EUの大型車CO2排出基準強化、ドイツ業界団体は充電インフラ整備など求める

(ドイツ、EU)

ミュンヘン発

2023年02月22日

欧州委員会が2月14日に大型車の二酸化炭素(CO2)排出基準に関する規則改正案を発表(2023年2月16日記事参照)したことに対し、ドイツの業界団体が声明を発表した。

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は2月14日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、大型トラックとバスが道路輸送部門のCO2排出の約3分の1を占めている点を指摘、削減余地は大きいとした。他方、CO2排出基準達成には欧州内の充電インフラと水素充填(じゅうてん)施設の普及が必要とし、欧州委が「代替燃料インフラ規則案(AFIR)」で提示した設置目標(関連ブラック ジャック オンライン)では大幅に不足するとした。

大型トラックやバスを導入する物流・運輸業界などでは、費用対効果がより厳しく見られるとし、内燃機関搭載車(ICE)よりも電動車や燃料電池車に替えることで利益が見込めるとならなければ、買い替えは起きないとした。このため、助成金や、高速道路料金の免除、減税などの買い替えインセンティブ措置が必要になるとした。

また、欧州委の改正案では、2035年、2040年までの目標も示すが、VDAは、まずは2030年の目標達成に集中し、それ以降の目標は、しかるべきタイミングで、その時点の条件などを踏まえて見直すべきとした。さらに、商用車のCO2排出ゼロやICEの実質禁止の時期は現時点では決めるべきではないとし、化石燃料ではなく代替燃料を使うICEは認められるべきとした。

ドイツ機械工業連盟(VDMA)も2月14日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、CO2排出基準は厳格になったものの、トラックについては、2040年の削減が2019年比で90%減とされたことで、「ICEの可能性は残された」と一定の評価を示した。欧州委が合成燃料を認めない姿勢を示したことに対しては、「理解できない」とした。

欧州自動車工業会(ACEA)によると、2021年時点でEUで登録された中型・大型トラックのうち、ディーゼル車のシェアは96.4%(ドイツは99.4%)、バッテリー式電気トラックは0.1%にすぎない(ドイツも0.1%)。バスは、ディーゼル車が92.5%(ドイツは92.6%)、バッテリー式電気バスは1.3%(ドイツは1.6%)。なお、ドイツのデジタル・交通省は2022年11月、12トン以上の大型商用車では今後、電気トラックや燃料電池トラックが急増し、2030年には約4分の3を占めるとの見方を示している(関連ブラック ジャック 賭け 方)。

(高塚一)

(ドイツ、EU)

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