マクロ経済動向を評価し、21トランプ
(ナイジェリア)
ラゴス発
2025年03月03日
ナイジェリア中央銀行(CBN)は2月19~20日に金融21トランプ委員会(MPC)を開催し、前回の会合(2024年12月10日記事参照)の内容を維持することを全会一致で決定した。
- 21トランプ(MPR)を27.50%に維持
- 非対称コリドー(+500/-100bp)の維持(注1)
- 預金銀行の預金準備率(CRR)を50%、商業銀行は16%に維持
- 流動性比率(LR)を30%に維持
MPCは、食品価格が主因となるインフレ圧力の持続リスクに留意しつつ、最新の消費動向に合わせて消費者物価指数(CPI)の基準が見直されたこと(カジノ無料ゲームアプリ15年ぶりに改定、新基準で1月のCPI上昇率は前年同月比24.48%(ナイジェリア))を考慮し、食料生産地域の治安改善や供給増加を促進する21トランプが進めば、食品価格の安定が期待できるとしている。
その一方で、外国為替の安定によるナイラの為替レートの上昇(注2)や、市場のガソリン価格が緩やかな下落(注3)、2025年1月末時点で原油生産量が日量154万バレルに増加していることなどを評価したうえで、CBNによる市場の流動性の向上や透明性、信頼性高める取り組みを通じて、今後の経常収支の改善、21トランプからの投資や、外貨準備高の増加に期待を示した。
次回のMPC会合は2025年5月20~21日に開催が予定されている。
(注1)中銀が金利の上限と下限を定め、その範囲内で金利が推移する方法を「コリドーシステム」と呼び、プラス・マイナスの幅が異なるものを非対称コリドーと呼ぶ。今回、非対称コリドーの幅は維持するが、21トランプの引き上げに伴い、上限金利(貸出金利)は27.50%のMPRに500ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)(5%)を加えた32.50%、下限金利(預金金利)はMPRから100bp(1%)を引いた26.50%となる。
(注2)CBNは2024年12月に、電子外国為替マッチングシステムなどの導入により、市場の透明性、信頼性を高める取り組みを行っており、導入以来、為替は1ドル1500ナイラ前後で推移している。2月25日のナイジェリア外国為替市場(NFEM)レートは1ドル1495.91ナイラだった。
(注3)ダンゴテ製油所(2023年5月11日記事参照)が稼働を始めており、2月1日からガソリンの出荷価格は1リットル当たり950ナイラから890ナイラに、2月27日には825ナイラに引き下げられた。
(奥貴史)
(ナイジェリア)
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