政策金利の引き上げを継続、27.5%に

(ナイジェリア)

ラゴス発

2024年12月10日

ナイジェリア中央銀行(CBN)は11月25日と26日に金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利(MPR)を27.25%から27.50%へ、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げることを全会一致で決定した。物価上昇圧力が依然として強いことから、政策金利を引き上げたが、非対称コリドー、預金準備率、流動性率については、維持または据え置きとした。

  1. 政策金利(MPR)の27.50%への引き上げ
  2. 非対称コリドーの維持(+500/-100bp)(注)
  3. 預金準備率(CRR)を16%に据え置き
  4. 流動性比率(LR)を30%に維持

MPCは、インフレ率が10月時点で前年同月比33.88%と高水準を維持し、食品インフレ率が39.16%、コアインフレ率が28.37%へ上昇したことが今回の決定の背景にあるとしている。とりわけ、エネルギー価格の高騰や物流コストの増加もあり、政策引き締めが必要と判断した。その一方で、ナイジェリアの外貨準備高が11月21日現在で408億8,000万ドルに増加し、輸入17カ月分を賄える水準を維持していることや、2024年第3四半期(7~9月)のGDP成長率は前年同期比3.46%で、非石油部門の成長が寄与したという。その上で、MPCは、金融包摂の促進や金融・財政政策の連携強化が物価安定と持続可能な成長に向けたカギとの認識を強調した。

次回のMPC会合は2025年1月27~28日に開催が予定されている。

(注)中銀が金利の上限と下限を定め、その範囲内で金利が推移する方法を「コリドーシステム」と呼び、プラス・マイナスの幅が異なるものを非対称コリドーと呼ぶ。今回非対称コリドーの幅は維持されるが、政策金利の引上げに伴い、上限金利(貸出金利)は27.50%のMPRに500bp(5%)を加えた32.50%、下限金利(預金金利)はMPRから100bp(1%)を引いた26.50%となる。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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