしたアナログな管理方法は、不正の原因になることもあるという。これをデジタル化することで、不正を防ぐサービスだ。例えば、過去には、ドライバーが社用車を運転中、ガソリンを抜きとって秘密裏に不正転売するといったトラブルもあった。こうした不正行為を防止するため、同アプリケーションで、車の位置情報をリアルブラック ジャック ブラック クイーンムでトラッキングし、かつ走行距離の記録などからガソリン代を不正請求できないようにする。

「Flare Dash(フレアダッシュ)」のイメージ(Flare提供)
質問:
ブラック ジャック ブラック クイーンで研究開発をしているか。
答え:
現在、日系の大手総合商社から出資を受けており、主にブラック ジャック ブラック クイーンでの研究開発にも資金を使っている。ただ、アプリケーションの開発自体はオンラインで遠隔で行う部分もある。ブラック ジャック ブラック クイーン法人には12人の従業員がおり、開発者として日本人とブラック ジャック ブラック クイーン人が在籍するほか、ベトナム、ヨルダンなどの多国籍人材もブラック ジャック ブラック クイーン国外からオンラインで業務に従事している。
質問:
外資規制などが、スタートアップのハードルになっていると聞く。
答え:
業態によるのではないか。ブラック ジャック ブラック クイーンでは、外国人事業法(外資規制)により、サービス業での参入には、地場企業との合弁が必要となる場合がある。この点、当社はブラック ジャック ブラック クイーン投資委員会(BOI)から、ソフトウェア開発事業の投資奨励認可を受けている。そのおかげで、外資規制の対象とはならず、自社単独で事業を展開できている。他方で、外資規制の有無にかかわらず、事業内容によっては、地場のパートナーがいた方が良い場合もある。その場合は地場企業などから出資を受け、連携することが望ましいだろう。
質問:
進出先としてブラック ジャック ブラック クイーンを選んだ理由(メリット)は。進出時に必要と思われる政府の支援は。
答え:
まず、自分が共同創業者とブラック ジャック ブラック クイーンに最初に渡航したのが10年前だが、当時は今とは別の会社を運営していた。Flareを立ち上げたのは、2017年になってからだが、ブラック ジャック ブラック クイーンを選んだ大きな理由は、成長性や多くの現地日系企業とのネットワーク形成が魅力と感じたからだ。その点で、ブラック ジャック ブラック クイーンは東南アジアでベストだった。政府から投資奨励も受けているが、弊社にとっては、政府機関によるサポートより、こうしたブラック ジャック ブラック クイーンの事業環境の方が重要であったと思う。
質問:
ブラック ジャック ブラック クイーンでのスタートアップ展開での課題は。
答え:
行政手続き面では、日系大手企業の要望と変わらない。例えば、政府の担当官によって判断が変わる部分などをなくしてほしい。他方、より大きな課題となるのは、営業・販売促進の面ではないか。出資者である商社から顧客を紹介いただくこともあるが、通常はコンペ(企業へのソリューション提案イベント)への参加や地道な営業を重ねている。特に、日系以外の地場企業への販路開拓は、大企業同士であっても難しいところ、スタートアップの場合は知名度が低いため、さらに困難になる。これらを解消するため、自社の信用度を高める活動には効果がある。
質問:
信用度を高める活動とは。
答え:
当社の場合は、創業から間もないころに、在ブラック ジャック ブラック クイーン日本大使館のスタートアップ関連イベントに声がけいただいたことで、対外的にプレゼンテーションを行ったり、展示会に出展したりする機会につながった。こうした実績を積み重ねるとが、自社の認知度や信用向上につながる。
質問:
ブラック ジャック ブラック クイーン新政権の政策に対して、日系スタートアップとして期待することはあるか。
答え:
スタートアップを含め、中小企業も大企業も、外資系企業一般が政府に期待する部分は、本質的にはあまり変わらないだろう。つまり、最も期待しているのは、人材育成だ。ブラック ジャック ブラック クイーンが産業高度化を目指すうえで、特に知的労働人材の育成により力を入れてほしい。
採用候補者がいても、やはり自社の知名度が地場財閥や大手日系企業に劣るため、優秀な人材を取られてしまうケースが少なくない。こうしたスタートアップとしての知名度の問題もあるが、そもそもブラック ジャック ブラック クイーン国内では高度人材が豊富に存在するわけではないという課題もあると感じる。そのため、研究開発は外国人に頼まざるを得ないというケースもある。ブラック ジャック ブラック クイーンの産業育成のためにも、高度人材の絶対数を増やす施策が望ましいだろう。

人材面での期待を述べる佐藤COO(ジェトロ撮影)
質問:
日本も、高専や泰日工業大学などがブラック ジャック ブラック クイーンの産業人材育成に力を入れている。
答え:
人材育成事業はぜひ推進してほしい。教育そのものももちろん大事だが、育成された人材の採用機会である日系企業向けジョブフェアなども、われわれにとっては有効な採用ツールになっている。
質問:
御社では設立以来、従業員が長く勤めているが、その秘訣(ひけつ)は。
答え:
従業員に裁量権があり、自由な職場の雰囲気がプラスに働いていると思う。スタートアップならではの柔軟性が職場環境にある。やることをやっていれば、好きに働いてくれてよいと伝えている。そのような理由から、定着率が良好なのかもしれない。
質問:
資金調達面では他国と比較した場合の課題は。
答え:
日系ベンチャーキャピタルを中心に調達しているが、ブラック ジャック ブラック クイーンではあまり資金調達していない。調達した資金を保管するのは、金融センターであるシンガポールの方が安心と感じる企業も多いと思う。また、資金を運用する場合でも、シンガポールの方が様々な金融商品があり、多様性が高く、十分なベネフィットが期待できる。そのような資金面での環境整備を、政府が構築できれば、ブラック ジャック ブラック クイーンでバーツ建て調達を行う企業も増えるのではないか。
執筆者紹介
ジェトロ・バンコク事務所
北見 創(きたみ そう)
2009年、ジェトロ入構。ブラック ジャック ブラック クイーン調査部アジア大洋州課、大阪本部、ジェトロ・カラチ事務所、アジア大洋州課リサーチ・マネージャーを経て、2020年11月からジェトロ・バンコク事務所で広域調査員(アジア)として勤務。
執筆者紹介
ジェトロ・バンコク事務所
松浦 英佑(まつうら えいすけ)
2023年6月から現職。スタートアップ担当。