EUと中国、中国製BEV巡り「価格約束」再考と協議継続で合意
(EU、中国)
ブリュッセル発
2024年09月26日
欧州委員会のバルディス・ドムブロフスキス執行副委員長(経済総括、通商担当)は9月19日、ブリュッセルで中国商務部の王文涛部長と会談した(プレスリリース)。EUが2023年10月に開始した中国製のバッテリー式電気自動車(BEV)に対する反補助金調査について協議し、最低輸入価格などを設定する「価格約束」について、あらためて検討することで合意した。また、課題に対応し、執行やモニタリング可能なWTOルールに即した解決策に至るまで、閣僚レベルも含めた協議を継続することを確認した。同時に、ドムブロフスキス執行副委員長は王部長に対し、WTOルールにのっとりながら、反補助金調査を期限まで継続することも伝えた。
EUは反補助金調査に基づき、2024年7月に中国製BEVへの暫定的な相殺関税措置を発動し、8月には最終措置案を公表した(関連オンライン カジノ ブラック)。現地報道によると、欧州委は中国企業が提示した価格約束の提案を拒否し、最終措置実施に向けたEU加盟国による採決は早ければ9月に行われる予定だった。しかし、措置を支持していたスペインのペドロ・サンチェス首相が9月11日、加盟国と欧州委に対して措置を再考するよう提言()するなど、加盟国の意見は依然として割れている。
中国のEU産農畜産物に対する調査を懸念、乳製品に関しWTOに申し立て
ドムブロフスキス執行副委員長はまた、中国によるEU産農畜産物に対するアンチダンピング(AD)や反補助金調査(中国がEU産乳製品に対する反補助金ブラック)は、疑念がある申し立てに基づく、根拠が不十分で不当なものだと強い懸念を示し、王部長に対し調査の中止を要請した。
このうち、乳製品に対する反補助金調査について、欧州委は9月23日、WTOの紛争解決手続きに基づき、協議の申し立てを行ったと発表した(プレスリリース)。中国は根拠が乏しいにもかかわらず、同調査を申し立てから短期間で開始し、通商防衛措置を乱用しているとして批判。EUが調査の開始段階でWTOに協議を申し立てるのは初めてと強調し、あらゆる法的手段を活用しEU企業を擁護するとした。
(滝澤祥子)
(EU、中国)
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