EU加盟国、中国製BEVに対する相殺関税措置の導入を支持

(EU、中国)

ブリュッセル発

2024年10月10日

欧州委員会は10月4日、中国製バッテリー式電気自動車(BEV)に対する相殺関税措置に関し(関連オンライン カジノ ブラック)、EU加盟国から必要な支持を得たと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。10月30日までに実施規則をEU官報に掲載する予定だ。

並行して、EUと中国はWTOルールに即し、欧州委の調査によって確証されたEU企業に損害を与える補助金に対処し、モニタリング可能な代替案を模索するため協議を続けるとした(2024年9月26日記事参照)。

現地報道によると、同日行われた加盟国による採決では、フランスやイタリアなど10カ国が相殺関税措置導入を支持したが、ドイツやハンガリーなど5カ国は反対、スペインやチェコなど12カ国は棄権した。半数近い加盟国が棄権した背景には、中国の不公正な貿易慣行にEUとして対抗する必要性を認めながらも、対中関係悪化への強い懸念がある。一方、措置が可決されたことは、欧州委の中国に対する強硬姿勢が支持されたとの見方もある。

米国通商代表部(USTR)は7日、欧州委員会の決定を歓迎する声明を発表している(2024年10月9日記事参照)。ロイター通信(10月4日付)は米調査会社ロジウム・グループのシニア・アドバイザーのノア・バーキン氏の分析を紹介。中国やドイツの圧力にかかわらず、措置導入が支持されたのは「欧州委の大勝利」であり、中国との協議で欧州委の交渉力が強化されたとした。同時に、中国が対抗措置を取る必要があると認識し、協議を通じた解決の可能性が低くなるリスクも指摘した。

今後は中国政府の動向に加え、比亜迪(BYD)がハンガリーや、EUと関税同盟を締結しているトルコへの工場建設計画(BYD、無料 ゲーム ブラック関連オンライン ブラック ジャック)など、中国メーカーの欧州市場進出戦略も注目される。

なお、欧州自動車工業会(ACEA)は10月4日付声明で、自由で公正な貿易は公平な競争条件の担保に不可欠としつつも、欧州自動車部門の国際競争力強化の「1つの側面」にすぎず、競争力強化には包括的な産業戦略が重要と、従来の主張を述べた(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(滝澤祥子)

(EU、中国)

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