バイデン米大統領、COP29終了に当たって声明発表

(米国)

ニューヨーク発

2024年11月26日

米国のジョー・バイデン大統領は11月23日(米国東部時間)、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29、2024年11月12日記事参照)の終了にあたり、声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。声明では、気候変動対策のための途上国向け資金を2035年までに3,000億ドルに引き上げることなどを盛り込んだCOP29の合意を「歴史的な成果」とたたえた。また、米国が各国に対し、「脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティーをこれまで以上に壊滅的な気候災害にさらすか、それとも、より安全な道に私たち全員を導き、より良い未来へと向かうか」の選択を迫ったとして、自らの役割を強調した。その上で、この合意がインフレ削減法(IRA)などの支援によって新たに生まれた米国の電気自動車(EV)やバッテリー産業が新たな市場を開発することにつながるとして、国内産業への効果を強調、「IRAなどの法律の下で取り組みが継続されると確信している」「米国や世界中で進行中のクリーンエネルギー革命を否定したり遅らせたりしようとする人がいるかもしれないが、誰もそれを覆すことはできない」と述べ、「グリーンニューディールの廃止」を掲げるドナルド・トランプ次期大統領を牽制した(注)。

しかし、次期政権下で現在の気候変動対策がどの程度維持されるのかは、ますます不透明感が増している。IRAに基づき、太陽光パネルやバッテリーなどの生産・販売に対して、税額控除を受けられる内国歳入法(IRC)45Xの最終規則(2024年10月25日記事参照)については、既に11月20日にジョン・ムーレナー下院議員(ミシガン州、共和党)らが議会審査法(CRA、2024年5月30日付地域・分析レポート参照)の仕組みを活用して、規則を廃止する法案を提出している。この法案が成立すれば、少なくとも次期政権が新たな規則を策定するまでの間、同税額控除に係る執行は困難になる。IRAの主要な税額控除の中には、クリーンエネルギー税額控除(IRC45Y、関連ブラック ジャック 賭け)など、最終規則化されていない条項も複数あり、これらがバイデン政権の任期中に策定されたとしても、CRAの対象となることから、同様の事態が懸念される。

(注)共和党の政策綱領を基にしたトランプ氏の政策については、2024年8月9日付地域・分析レポート2024年米大統領選、ブラック ジャック参照。

(加藤翔一)

(米国)

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